企業から寄せられた声(文字情報)

アンデルセングループ(3社)

会社概要

所在地: 広島県広島市(本社)
業種: 製造業
資本金: 8,000万円(持株会社)
従業員数: 5,285人
URL: http://www.andersen-group.jp/

訓練概要

訓練コース: 正社員登用コース
職種: 製パン工
訓練生数: 第1回:7人(終了後に7人を正社員採用)
第2回:6人(終了後に6人を正社員採用)
期間: 平成22年1月~4月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

アンデルセングループ(3社)
広島本社からテレビ会議で東京会場の訓練生に
キャリア・コンサルティングを実施した

 複数の都府県にまたがる事業所を有するパン・菓子製造業のアンデルセングループ(㈱アンデルセン、㈱タカキベーカリー、㈱マーメードベーカリーパートナーズ)では、これまでもパートタイマーおよびアルバイト従業員を正社員に登用するに際して、グループ企業として統一的な訓練の実施を望んでいたところ、広島商工会議所からの勧めにより、有期実習型訓練を活用することになりました(グループでは、教育体系図に基づき Off-JTの新入社員秋採用教育を実施していた)。
そこで、訓練の実施に当たっての基本的な考え方として、次の3点を明確にしました。

(1)グループ社員として、また、社会人としての自立と自らのキャリア・ビジョンを持ち、主体的に仕事に取り組める力を身に付けること。

(2)「自分の仕事に夢を持つ」ことや「目指すべき姿」についての考え方や内容を明確にして、アンデルセングループ全体での理解を深めるとともに、同期生の横の連携を深めること。

(3)訓練の狙いを「心(働くことの考え方)」「知識(仕事に必要な知識・マナー)」「技術(働くうえで基本となる技術)」の修練および向上とすること。

2.具体的な取組内容

アンデルセングループ(3社)
キャリア・コンサルティングのサンドイッチ方式が効果的

 訓練の実施に当たっては、より効果的な訓練実施計画を作成し、その実施に万全を期すため、次のような対策を講じることにしました。

(1)目的を達成できる訓練カリキュラム作成のために、グループ全体の教育業務を担当している㈱アンデルセンサービスの能力開発部との綿密な協議を行いました。

(2)訓練指導・評価担当者講習および訓練終了後のキャリア・コンサルティングを行うためにテレビ会議方式を導入しました(2回目の訓練指導・評価担当者講習は、社内における伝達研修で実施した)。

(3)雇用・能力開発機構との連携により、1回目のジョブ・カード発行のためのキャリア・コンサルティングは、同機構東京センターおよび広島センター所属の登録キャリア・コンサルタントが実施しました(2回目については、広島商工会議所の登録キャリア・コンサルタントがテレビ会議方式により、広島から実施した)。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

アンデルセングループ(3社)
Off-JTの実技としての芸北「100 年農場」の見学
(関係する皆さんと意見交換)

 複数の都府県にまたがり、かつ、複数のグループ企業による訓練であっただけに、キャリア・コンサルティングや訓練実施に係る各種支援を広島商工会議所だけに頼ることには大きな困難がありました。そこで、当該の都府県に所在する地域ジョブ・カード(サポート)センターを設置する商工会議所への支援依頼も検討しましたが、断片的なサポートとなるので、これもまた難しく、最終的には広島商工会議所とも相談のうえ、次のように工夫することで、これを乗り切ることができました。

(1)訓練生のジョブ・カード作成に係るキャリア・コンサルティングについては、雇用・能力開発機構の東京および広島センターに所属する登録キャリア・コンサルタントが実施しました(その他の訓練生は、広島で直接面談により、広島商工会議所の登録キャリア・コンサルタントが実施した)。

(2)複数の都府県に所在する6店舗の指導者や責任者に対する訓練指導・評価担当者講習は、テレビ会議方式(広島から発信)によって実施しました。

(3)1回目の訓練終了後のキャリア・コンサルティングは、テレビ会議方式により、広島商工会議所の登録キャリア・コンサルタントが実施しました。

(4)2回目の訓練では、最初のジョブ・カード作成時および訓練終了後のキャリア・コンサルティングは、それぞれ広島からテレビ会議方式により、広島商工会議所の登録キャリア・コンサルタントが実施しました。

