企業から寄せられた声(文字情報)

防府自動車興業株式会社

会社概要

所在地: 山口県防府市
業種: 運輸業
資本金: 200万円
従業員数: 24人

訓練概要

訓練コース: トラック運転手訓練コース
職種: 貨物自動車運転手
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成21年9月~12月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

防府自動車興業株式会社
社長によるオリエンテーリング

 当社は、大型タンクローリー車や大型トラックを用いた貨物の輸送を通して地域経済の一端を担っており、地場運行を主体にした事業展開をしています。しかし、近年は、運転者の高齢化が顕著となり、若年運転者の確保が喫緊の課題となっています。
 中でも、大型車運転免許を保有していない求職者を中途採用する場合には、早急な訓練・育成が必要であり、短期間での運転免許の取得のみならず、運転に関連する種々な知識や技能を習得させなければなりません。
 また、訓練終了時には、適正な評価を行って、訓練生の適性を確認したうえで実務を担当させることにしています。
 この間、育成担当者にかかる負荷が過大となるばかりでなく、訓練に要する当社の経費や人件費の負担が大きいのが悩みです。
 ジョブ・カード制度は、中途採用者の訓練・育成に当たって、体系的な計画に基づいた訓練の実施や評価を求めていますが、この点が当社の考え方や手順と合致すること、訓練実施計画の作成や訓練の実施に当たっては山口商工会議所の支援が期待できるうえ、経費の一部助成も見込めるなどのメリットが大きいことから、この制度を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

防府自動車興業株式会社
経営幹部によるヒアリングの様子

 新入社員の訓練に際しては、対象者の経歴を考慮し、その都度、訓練内容を定めて指導・育成してきたこともあり、これまで当社には標準化された訓練カリキュラムはありませんでした。今回の訓練カリキュラムの作成に当たっては、山口商工会議所の山口県地域ジョブ・カードサポートセンターの訓練コーディネーターの助言を得て、訓練カリキュラムの標準化を目標にして取り組みました。
 大型車運転免許の取得は正社員採用の必須要件であることから、自動車学校での講習をOff-JT(学科・実技)に組み込みました。
 これにより、市内の自動車学校で大型車の講習を受講できたことはラッキーでした。
 OJT としては、輸送・配送、始業・終業点検や配送管理に関する教科を計画しましたが、そのうち、輸送・配送、点検などの実務が時間のほとんどを占めました。
 また、指導担当者とは別に、経営幹部が訓練期間中に本人へのヒアリングを実施して、訓練内容や現状の把握と解決すべき課題を確認しました。
 訓練日誌に毎日記入することは、当初は不慣れなこともあって、訓練生本人に大きな負荷がかかりましたが、記入することで訓練を振り返ることができ、報告にも役立ったうえ、コメントを通して指導者や幹部の考え方が訓練生に伝わりましたので、相互のスムーズな意志疎通に繋がりました。
 なお、当社では、今回ご紹介した事例の後にも1人が同様の訓練(平成22年11月~23年2月)を実施し、終了後に正社員採用としました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社では、制度の活用に際して不慣れな点もあったため、以下の問題に直面しましたが、山口商工会議所に問い合わせたり、支援を受けるなどして、解決しました。

(1)訓練カリキュラム作成の段階では、必要な能力を明示化することが必要とされていますが、そのような訓練カリキュラム作成の経験が不足していたこともあって、非常に困難を極めました。山口商工会議所の訓練コーディネーターから助言や提案をもらったり、チェックを受けるなどの支援をもとに、必要能力の明示化作業を進め、当社のニーズにマッチした訓練カリキュラムを作成できました。

(2)助成金の支給申請時には、超過勤務証明などの過大な書類を要求されて対応に苦慮しましたが、これらの書類の作成についても、山口商工会議所のきめ細かい指導およびチェックを受けたことにより、支給申請書をスムーズに提出でき、助成金を無事受け取ることができました。

(3)訓練生の募集は、ハローワーク防府への求人申し込みによって行いましたが、紹介されるまでにかなりの日数を要し、このままでは応募者が来ないのではないかと強い不安を感じました。今回は運良く盆休み期間にかかりましたので応募者に恵まれましたが、早期のマッチングを実現するためには、ハローワークの支援が必要であることを強く感じました。

(4)自動車学校での実技講習の時間は、前日の夕方でなければ確定しなかったため、訓練日程の変更に関する調整・対応には苦慮しました。当日予定分の訓練は、当日中に必ず実施できるよう、訓練担当者との綿密な調整を行い、訓練実施時間の変更を繰り返しながら、何とか実施しました。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回の制度の活用によって多くの効果が得られましたが、その主なものは次のとおりです。
(1)決められた手順に従った訓練の実施は、当初煩わしさを感じることが多かったのですが、訓練を終了した現在では、非常に効果的で、効率的な訓練になったことを実感しています。

1.詳細な日程表を作成し、それに従って計画的な訓練を実施できた。

2.訓練日誌に毎日記入することにより、訓練を振り返って課題を発見したり修正したりすることができた。

(2)訓練終了後に職業能力評価を行うことにより、本人も訓練担当者も確かな成長を実感できました。上記の(1)と相俟って、訓練生の満足度や能力の向上に繋がるものと考えています。

(3)訓練カリキュラムや評価シートを体系的に作成した経験やノウハウは、今後の新入社員教育などに活用できます。

(4)助成金を受給できることにより、これまでコストの壁に阻まれてなかなか実施できなかったことまでできました。

1.大型車運転免許やけん引免許を取得させることができた。

2.運送関連の基礎知識をしっかりと学ばせることができた。

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要