企業から寄せられた声(文字情報)

東光石油株式会社

会社概要

所在地: 千葉県千葉市
業種: 生活関連サービス・娯楽業
資本金: 1,000万円
従業員数: 27人

訓練概要

訓練コース: レンタカー営業所員育成コース
職種: 営業員
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成22年12月~23年3月(1回目)
平成23年11月~24年2月(2回目)
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

東光石油株式会社
洗車についてのOJT

 当社は、昭和44年にガソリンスタンド業として創業しました。その後、時代の変遷を受け、平成元年よりレンタカー業に参入し、平成9年にはメイン事業をレンタカー業に移行しました。現在では、レンタカーの営業所を4店舗展開しています。
 各営業所では4~6人で業務を行っており、当社全体では27人の従業員がいます。雇用形態の内訳は、正社員が19人、契約社員が8人(うち、高年齢者が4人)です。
当社では、正社員はもちろんのこと、契約社員でもやりがいをもって働けるように、なるべく分業はしないで、あらゆる業務に従事することでスキルアップを目指すように指導しています。
 そして、向上心をもった契約社員については、可能な限り正社員として迎える方針ですが、目先の業務が優先され、なかなか体系だった教育を行えなかったことから、惜しい人材が離職するケースもありました。
 レンタカーに対するお客様のニーズは、事故代車や車検代車、商用車、レジャー用途と様々です。「ご利用したいときに目的に応じたクルマを選択できる」というレンタカーのメリットをお客様に最大限に享受してもらうために、営業所員は、多種多様な車輌についての知識を持ち、お客様の安全のために日々、車輌のメンテナンスを実施し、受注応対から伝票作成など、多くのスキルを習得しなければなりません。このため、縁あって当社に入社した方を継続雇用するためには、教育体系の確立が必須でした。
 そのような折、求人のために訪れたハローワークでジョブ・カード制度のチラシをみつけました。早速、千葉商工会議所の千葉県地域ジョブ・カードセンターに電話で問い合わせたところ、訓練コーディネーターの方がすぐに来社され、ジョブ・カード制度について詳しく説明してもらいました。
 この制度は、当社で急務だった教育体系の確立そのものでした。何といっても、制度を活用すると決めた以上は、カリキュラムどおりに訓練を実施せざるを得ませんので、多少無理をしても人と時間を確保する体制ができます。
その他、この制度に魅力を感じた点は、以下のとおりです。  

(1)社内の先輩たちを講師とすることで、既存社員のスキルアップにも役立つ。

(2)全社(本社と4つの営業所)で講師を分担すれば、講師の負荷も軽減できる。また、訓練生は、他の営業所の先輩や上司の特化したスキルを習得する機会ができる。

(3)詳細な評価項目を設定することで、訓練内容がより具体化される。

 制度の活用に当たっては、訓練コーディネーターの方から、申請書類やカリキュラム、評価項目の作成、OJTの参考資料まで、行き届いたサポートをしてもらいましたので、ガイドラインを見ながら悩むような困難さを感じることはありませんでした。このため、大変感謝しています。

2.具体的な取組内容

東光石油株式会社
レンタカーの点検指導の風景

 当社では、これまでに2回の有期実習型訓練を終了しましたが、訓練を行うに当たっては、まず全社員が趣旨を理解し、全社で訓練を支援する意識づけが重要です。
 もともと人手が不足気味の状態ですから、訓練中は現場に少なからず支障が生じます。そうしたときに、営業所間で相互にヘルプ要員を派遣するなど、社内での交流が深まったことも訓練の賜物でした。
 また、負荷を分散する方針のもとで講師を10人選定したところ、訓練生からは、「全ての営業所でOJTを実践でき、各営業所の特性を肌で感じたうえ、それぞれの講師の特化したスキルを習得する機会を得られました」との感想が寄せられています。
 訓練の開始時は、「けじめが肝心」との訓練コーディネーターの方のアドバイスに基づき、社長をはじめ講師と訓練生が一同に集まって開講式を行いました。社長からは、経営方針と人材育成方針を示してもらい、訓練生には訓練に対する抱負を発表してもらいました。
 訓練内容は、本業の知識や技術の習得とともに、社会人として、また、サービス業に携わる者としての基本要素の習得に重点を置いたカリキュラムとしました。
 一般講習では、敬語の使い方や名刺の渡し方などの基本マナーを取り入れ、その成果を営業講習の同行営業で実践するなどしました。また、受注応対やトラブル対応では、ロールプレイング形式で繰り返し訓練を行いました。
 職業能力の評価については、中間評価で洗車や受注応対、トラブル対応などのスキルを審査し、今後の課題を3点ほど洗い出しました。その後のカリキュラムでは、この課題に特化した訓練を行い、最終評価で再度、上達度を審査する形式をとりました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 既存社員を講師としたために、一番の課題は、現場に支障を来たさないようにすることでした。
 当初は、トレーナーとして1人の講師が新人1人を指導することが理想ではないかと考えました。しかし、それでは講師1人と講師が所属する営業所に負荷が集中しますので、業務が滞る恐れがありました。そこで、社長を含め、講師の資格のある社員全員で講師を務め、負荷を分散することにしました。これによって、講師は個々の特化したスキルを担当することができ、訓練生にとっては各分野の社内のスペシャリストに指導してもらえるために、1対1の指導では得られないメリットがあったと考えています。

4.制度の活用による具体的な効果

 これまでの新入社員教育でも、教育項目や担当者、期間を定めたカリキュラムに基づいて実施してきましたが、この制度の活用によって、より具体的な訓練内容になりました。
 それは、訓練内容を確定するうえで、評価シートのモデルが大変参考になり、独自の評価項目の設定が容易になったためです。評価基準を明確にしたことによって、具体的な訓練の指針とすることができました。また、訓練時間数やOff-JTとOJTの比率が定められていることも、カリキュラム作成の助けになりました。
 日頃は携わることのない業務も訓練に取り入れたことによって、訓練生は、包括的に営業所の業務を理解してくれたようです。また、全ての営業所で訓練を行ったことで、他の営業所との交流が深まり、業務でもスムーズな営業所間の連携を図れるようになりました。
 当初より、訓練のもうひとつのねらいとして期待していた講師(既存社員)のスキルアップについても、教えるために自己の業務内容を改めて見つめ直す良い機会となりました。今後も社内訓練の機会を設け、講師、訓練生の双方の効果的なスキルアップの手段として、ジョブ・カード制度を活用したいと考えています。

(平成24年8月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要