企業から寄せられた声(文字情報)

学校法人昇陽学院

会社概要

所在地: 山口県宇部市
業種: 教育・学習支援業
従業員数: 48人
URL: http://www.yic.ac.jp/

訓練概要

訓練コース: 専門学校教員育成訓練コース
職種: 各種学校教員
訓練生数: 2人(終了後に2人を正社員採用)
期間: 平成22年3月~6月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

学校法人昇陽学院
授業風景

 当学院は、山口県最大の専門学校グループであるYICグループに属しています。YICグループは、「地域に貢献する、地域の皆様のための教育機関」として、これまでにグループ総数で約 6,700人が専門知識と技術を習得して卒業しており、95%を超える就職率を維持しています。
 在校生を鍛え磨くには、教員の継続したスキルアップが肝要ですので、当学院ではYICグループ内の各校と一体で、キャリアパスを見据えた教育体系のもと、教員のレベルアップに取り組んでいます。
 その中でも、中途採用者の教員育成は、実施期間が限定されることや当該者のキャリアが種々であることなどから、効果的に教育訓練を実施することが困難です。そこで当学院では、関係者の自主性に任せ切ることなく、予め定めた計画に従って、当学院とグループ全体で組織的に取り組むことで成果をあげてきました。
 ジョブ・カード制度は、体系的な計画に基づいた訓練実施や訓練終了後の評価を重視している点が、当学院の方針と合致することや訓練計画の作成および認定申請等などについて山口商工会議所の山口県地域ジョブ・カードサポートセンターからの支援を期待できること、さらに経費の一部助成も見込めることなどの理由から、中途採用者の訓練・育成のために、この制度を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

学校法人昇陽学院
キャリア・コンサルティングの実施風景

 訓練カリキュラムのうち、OJTについては既存の訓練メニューを基に自力で作成できましたが、Off-JTについては学院外での研修や講習を取り入れるよう、山口商工会議所の訓練コーディネーターから助言がありましたので、同商工会議所の支援を受けつつ作成しました。外部の適切な教育訓練機関を選定する際には多くの困難が伴なうと聞いていましたが、たまたま、訓練実施時期に全国専門学校経営研究会主催の授業研修、新任者向け研修などが予定されていましたので、これらを Off-JTに組み込むことができました。
 また、これまで新任者向けのみに実施していた模擬授業(授業法の練習)やアシスタント実習(他の講義での実習)の教科を今回初めて中途採用者の Off-JTにも組み込んでみたところ、これは非常に効果的でした。
 OJTとしては、講座の企画、授業準備および授業、実施後のフォロー、レビューやクラス運営に関する教科を取り入れました(このうち、授業、クラス運営、テキスト作成、およびレビューが大半の時間を占めました)。
 当学院内に配置している登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングは、訓練の実施前と実施中、終了後の計3回実施しましたが、特に訓練内容の詳細や自分自身の現状把握および解決すべき課題を訓練中に確認したことが訓練効果を高めるうえで有効でした。
 訓練日誌に毎日記入することは、当初は不慣れな点もあって、訓練生本人には大変負荷が大きいようでした。しかし、訓練内容を記録することで、訓練の成果や課題を自分自身で確認することができ、報告にも役立つうえ、コメントを通して指導者や幹部の意向が分かります。これによって、相互の意志疎通が図れたことなどの体験を通じ、その重要性を十分に認識できたようでした。
 当グループでは、平成20年度から有期実習型訓練に取り組んでおり、既にグループ内で3人の訓練終了実績があります。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当学院は、制度の活用に際し、下記の阻害要因に直面しましたが、その都度、山口商工会議所に問い合わせ、タイムリーな支援を受けたことにより、無事乗り越えられました。

(1)訓練カリキュラムや訓練計画表に求められる要件の理解が不十分だった。
 訓練カリキュラムや訓練計画表の作成に当たっては、必要とされる記載内容やその精度(教科をどの程度ブレークダウンしたら良いか、訓練計画表をどの程度詳細に作らなければならないかなど)が十分には理解できていなかったので、不安がありましたが、山口商工会議所から適切な他社事例を提示されたことにより、早期に作成できました。

