企業から寄せられた声(文字情報)

山口菱洋システム株式会社

会社概要

所在地: 山口県山口市
業種: 情報通信業
従業員数: 21人

訓練概要

訓練コース: 上級プログラマー訓練コース
職種: プログラマー
訓練生数: 1人
期間: 平成20年8月18日~11月18日

企業にとってプラスになる制度

山口菱洋システム株式会社
笠原社長

――有期実習型訓練を実施するに至った経緯をお聞かせください。

 昨年夏、新規業務に対応するため、システム開発要員の中途採用を検討していました。ハローワークにプログラマーの求人募集を出したところ、升井さんにご応募いただいたのです。
 同じ頃、雇用能力・開発機構山口センターを訪問する機会があったのですが、そのときジョブ・カード制度の有期実習型訓練について伺いまして、詳しくは山口商工会議所(山口県地域ジョブ・カードサポートセンター)の方から説明を受けることになりました。その際感じたのは、企業側、求職者ともに損にならない制度であるということです。
 それならば、ご応募いただいている升井さんに、この制度の利用を提案してみようということになりました。升井さんも快く了解してくださって、実習を行うことになったのです。

自社に即した人材の育成に有効

山口菱洋システム株式会社
評価シートについて語り合う笠原社長(左)と
山口商工会議所の三宅さん(右)

――訓練ではどのようなことをされましたか。また、それに対する升井さんの反応はいかがでしたか。

 升井さんには、外部教育機関における座学と、OJTで当社工場の中の制御システムに関わるトレーニングとしてプログラムや仕様書の作成、テストなど一連の流れがあるのですが、それを一度通しでやっていただきました。
 当社のような、システム開発という業種は、隣の人が何をやっているかわかりにくくなってしまいがちです。情報共有を図るためにも、社員の日報はeメールで作成し、全員が見られるようにしているのですが、私は升井さんに、その日何を教わったかを感想を含めて、日報に書いていただきました。
 升井さんの日報には、今回の有期実習型訓練で、ビジネスマナーからシステム開発まで、ビジネスマンとしてもプログラマーとしても、時間をかけて系統立てて仕事を学べたことの評価が書かれていました。具体的には、訓練期間中は訓練担当者から直接指導を受けての実習だったため、職場のルールを認識できたこと、「生」の仕事に直接触れることで早期理解が得られたこと、新しい仕事へチャレンジできたことなど、彼自身の職場への適応力とスキルアップの軌跡を示していました。
 私の方からも、時に質問をしたり、「来週はこういう動きをしてみたらどうか」「この辺をもっとアピールをしてみては」などとアドバイスもしました。
 訓練担当者に聞いてみますと、訓練を重ねていくうちに、升井さんとのコミュニケーションが円滑になり、彼の仕事への理解が深まっていく手ごたえを感じたようです。また、日々の訓練の中では気付かなかったことでも、いざ評価する段階になったとき、「これもできている」という項目がいくつもあって、あらためて彼の成長を感じさせられたとのことでした。

評価シートの作成は企業にとって大きな利点

――訓練を実施してみて、企業にとってのメリットはありましたか。

 当社にとって、とても効果的だったと感じているのは、プログラマーの評価基準が構築できたことです。実を言えば、当社では、それまで、職種ごとの評価基準があいまいでした。企業としては、好き嫌いで人を採用するわけではないので、評価表にともなって人を評価し、だめなところはきちんと伝えていくということが必要でしょう。
 また、指導する方にとっても、評価ポイントが明確になることで、「プログラマーなら最低限必要なこと」「ここができればなおよい」などを念頭において段階的に伝えることができるので、自信を持って指導することが可能となります。
 今回は、有期実習型訓練の取り組みが急遽決まったこともあり、評価シートの作成には山口商工会議所の方にずいぶんご支援いただきましたが、よいものを作成することができて、今後の人材育成・評価にも生かせると満足しています。今度はシステム・エンジニア用の評価シートを作りたいですね。

訓練実施を商工会議所がサポート

――ジョブ・カードセンターのサポートはいかがでしたか。

 先の評価シートのみならず、有期実習型訓練を滞りなく実施できたのは、山口商工会議所の方のご指導・ご支援のおかげです。チラシだけでは理解が困難だったジョブ・カード制度について詳しく説明いただきましたし、訓練計画の作成・申請など、訓練担当者が負担を感じる部分もサポートしていただきました。その結果、実習決定から実施まで、あの少ない時間の中で、比較的スムーズに訓練開始にこぎつけたと思っています。

中途採用に有効な制度

――訓練期間終了後の感想をお聞かせください。

 いま、当社では訓練が終わり、幸いにも正規雇用に結びつけることができました。この制度を利用してみての感想は、確かに企業、求職者ともに損はなかった、ということです。企業、求職者ともお互いを見極めた上でミスマッチのない選択ができること、企業にとっては助成金をいただいて人材育成システムの構築が可能になること、求職者にはスキルアップが望めることなど、プラス面ばかりですね。この制度を、まだご存知ない企業の方に教えたいくらいです。
 ちょっと気になったのは、当社はうまく正規雇用に結びつけることができたのですが、もしミスマッチだった場合、双方が納得の上とはいえ何らかのフォローは必要ではないかと感じました。
 ジョブ・カード制度は、今後も機会があればぜひ利用したいと思っています。特に、当社のような流動性が高いIT業界では、即戦力となる中途採用者の雇用に有効な制度ではないでしょうか。