企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社プライマリー

会社概要

所在地: 群馬県桐生市
業種: 医療・福祉
資本金: 300万円
従業員数: 50人

訓練概要

訓練コース: 介護コース
職種: 介護職員
訓練生数: 6人(終了後に4人を正社員採用)
期間: 平成21年7月~11月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

有限会社プライマリー
朝のお茶入れとあいさつ

 介護業界は、一般的に介護職員の定着率が低く、その原因は介護職員の賃金が低いことや施設内の労働環境、人間関係に問題があるためといわれています。しかし、一方では、介護職員の人手不足から常に求人があり、この職種への転職は比較的容易になっています。
 こうした中で、多くの介護施設においては、介護職員の定着率を高めて、その資質向上を図ることによって、他の施設とのサービス面での優位性を確立し、利用者の確保を図ることが課題のひとつとなっています。
 そのためには、介護職員の労働条件や労働環境といった物質的な改善はもちろんですが、それにもまして介護職員が仕事を通じて「やりがい」や「充実感」を感じられることが大切であり、そこから介護職員同士の良好な人間関係を築き、サービス向上へと繋げていきたいというのが当社の経営者の基本的な考え方でした。
 こうした状況のもと、前橋商工会議所の群馬県地域ジョブ・カードセンターの担当者から介護業務の未経験者に対する総合的な介護職員訓練としての有期実習型訓練の提案があり、前述したような経営者の考えとジョブ・カード制度の趣旨とが一致したことが、この制度を活用することになった最大の理由です。

2.具体的な取組内容

有限会社プライマリー
笑顔で行事説明

 平成21年7月から有期実習型訓練を導入し、合計6回の訓練で7人の介護コースを実施しました。このうち、6人が訓練を終了し、1人が現在も訓練中です。
 最初の訓練実施時には、4カ月で総訓練時間数を 430時間程度として、日程的に無理のない時間設定としました。その後、訓練回数を重ねることによって成功体験がプラスされ、6カ月間で総訓練時間数を 640時間に増やして訓練内容の充実を図ってきました。
 また、当社には介護福祉士やケアマネージャー、看護士といった訓練指導者となり得る有資格者が揃っています。これらのスタッフをフル活用できましたし、それぞれの資格取得用の教科書や参考書類も揃っていますので、訓練カリキュラムの作成や訓練指導者の選定で苦労することは少なかったように思います。
 そして、当社はディケア施設を含めた介護施設の運営を4カ所、訪問介護も実施しており、他に別会社として介護施設の運営全般に関わるコンサルタント会社も経営していますので、そのノウハウを自社内の訓練にも活用するようにしています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 介護業界では、訓練を実施する場合に必ず問題となるのが、訓練指導者と訓練生との訓練時間に関わる調整です。介護施設側も業務に対応する人材が不足しているために採用するわけですから、これは当然起こる問題です。
 OJTについては訓練指導者と一緒の訓練(仕事)をするわけですから、ある程度、人手不足の解消に繋がる面もありますが、 Off-JTは、業務を離れて、そのためだけの時間を捻出しなければなりません。当社は、幸いにも介護施設が近隣にありますので、訓練生の勤務表を作成する場合には、 Off-JTの実施日程と時間帯を考慮して、企業全体として勤務時間の調整を図ることができました。
 経営トップが日常的に唱えている「介護職員の仕事への “やりがい ”や“達成感”から良好な人間関係を構築し、それを定着率やサービスの向上へと繋げ、結果として利用者が増える」という考え方の実現に向けてトップダウンに近い形で実施しました。
 とはいうものの、介護業務は休みなく一年中続く業務ですから、経営者から既に勤務している介護職員に対して有期実習型訓練を実施する必要性や内容を的確に伝え、理解と協力を求めることが重要です。OJT、Off-JTの訓練指導者も2回、3回と訓練回数を重ねることで、教え方の要領を掴んだことにより、訓練をスムーズに行えるようになりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 厳しい不況の中、求人企業は少なくなっていますが、介護業界においては人手不足が続き、求人数が比較的多い業種です。その影響もあってか、女性が圧倒的に多い職種であるにもかかわらず、最近は男性の応募者も増えてきています。
 初回の訓練実施時における求職者との面接では、訓練内容の説明を行っただけでした。しかし、2回目の訓練実施時以降の面接では、訓練を実施中であれば、実際の訓練実施状況を知ってもらうために、訓練生を求職者に会わせるようにし、その実情を踏まえながら訓練内容について説明するようにしてきました。そうすることにより、介護事業に対する理解が深まり、仕事の意義ややりがいを実感してもらうことに繋がりました。この傾向は、特に男性の求職者に強かったように思います。
 その結果、男性の訓練生3人を正社員として採用できました。女性の介護職員が大半を占める介護施設においては、男性の介護職員がリーダーとしての自覚を持って、マネジメントできるようになることを大いに期待しています。
 求職者には、介護施設が行う採用面接や登録キャリア・コンサルタントによるジョブ・カードを活用した面談の際に、有期実習型訓練の内容を正確に理解してもらえるように努めるとともに、訓練の実施に当たっても訓練計画を忠実に実行するように努めてきました。その結果、訓練の途中での落伍者もなく、訓練を無事に終了できました。
 女性の訓練生の中には、訓練終了後に家庭の事情によって正社員ではなく自らパートタイムでの勤務を希望する方も少なくありません。しかし、当社では6人の訓練修了者のうち、4人の方が正社員として、1人の方がパートタイムとして勤務しています。残りの1人の方は、実家のある他県で介護職の正社員として雇用されました。
 有期実習型訓練を実施した介護施設においては、未経験者を自社内で訓練するということを通じて、副次的な効果として OJTや Off-JTを教える側の介護職員のスキルアップにも繋がりますし、普段の仕事においても訓練指導者としての自覚が生まれているように思います。

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要