企業から寄せられた声(文字情報)

JA静岡厚生連 清水厚生病院

会社概要

所在地: 静岡県静岡市
業種: 医療・福祉
資本金: 23億1,000万円
従業員数: 231人
URL: http://www.ja-shizuoka.or.jp/k-shimizu/

訓練概要

訓練コース: 介護サービス人材育成コース
職種: 介護職員
訓練生数: 14人(終了後に14人を正社員採用)
期間: 平成21年12月~22年3月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

JA静岡厚生連 清水厚生病院
清水厚生病院の全景

 介護事業は、高齢化の進行に伴って人材需要が急増する一方で、重労働であることから離職率が高く、最も需給バランスが崩れている業種のひとつです。さらには、採算性の厳しい事業であるため、できる限り経費を抑えた運営を強いられています。
 そのため、思うような人材確保が図れず、また、採用後もしっかりとした教育を施せる余裕がないため、知識や意欲が高まる前に離職してしまうといった悪循環に陥っています。
 そうした中で、ジョブ・カード制度は、採用後の教育が必要な過程において、介護に対するしっかりとした知識と技術を習得させることができますので、離職率の低下が期待でき、安定的な雇用確保を実現できる優れた制度であると判断し、活用することにしました。

2.具体的な取組内容

 今回の有期実習型訓練は、概ね以下の手順で実施しました。

(1)訓練カリキュラムの作成
 従来の新人研修は、介護職員を育成する訓練プログラムとしては不十分な点が多かったので、有期実習型訓練の活用を機会に、「どのような OJTと、どのような Off-JTを組み合わせるのが最も適切か」という点を十分に意識して作成しました。

(2)訓練計画書の作成
 訓練生14人は、既に交代勤務で働いており、個々の勤務体制が異なるため、有効適切な訓練計画書(勤務計画書)を作成するのが大変でしたが、静岡商工会議所や雇用・能力開発機構静岡センターの関係者の支援・協力のもと、様々な工夫を凝らして作成しました。

(3)講師依頼(内部講師・外部講師)
 Off-JTの講師は、介護分野を介護支援専門員を中心とした複数名担当とし、リハビリ分野をリハビリの技師長に依頼しました。また、介護技術の OJTは、外部講師(看護師)に確認・指導を依頼し、外部の視点による質の向上に努めました。OJTの指導者は、上記(2)の状況に対応するため、また、既存の職員の指導力向上も目的として特定の少数スタッフに限定せず、多数(12人)の指導者を配置しました。

(4)評価シートの作成
 従来の研修では、詳細な評価シートなどは使っていませんでしたが、今回は静岡商工会議所の静岡県地域ジョブ・カードセンターに全面的に支援してもらい、効果的で納得性の高い評価シートを作成できました。

(5)訓練の実施
 訓練計画書に沿って、OJTと Off-JTを実施しましたが、介護技術の OJT以外の Off-JTは、業務に支障をきたすことがないように、時間外での訓練としました。

(6)能力評価の実施
 4カ月間の訓練を実施し、自己の言動や技術を分析するためのツールとして、評価シートに基づく自己評価と指導者の評価を実施しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

〔発生した阻害要因〕
 訓練計画書(=勤務計画書)の作成に大きな困難が伴いました。
 訓練生14人は、既に採用されている(既に戦力化されている)常勤の臨時採用者であり、しかも各々の勤務日や勤務時間が異なっているうえに、勤務日や勤務時間は前月の後半にならないと確定しません。そのような状況下で、訓練計画書の認定申請段階で訓練計画を確定することが極めて困難でしたので、一時は訓練実施自体を諦めようかと思ったことさえあります。
〔上記に対する改善策〕

(1)OJT訓練の指導者を多数配置した
 日々の業務を阻害せず、14人もの訓練生に効果的な OJT訓練を行うためには、特定の少数指導者だけではとても対応し切れません。そこで、必要な教育を行ったうえで、指導者を多数(12人)配置しました。これにより、OJT訓練を円滑に実施できただけでなく、指導者自身のスキルと意欲の向上という波及効果も生まれました。

(2)Off-JTは2グループに分けて実施
 Off-JTはまとめて1回で行った方が経費負担は少なくて済むのですが、日常業務に支障をきたさないようにするために、2グループに分けて実施しました。

4.制度の活用による具体的な効果

 ジョブ・カード制度を活用して、助成金を支給されることにより、介護職員の育成プログラムを作成したり、OJTと Off-JTにしっかりと時間をかけて取り組むことができたことは、非常に良かったと感じています。
(1)当施設にとっては、以下のような効果がありました。

1.かねてからの念願であった介護職員育成プログラムを作成できた。

2.体系的な訓練を実施した結果、総合的な介護の質が向上した。

3.介護職員の知識や技術、技能、意欲の向上により、離職率が低下した。

(2)訓練生については、充実した育成プログラムを受講したことにより、以下のような効果がありました。

1.介護に係る知識や技能が向上した。

2.介護職に対する意識や意欲が向上した。 現在、訓練開始から1年が経過しますが、(離職率が高い介護の現場では異例のことですが)訓練生に離職者は出ておらず、今回の有期実習型訓練が訓練生の知識と意欲の向上に極めて有効であったことを痛感しています。

 このように、施設にとっても、介護職員にとっても、数多くの効果が生まれたことにより、結果的に利用者に対する業務の質やサービスが向上し、利用者の満足度の向上に繋がりました。

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要