企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社白王

会社概要

所在地: 広島県呉市
業種: 生活関連サービス・娯楽業
資本金: 1,000万円
従業員数: 320人
URL: https://hakuoh-recruit.jp/production/static/company_overview.html

訓練概要

訓練コース: 総務コース、営業コース
職種: 一般事務員
訓練生数: 5人(終了後に2人を正社員採用)
期間: 平成24年1月~4月(総務コース)
平成24年1月~7月(営業コース)
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社白王
総務コースのOff -JT(現金業務)

 当社は、昭和45年9月に設立したクリーニング業およびコンサルタント業、不動産賃貸業、たばこ販売を事業内容とする会社です。
 店舗数は、直営店が34店舗、フランチャイズ店が11店舗、外商部1となっています。
 従業員数は320人で、このうち、9割近くはパート社員で占められています。特に、当社のみならず、クリーニング業では、女性の方の果たす役割が大きいので、貴重な戦力として欠かせません。
 こうした状況のもと、広島商工会議所の広島県地域ジョブ・カードセンターの訓練コーディネーターの方から、「ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用して人材を育成してはどうか」との提案がありました。検討した結果、パート社員として勤務している方のうち、子育て終了者の正社員化を図り、今後の業務改革を推進することにしました。
 そこで、1.専任化した業務を誰もが担えるピンチヒッターを育成する、2.日常業務の徹底した改革と教育を行う、3.お客様のお一人に対する重みを理解させる、4.各人に将来像を描かせる、5.教育の難しさを理解させる--ことを目的として、有期実習型訓練のキャリア・アップ型を実施することにしました。

2.具体的な取組内容

株式会社白王
営業コースの工場見学・実技

 訓練を開始するに当たっては、訓練コーディネーターの方に個別指導を受け、訓練実施計画の作成に取り組みました。総務と営業の2つのコースに分け、訓練生をどのような仕上がり像にするかを描くとともに、学科と実習のメニューをつくりあげました。
 その結果、3人の訓練生(子育て終了者)を対象とした3カ月超の「総務コース」と2人の訓練生(子育て終了者)を対象とした6カ月間の「営業コース」を設定し、いずれも本年1月に開講式を行ってスタートしました。
(1)総務コース(訓練期間:3カ月超)
 訓練の到達目標は、総務事務に必要な基礎知識や技能を習得し、併せてパソコンを活用した業務を遂行できることにしました。
 Off-JTは50時間、OJTは200時間とし、全体で250時間としました。
 主な訓練内容は、以下のとおりです。

1)Off-JTの教材は、当社での総務に関わる管理資料などをプリントした。

2)Off-JTでは、オリエンテーションをはじめ、ビジネスの基礎である挨拶や顧客対応、電話受付を中心に、現金業務や専用ソフトを用いた経理事務、給与関連業務、社会保険の基礎を学習させた。

3)OJTでは、指導者による実質的な作業を実施し、よりハイレベルなことを実習させた。

4)毎日、訓練日誌を提出させ、実習した内容に基づいて評価責任者が検認し、弱い部分を指摘するとともに、小さな行動ひとつでも良いところは徹底的に褒めた。

5)訓練計画表に毎日の計画時間と実施時間を記録した。

(2)営業コース(訓練期間:6カ月間)
 訓練の到達目標は、クリーニング店の店舗管理や運営、企画などに関する知識、技能を習得し、顧客ニーズの把握に努め、顧客満足度 の向上を目指すことに設定しました。
Off-JTは100時間、OJTは360時間とし、全体で460時間に設定しました。主な訓練内容は、以下のとおりです。

1)Off-JTは、ビジネスや商品知識、クリーニング知識、クレーム対応、ポスシステム、レジ知識で構成した。

2)OJTでは、指導者による実践的な実習(店舗管理・運営、顧客管理、商品企 画、受付業務など)を行った。

3)毎日、訓練日誌を提出させ、実習した内容に基づいて評価責任者が検認し、弱い部分を指摘するとともに、小さな行動ひとつでも良いところは徹底的に褒めた。

4)訓練計画表に毎日の計画時間と実施時間を記録した。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 5人の訓練生は、これまでパート社員として勤務していますが、その業務内容と習得状況が人によって違うことに加え、当社で有期実習型訓練を実施するのは初めてでしたので、到達目標を設定するに当たっては、ベースとなる訓練カリキュラムのOff-JTの科目や時間数の編成などに大変苦労しました。また、どのような評価シートにするかについても苦労しましたが、いずれについても、訓練コーディネーターの方の的確なアドバイスを受けましたので、計画どおりに作成することができました。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回の有期実習型訓練を活用した経営者サイドとしての感想は、以下のとおりです。

(1)具体的な訓練実施計画を作成したことにより、今後の人材育成のために継続して活用できる。

(2)評価シートや訓練日誌により、訓練生の育成結果を確実に把握できた。

(3)徹底した社員教育の必要性を再確認できた。

(4)教育に当たる正社員や他の部署の正社員の刺激になり、事務所全体の雰囲気の変化に繋がった。

(5)訓練生のためのOff-JTを実施することにより、挨拶や電話応対などの効果が明らかに出た。

(6)教育内容や手順の見直し、人事考課の仕方など、不足していた点を補うことができ、実行できる内容が満載なジョブ・カード制度は、非常にためになる制度である。

(7)できる人材の育成という観点のみで活用するのでは、非常にもったいない。訓練生自らが前向きに考えて取り組む、いわゆる「人財」の育成というものも加味していけば、より価値が上がる制度である。

 また、短期間で教育を受けるという内容が濃いものとなったため、訓練生は、少々ハードルが高く感じたと思われますが、訓練終了後のキャリア・コンサルティングにおいては、「この研修で学んだことを土台にしてさらなる発展を図りたい」「分からないことが学べ、会社の現状や今後の方針を知っただけでなく、自分の役割が認識できた」「仕事の流れを理解し、身に付けることができて本当にうれしい」などと、この訓練を受講しての感想がキャリアシートに記述されています。
 従来は、3カ月間の研修を経て正社員に登用していましたが、この訓練を活用したことによって、これまでと同等以上の訓練を実施できたと思います。
 訓練の終了後、受講状況や評価シートの内容などを判断し、5人の訓練終了者に対しては、全員を正社員に登用することで個別に打診しましたが、3人の方は、諸事情により断念されました。この3人には、引き続きパート社員として継続してもらっています。
 さらに、訓練に対する国からの助成金もあるジョブ・カード制度は、今後も取り入れていくとともに、この訓練カリキュラムや評価シートを当社の人材育成の貴重な財産として、いつでも実行できる企業に創りあげていきたいと考えています。

[事務局後記]
 この取り組みについては、平成24年7月19日開催の「ジョブ・カード制度 企業説明会」(参加者100人)において、企業導入事例として同社本部長の佐々木宏氏より発表していただきました。
 参加者からは、「業務が専門化する中で、ピンチヒッターの重要性を感じられ、ジョブ・カード制度を活用して社員教育に取り組むことで、多岐にわたる効果が得られたことが大変よく分かった」「女性社員の教育方法が参考になった」「女性や非正規労働者の労働力の向上を目指す貴重な事例であった」など、他社の経営者や人事担当者からは、大いに参考になったとの感想、意見が寄せられました。

(平成24年9月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要

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