4.制度の活用による具体的な効果

アンデルセングループ(3社)
入社式〔3 社の社長(後列)と記念撮影〕

 以上の工夫が功を奏して訓練も円滑に実施でき、社内および訓練生からも非常に高い満足感を得ることができました。具体的には、次の諸点をあげることができます。

(1)複数の都府県にまたがる企業グループの統一的な訓練が円滑に実施できたこと。

(2)有期実習型訓練は、これまで毎年実施してきた正社員登用研修にも有効に活用できることが実証されたこと(特に、キャリア・コンサルティングの実施が有効であった)。

(3)訓練実施の狙いどおり、訓練生のキャリア・ビジョンの形成や主体性の確立に繋がったこと。

(4)訓練終了1カ月後にもキャリア・コンサルティングを実施したことにより、訓練生のさらなるモチベーションの向上に繋がったこと。

 そして、その成功要因としては、以下のような「明確な基本方針+テレビ会議の活用+広島商工会議所および雇用・能力開発機構による支援」に尽きると考えています。

(1)ジョブ・カード講習を受講した担当の部長や係長が、今後の人事制度にジョブ・カード制度を取り入れることに対して、強い意向を持っていたこと。

(2)それを具現化するために、関係者間での緊密な連携によって意識の共有化が図られたこと。

(3)複数の都府県にまたがる訓練実施に伴う阻害要因は、テレビ会議の導入や関係機関との連携によって克服できたこと。

(4)グループ内では、これまでも新入社員フォロー研修を実施していたので、既に訓練実施計画の基本があり、訓練指導者も配置できていたこと。

(5)訓練生は、既に社内選考審査で合格済みであったため、一定以上のスキルとモチべーションが担保されていたこと。

◆訓練終了後のキャリア・コンサルティングで寄せられた訓練生からの声 [対象者:6人(男2、女4) 年齢 24~38歳]
(1)社員としての自覚

○教わる側から指導する側への転換

○リーダーとして1対1から多対多の対応
「全てを教えず問いを投げかけ、考える環境づくりが必要と感じた」「研修の成果を活かし、積極的に知識、技能を学び、頼られる人材に。また、上司から相談される存在になりたい」

○俯瞰する力(全体を上から見る)の重要性
「大きな組織の一員になった自覚と、会社で働く多くの人が幸せになれるよう、自分の役割に責任を持ち、会社全体を見渡せる人になりたい」

(2)社員としての価値基準

○会社の理念、トップの思い、社員の思いを理解し、行動および価値観を共有
「トップとの語らいにおいて、社長への『会社で一番好きなものは何ですか』との質問に対し、『社員です』と答えられたことに深い感銘を受けた。社員を大切に思われることや会社の目標を常に失うことなく自信を持って経営されていると感じ、改めて社員としての喜びや、やる気を持つことができた」

○本物を見る(工場、農場)体験から学ぶ実践知 (共感、協働、信頼感、協力、共通の価値観、仲間意識)
「商品は多くの人の力でできており、社会的役割を担っていることを見学で実感した」 「素晴らしい会社であることを知り、皆が幸せ、会社が幸せになるために、自分の役割をしっかりこなしていきたい」

○数字で物事を捉える
「ワンランク上の仕事を視野に入れ、年間計画、売上、人件費、決算書の大切さを勉強していきたい」

○会社員から社会員への意識変容
「初めて本当の意味で社会に必要としてもらえる人間に近づけた気がして、ただ純粋にうれしかった」


◆訓練を終えて:企業担当者からの声
(株)アンデルセンサービス能力開発部長
ジョブ・カード制度を活用するまでは、社員登用時に簡単な集合研修を行うのみでしたので、実際に働く職場においては、正社員への意識にすぐには切り替わりにくい面もありました。この制度の導入により、登録キャリア・コンサルタントの力を借りて自らのキャリアを主体的に考え、目標を意識して行動する自覚が強まったように感じています。

有期実習型訓練の概要

PDFダウンロード

有期実習型訓練の概要