企業から寄せられた声(文字情報)

八祥産業株式会社

会社概要

所在地: 福岡県北九州市
業種: 製造業
資本金: 1,050万円
従業員数: 66人
URL: http://www.k4.dion.ne.jp/
~hassho/

訓練概要

訓練コース: シートメタル加工組立コース
職種: 一般機械器具組立工
訓練生数: 3人(終了後に正社員採用)
期間: 平成23年3月~9月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

 当社は、昭和36(1961)年12月に創業し、既に半世紀が経過しています。
 営業品目は、鉄道車両の部品の設計や製作、取付、修理です。JR九州やJR西日本が主な得意先であり、上記の営業品目のほか、車両のリフォームや観光列車の備品製作も手掛けています。
 業界を取り巻く現在の環境は、1.特殊部品の製作がメインであるため、受注をとるには技術力と設備力の維持・向上が必要、2.受注量の山と谷の差が大きいために、太陽光発電などの建築金物製作などで谷間を埋めている、3.受注量は増加傾向にあるものの、受注単価は年々、厳しくなっています。
 こうしたことから、当社では、技術力の維持・向上や設備の稼働率を上げるといった課題に対応するため、2交代作業を計画し、社員の増員を検討していました。
 そのようなとき、北九州商工会議所の福岡県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方からジョブ・カード制度の有期実習型訓練を紹介されました。送付されたDMを見たり、同商工会議所の主催による説明会に参加して制度の詳細についての理解に努めました。
 当社の従業員は66人で、平均年齢は42歳ですが、社員の管理や教育のレベルアップ(教育訓練制度の充実、評価制度の活用)、優秀な人材の確保(ミスマッチの解消)、教育訓練経費の負担軽減(リスクの軽減)を図れることは、当社の方針と一致していましたので、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

八祥産業株式会社
OJTの実施風景

 訓練期間は127日間に設定し、訓練時間は816時間としました。このうち、OJTは607時間、Off-JTは209時間です。
 訓練カリキュラムに盛り込んだOJTは、シートメタル加工組立作業、Off-JTは、1.オリエンテーション・能力評価、2.鉄道車両の構造と知識、3.シートメタル加工設計他、4.ビジネスパソコン演習、5.フォークリフト運転技能演習、6.玉掛け技能演習、7.アーク溶接演習他で構成しました。その作成に当たっては、以下のような考え方で対応しました。

(1)OJTは、中途入社する社員のための教育訓練での指導内容を基に作成した。

(2)Off-JTは、工場作業に必要な資格(1.玉掛け技能講習、2.クレーン運転業務の特別講習、3.自由研削用といしの取替教育、4.アーク溶接特別教育、5.フォークリフト運転技能講習)を取得させるために、外部の教育訓練機関(マイテクセンター北九州など)を活用した。パソコンの実習については、北九州商工会議所の講習会が役立った。

(3)社内でのOff-JTは、OJTで実習する基礎となる製図やCADの演習を主体にした。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

八祥産業株式会社
Off-JTの実施風景

 訓練実施計画の作成から、有期実習型訓練の実施に至るまでには、いくつかの問題点が発生しました。
 特に問題となったのは、1.訓練カリキュラムの作成に時間がかかった、2.訓練指導者は、訓練生に教えることに不慣れであった、3.Off-JTの講師が不足していた、4.通常の業務が停滞した、ということです。
 このため、訓練カリキュラムの作成に当たっては、北九州商工会議所から参考資料を入手し、制度普及推進員の懇切丁寧なアドバイスを受けながら取り組みました。また、指導方法については、社長や訓練指導者などで構成する事前協議で対応策を検討しました。
 さらに、担当業務の組み換えや外部の教育訓練機関でのOff-JTの実施、社員の業務をローテーションすることによって、講師不足や通常業務が停滞しないように対応しました。やはり、全ての従業員のサポート体制の構築が重要なことを実感しました。

4.制度の活用による具体的な効果

 これまでは、社員の採用に関して過剰なまでに慎重になっていましたが、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用することによって、思い切った採用に踏み込むことができました。加えて、全ての社員が教育訓練の必要性を感じるようになり、新たな向上心が生まれたという効果もみられます。
 定量的な効果としては、訓練終了後に、国からの助成金が支給されましたので、教育訓練にかかったコスト負担を軽減できたことです。
 また、定性的な効果としては、1.人材育成の目標設定が明確になった、2.社内の人材育成システムを構築できた、3.評価シートを参考にして「スキル表」(各種工具や機械操作等の能力を5段階で評価)を作成し、人事考課に活用できた、4.教育に係る費用や時間を気にしないで、必要な教育を実践できたといったように、人材育成の基盤を強化できたことです。
 そのほか、有期実習型訓練を終了しての感想は、以下のとおりです。
〈事業主としての感想〉

(1)従来の履歴書に比べると、ジョブ・カードの方が求職者に関する情報が多いことから、面接時に役立った。

(2)面接だけでなく、訓練期間中に訓練生の適性を判断できたので、雇用のミスマッチを防止できた。

(3)6カ月の訓練によって、訓練生は即戦力レベルに育ってくれた。

〈訓練生の感想〉

(1)事前に有期実習型訓練についての説明を受けていたので、仕事に対する心構えができた

(2)実務の前に事前教育してもらったので、仕事の目的を理解して取り組むことができた。

(3)仕事に必要な資格(1.玉掛け技能講習、2.クレーン運転業務の特別講習、3.自由研削用といしの取替教育、4.アーク溶接特別教育、5.フォークリフト運転技能講習)を集中的に取得させてもらった。

(平成24年5月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要