(2)雇用・能力開発機構山口センターへの対応が不安であった。
 認定申請書類を提出する際は、同機構センターの担当者の指摘や質問の主旨、意味が理解できず、対応に苦慮しましたが、同行した山口商工会議所の担当者から、それらを咀嚼・説明してもらうことにより、当方から的確な説明と回答ができたので、申請書類はスムーズに受理されました。

(3)キャリア・コンサルティングの実施日程を直前まで決められなかった。
 訓練予定者の事情で初回のキャリア・コンサルティングの実施日程がなかなか決まらず、結果的に実施日の直前になってようやく決定しました。登録キャリア・コンサルタントの方には迷惑をかけてしまいましたが、柔軟に対応してもらえたことにより、予定どおりの日程で訓練を開始できました。

(4)能力評価の方法についての理解が不足していた。
 評価シートに記入する段階になって、評価シートの記入方法を十分に理解していないことに気づき、山口商工会議所の担当者から改めて説明を受けました。評価担当者も訓練生本人も、共に理解が深まりましたので、公平で迅速な評価を実施できました。

(5)支給申請書類の作成要領を十分に理解できていなかった。
 訓練終了後の助成金支給申請書類の作成要領を十分に理解できず、作成に難渋しました。山口商工会議所の担当者の指導とチェックを受けたお陰で、支給申請書類がスムーズに審査され、助成金を無事受け取ることができました。

 また、阻害要因も発生しましたが、当学院で以下のように対応しました。

(1)突発業務の発生などで、予定の訓練日程に指導者が対応できなくなった。
 指導者に突発業務が発生し、Off-JTの訓練実施に影響が出た日もありましたが、当日予定分は実施時間を変更するなどして対応しました。

(2)訓練日誌に毎日記入させることが難しかった。
 訓練生には訓練日誌に毎日記入するよう指示しましたが、当初はしばしば滞りがちでした。そこで、毎週、山口商工会議所に提出して記入方法の確認をしてもらうこととし、遅延時には同商工会議所からも督促してもらうようにした結果、その後、大幅な滞りは発生しませんでした。

(3)訓練実施状況の把握が困難であった。
 訓練実施状況の推移を的確に把握することが困難でしたが、山口商工会議所の担当者から、訓練実施時間数を教科ごとに管理するよう助言されたので、時間数を教科ごと、日ごとにパソコン入力して指導者にフィードバックするようにしました。これにより、訓練時間の不足や偏りの発生を予防できました。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回、ジョブ・カード制度を活用したことによって、次のような効果が得られました。

(1)OJTとOff-JTを適切に組み合わせたことにより、効果的な訓練を実現できた。
 Off-JTに全国専門学校経営研究会主催の新任者向け研修を組み込めたことで授業研修を早期に実施でき、習得したノウハウや技法を OJTに活用できました。

(2)社内の人材育成システムの見直しや改善に繋がった。
 訓練カリキュラムと評価シートの内容や作成の経験は、今後の新入社員教育などに活用できます。また、専門分野の研修以外にも、教員としてのスキル養成を重視したプログラムを付加することで、専門学校としての教育の質の確保ができました。
 評価シートは、今後の採用時にも活用できます。活用に当たっては、評価者に対して事前に説明し、理解のレベルを揃えておくようにしたいと思います。

(3)訓練カリキュラムに基づいた訓練を実施したことで、実践力を高められた。
 訓練カリキュラムや日程表を予め作成しておいたことで、訓練を計画的に実施でき、実践力を身に付けさせることができました。

(4)必要な職業能力が明確となった。
 訓練終了後の能力評価を行うことにより、訓練の効果(成長の結果)を企業も訓練生本人も実感できました。また、今後、訓練すべき職業能力や課題も明確になりました。

(5)社内の登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを実施したことで、訓練の現状把握と解決すべき課題が訓練途中で確認できましたので、以後の育成計画がより明確になりました。

(6)訓練日誌に毎日記入することで、訓練を振り返り、修正個所や対応箇所を認識できました。

(7)通常の採用・教育に比べ、コスト負担を軽減できました。

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要