企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社双葉タクシー

会社概要

所在地: 大分県大分市
業種: 運輸業
資本金: 1,000万円
従業員数: 83人

訓練概要

訓練コース: タクシー乗務員訓練コース
職種: タクシー運転手
訓練生数: 7人(終了後に2人を正社員採用)
期間: 平成22年1月~23年2月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社双葉タクシー
訓練生に手本を示す社内講師

 大分県商工会議所連合会の大分県地域ジョブ・カードセンターの企業開拓推進員の方が当社を訪問したのが、ジョブ・カード制度を知るきっかけでした。その際、この制度について詳しく説明してもらったところ、人材の出入りが激しく、高齢化が進むタクシー業界にとっては、非常に有効な制度であると思いました。
 当社は、大分市タクシー協会主催の「お客様満足度コンテスト」において7期連続で第1位を獲得するなど、単なる運輸業ではなく、サービス業であるということを社員に周知徹底しています。ドライバーを指導する際は、「お客様の命を乗せているだけでなく、気持ちも乗せている」という信念で指導しています。
 このようなことから、若い人が希望を持って働ける職場となるように、この制度を活用して訓練を実施することに決めました。

2.具体的な取組内容

株式会社双葉タクシー
株式会社ふたばタクシー 代表取締役
松浦 栄太馨さん

 訓練を実施するに当たっては、担当社員をきちんと決めることから始めました。
 Off-JT における訓練の目的や当社の求める人材像に関する訓練カリキュラムの作成は社長自らが担当し、営業や旅客に関する応接は事業部長、関係法令や地理、待機、保安については事業係長が担当しました。また、OJT についても、同乗指導や路上訓練、車両整備、売上管理、クレーム処理といった訓練カリキュラムの内容ごとに適した社員を配置することで、より効果的、効率的な訓練を実施できました。
 訓練期間については、当初は4カ月でしたが、「早く現場に出したい」という会社の意向により、雇用・能力開発機構の大分センターからアドバイスをもらいながら検討を重ねた結果、現在は3.5カ月で、OJTが210時間、Off-JTが 130時間の訓練を行っています。Off-JTの時間数には、普通2種免許取得のための自動車教習所での訓練の40時間を含んでいます。
 これまでの研修では、オリエンテーションが終了すると、普通2種免許取得のために自動車教習所に入校させて、教習を受けながらOff- JTを進めていました。これでは、教習にかなりの時間を要してしまうことから、現在では合宿型の教習所を活用することで免許取得にかかる時間を短縮し、その後の集中的なOff-JTを経て、OJTへと進んでいく訓練カリキュラムとなっています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

株式会社双葉タクシー
い車体に双葉マークのタクシーの前で。
写真右から松浦社長、タクシー・バス・旅行事業部部長 今井伸二さん、
タクシー事業部係長 佐久間朋一さん、大分県商工会議所連合会 大武さん

 幅広い年代層を対象とした訓練を行っていますので、当然のことながら、運転の上手な人もいれば下手な人もいます。また、対応力や反応力も年齢によって差が出てしまいますので、接客や料金の受け渡しにおいては、行動と言葉が一致しないという例も多々ありました。
 このため、その都度、こまめに注意することを心がけるとともに、良い点は大いに褒めて伸ばす方針にしました。また、1日の訓練終了時に、その日の訓練内容を振り返ってもらい、反省点を自分自身で考えてもらうことによって、同じミスを繰り返さないようになりました。 この制度を活用する前に当社が独自で行っていた研修では、研修の後半に訓練生が1人で路上に出るという内容にしていました。しかし、このような内容で訓練を行おうとしたところ、雇用・能力開発機構の大分センターから、「講師などの同乗指導でないと、訓練とはみなされない」との指摘があり、同乗者の調整や訓練中であることをお客様に理解してもらうことなどで苦労しました。この点は、当初1人だった担当の指導者を2人に増やすことで対応しました。
 Off-JT においても、関係法令や応接、地理・保安関連の講義についての理解力や記憶力の差が出てしまうことから、教え方や言葉遣いに注意を払い、根気よく教えていくことにしました。指導者となる社員よりも訓練生の方が年上というケースも多々ありますが、分け隔てなく接して進めていくことが大切です。

4.制度の活用による具体的な効果

 当社では、一般求人による募集も行っていますが、この制度を活用することで求人募集の間口が広がり、多くの人材が当社に応募してくるようになりました。訓練に際しても、訓練期間が十分にありますので、時間をかけて訓練生の能力や適性を判断できますし、評価シートを活用した能力評価も正社員として採用するかどうかの判断に大いに役立っています。
 また、以前から社内の研修制度はありましたが、この制度を活用してからは、きちんとした訓練カリキュラムに基づいて時間をかけて訓練を行えますので、安心して現場に送り出せるようになりました。
 一方、教える側の社員にとっても、訓練の目的や意義について深く考えるようになりましたので、相乗効果も生まれています。
 これに加え、2種免許を取得するための経費など、訓練に係る経費に対して助成金が支給されますので、会社としても負担を軽減でき、大変助かりました。ただし、助成金をただ単に収入として考えるのではなく、お客様にお返しすることを常に考えています。タクシー業を営む当社にとっては、安全運転や良い接客によってお客様に喜んでもらえることが助成金の最大の有効活用だと思っています。

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要