企業から寄せられた声(文字情報)

小川イーピー開発株式会社

会社概要

所在地: 富山県富山市
業種: 製造業
資本金: 1,500万円
従業員数: 30人

訓練概要

訓練コース: プラスチック製品工程内検査コース
職種: 機械技術者
訓練生数: 4人(終了後に3人を正社員採用)
期間: 平成21年7月~10月(1人)、
平成21年12月~22年3月(2人)
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

 従業員を採用してもなかなか定着しないので、日頃から悩んでいました。そのようなとき、富山商工会議所の富山県地域ジョブ・カードセンターの企業開拓推進員の方が来社され、人材育成や確保の重要性、OJTと Off-JTを効果的に組み合わせた有期実習型訓練、そして、その評価がきちんと連動して人を育てる訓練システムとしての有用性、人材育成の必要性と経費負担の軽減などを熱心に勧められたのが、ジョブ・カード制度でした。最初は、書類作成の難しさと手続きが煩わしく躊躇していましたが、企業開拓推進員の方から、熱心に勧めてもらったことや訓練実施計画(訓練カリキュラムや訓練計画予定表、評価シートなど)の作成方法、助成金申請書の書き方を助言・指導してもらえると聞き、ジョブ・カード制度を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

小川イーピー開発株式会社
プラスチック製品工程内検査(製品検査指導)

 取り組んだ有期実習型訓練のコースは、プラスチック製品工程内検査コース(基本型)でした。
 一口に検査といっても、検査の仕方や方法などは様々であり、学ぶこともたくさんありますから、富山商工会議所の支援のもとで、訓練カリキュラムを作成しました。
 訓練生の前職は、1期生がサービス職、2期生は電子部品組立工員と健康食品包装工員(ともに正社員経験なし)であり、1期生、2期生ともに30歳代の女性で、全てハローワークの紹介でした。Off-JT訓練は、社内の会議室で実施しました。ビジネスの基礎教科はビジネス業務に関して10年の経験がある業務主任が、検査基礎教科は検査工程に関して10年の経験がある検査主任が、OJT訓練は現場で測定検査作業や品質管理に関して20年の経験がある工場長がそれぞれ担当し、能力評価は工場長が行うこととしました。
 最初に検査の理念を教えた後、訓練の目的を伝え、検査・測定技術の訓練に移るという考え方のもとに訓練に臨みました。
 製品不良についての学習の際には、どのようにして不良品ができるのかを製品ができる工程から現場を見学させ、実践してみせるなどして教育訓練しました。訓練生からは、「なぜ、不良品ができたのかが分かったので、不良品のできる場所を特定できるようになった。そのお蔭で、製品不良について、より深く理解できた」などという声が聞かれました。
 測定の場面では、一般的なノギス、マイクロメーターの取り扱いについても実物の製品や治具を使って「やってみせ」「やらせてみて」「なぜ、そうするのか(成否、安全、やりやすく)」を作業分解して教育し、簡単な訓練から難しい訓練へと段階的に進め、初歩の品質管理についても服装から取り扱い、環境整備までの教育訓練を行いました。
 日頃、記入しているチェックシートがQC7つ道具のひとつでデータがコンピュータ処理され、その情報が活用されているということもコンピュータ上で訓練生は学びました。
 訓練生に対し、ただ単に知識を教えるのではなく、「なぜ、その作業が必要なのか」ということを教えながら、現場の業務を取り入れた実・学一体の訓練を進めて指導しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

小川イーピー開発株式会社
品質管理での指導(左が訓練生)

 プラスチック製品工程内検査という仕事は、女性の多い職場であり、子育てをしながら働いている方も多いのが特徴です。
 訓練の途中でお子さんの体調が悪くなり、やむを得ず有期実習型訓練を継続できなかった訓練生がいましたので、仕事と子育ての両立が難しいことが改めて分かりました。幸い、有期実習型訓練の訓練生の4人のうち、3人の方は無事、コースを修了し、正規雇用しました。今では、当社のかけがえのない戦力となって働いています。
 この有期実習型訓練を通じ、仕事と子育てを両立させるためには、企業が女性の勤務シフトや研修期間に余裕をもたせるなど、柔軟性をもって対応していかなければならないと痛感しました。

4.制度の活用による具体的な効果

小川イーピー開発株式会社
作業管理指導による工程検査(左が訓練生)

 今までは、職場からはきちんと教育してから現場に出してほしいとの要望がありましたが、コストの面で人材育成にあまり時間をかけられず、早く現場に出して仕事をしてもらい、仕事を通して戦力になってもらうことが通常でした。しかし、ジョブ・カード制度を活用することにより、企業は余裕をもってじっくりと幅広く、密度の濃い指導をすることができましたし、また、訓練生もじっくりと Off-JTで知識を、OJTで現場の仕事を習得できました。
 この制度は、企業は職業訓練を通じて求職者の適性や能力を評価できますし、求職者は、希望する学びたい仕事や職務を自分自身で選択し、職場環境を確認できますので、ミスマッチを解消できるうえ、助成金の支給もありますので、企業にとっては大変ありがたい制度です。
訓練生は、一生懸命やりたい仕事の能力向上を図れば、訓練終了後に当該企業で正規雇用される可能性が非常に高いし、もし、正規雇用されなかったとしても能力の向上は無駄になることはなく、他の企業への就職も可能であることから、求人企業にとっても、求職者にとっても、人材育成の意味も含めた有意義な雇用対策であると思います。
 しかし、訓練実施計画や各種の提出書類の作成がとても難しく、手続きも面倒ですが、富山商工会議所の企業開拓推進員や訓練コーディネーターの方からとても丁寧な指導を得られましたので、書類作成ができました。また、訓練期間中にも訪問してもらい、アドバイスをもらいました。この指導により、インターネット上で各種職種の参考事例の検索の仕方が分かりましたので、企業内の多岐にわたる職務や職種にも広めていきたいと思います。さらに、職業能力開発推進員や登録キャリア・コンサルタントを配置して、訓練の体制や教育のインフラ整備に結び付ける道筋が見える人材育成ができたのが大きいと思います。これからもこの制度を活用し、人材確保や社内の人材育成と企業全体の発展に役立てていきたいと思います。
 普通の社員より訓練を多く受けているお蔭で、訓練生の仕事に対する意識が向上し、検査に関する知識や関心が深まりました。結果的には、検査意識、質や検査レベルの向上に繋がりました。それに触発され、他の従業員も学習意欲の向上がみられるようになりました。

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要