企業から寄せられた声(文字情報)

アペックス産業株式会社

会社概要

所在地: 東京都港区
業種: 生活関連サービス・娯楽業
資本金: 2,100万円
従業員数: 31人
URL: http://www.apex-sangyo.jp/21/27/

訓練概要

訓練コース: ネズミ害虫等防除作業コース
職種: 清掃員
訓練生数: 第1回:1人(終了後に正社員採用)
第2回:1人(終了後に正社員採用)
期間: 第1回:平成22年12月~23年5月
第2回:平成23年1月~6月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

アペックス産業株式会社
Off-JTの実施風景

 当社では、ネズミやゴキブリ、ハエ、蚊、ダニなどの有害生物等防除業を営んでいます。設立は1949(昭和24)年で、業界では老舗の1つに数えられています。企業のビジョンとしては、以下の3つを定め、14カ条の行動基準をもとに活動しています。

(1)業界No1 の高い専門技術と専門知識を身に付け、スピーディーなトータルサービスの提供により、お客様満足度を高め、新規顧客の開拓とリピーターの増加を目指す。

(2)お客様に対する安全周知の徹底と全社を挙げたエコ活動に取り組み、人と環境にやさしいIPM除を行う。

(3)新たな技術開発に取り組み、社員満足度の高い夢のある会社とするため、充実した設備投資を行い、会社の礎となる人材の育成に努める。

 しかしながら、1.いろいろな媒体を活用して求人を募集しても、多くの候補者の中から選別できるほどの応募者が来ない、2.少ない応募者の中から採用しても、なかなか定着しない、3.アルバイトを数名採用し、その中から良い人材を正社員にしようとしたが、適当な人材が出てこないのが現状でした。
 このような状況のもと、インターネットでジョブ・カード制度のことを知りました。そこで、東京商工会議所が開催した企業説明会に参加したところ、この制度は、中小零細企業のためにあることを理解し、当社でも活用することにしました。

2.具体的な取組内容

アペックス産業株式会社
OJTの実施風景

 当社では、これまでジョブ・カード制度の有期実習型訓練を2回実施し、現在も3回目の訓練を実施しています。この訓練を成功させるためには、「経営トップの理解とこだわりと根気」が必要であるとともに、「Off-JTとOJT の知識」と「ノウハウ」が必要だと思います。
当社での具体的な取り組みは、以下のとおりです。

(1)申請書類の作成
東京商工会議所の地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方による指導を受けて作成しました。

(2)ハローワークやその他の媒体を活用して訓練生を募集
応募のあった訓練生の候補者に対し、正社員の採用時と同様に、当社の業務概要や採用条件を説明し、知力業務適性・性格特性検査や作文を実施したうえ、面接試験を行って採用しました。

(3)訓練カリキュラムに基づいた有期実習型訓練を実施

1)訓練指導者のリーダーと訓練生による「自己宣言 私の6カ月後の姿(ビジョン)」の作成訓練指導者のリーダーのアドバイスを基に、訓練を終了する6カ月後には「私は○○になって○○している」というようなビジョンと「2・3カ月目の目標」「4・5カ月目の目標を設定させました。

2)訓練指導者のリーダーが1週間単位の訓練スケジュールを作成

3)Off-JT とOJT の実施
1.同僚の協力を得ながらこだわりを持って実践しました。
2.訓練生は、1日の終了時に日報を作成し、訓練指導者のリーダーに提出してフィードバックしました。

4)訓練指導者のリーダーと訓練生の週 末検討会の実施 毎週金曜日に1時間程度かけて実施し、1週間の振り返りと翌週の訓練スケジュールを作成しました。

5)月1回のキャリア・コンサルティン グの実施
訓練の進捗状況の確認を兼ねて登録キャリア・コンサルタントによるキ ャリア・コンサルティングを実施し、 訓練指導者のリーダーや上司、社長に報告するとともに、その結果を訓練生にフィードバックしました。

6)中間評価の実施
6カ月の訓練期間の中間となる3カ月目に評価シートを活用して中間評価を実施し、評価結果の違う項目については訓練指導者のリーダーと訓練生の話し合いで調整しました。

7)訓練終了時に評価を実施
訓練生が作成したビジョンの達成状況についての評価と評価シートを活用した最終評価を実施しました。

8)最終のキャリア・コンサルティングを 実施
登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを実施し、訓練指導者のリーダーや上司、社長に報告しました。

9)正社員採用面接の実施
社長や取締役、上司で訓練生との面接を行い、採用を決定しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 OJT の指導は、「忙しくて時間がない」「仕事を任せられない」「指導するためのスキルがない」といった理由から、なかなか大変ですが、訓練生を指導する社内の人材の育成に繋がるとともに、自己成長のきっかけにもなります。
 しかし、日常の業務を行いながらの訓練生に対する指導となるので、1人では対応できません。このため、自分の得意分野を中心に16人の訓練指導者を選任しました。複数人での指導となることから、指導方法がバラバラにならないように、訓練指導者のリーダー(1人)を決定し、OJT の仕方や新人育成指導の仕方などを内容とした社外の研修会を受講させ、その内容を他の訓練指導者に周知させました。
 また、Off-JT とOJT の訓練カリキュラムは、当社に合った無理のないものにしたことも成功のカギといえます。
 特に訓練実施計画などの申請書類の作成や助成金の支給申請は煩雑で大変でしたが、東京商工会議所の地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方の懇切丁寧な支援によって、なんとか乗り切ることができました。

4.制度の活用による具体的な効果

 当社にとっては、1.人材の選択ミスを防止できた、2.訓練指導者となる人材の養成、モチベーションの向上に活用できたなど多くのメリットがありました。また、今回の有期実習型訓練を実施するために作成した評価シートは、業界では初めてのものでしたので、アレンジして活用してほしいと同業他社に提供したところ、非常に感謝されています。
 一方、訓練生にとっても、1.職業選択のミスマッチを防止できる、2.希望する職種や職務のOJTを受けられる、3.評価シートを活用して他社への就職活動で活用できるなどのメリットがあります。
 このように、ジョブ・カード制度は、当社のような中小零細企業にとっては、適性のある人材の採用と早期定着、早期自立を支援してくれる制度だと確信しています。これからジョブ・カード制度の活用を検討されている企業に対しては、経営トップ層の理解のもとに、効果的に活用されることをお勧めします。

(平成23年12月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要