企業から寄せられた声(文字情報)

山陽空調工業株式会社

会社概要

所在地: 広島県広島市
業種: 専門・技術サービス業
資本金: 4,000万円
従業員数: 99人
URL: http://www.skkh.com/

訓練概要

訓練コース: 「冷凍・空調設備施工・修理コース」
職種: 電気工事作業員
訓練生数: 4人(訓練中)
期間: 平成22年4月~10月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

山陽空調工業株式会社
先輩技術者によるOff-JT(管工事の基礎)

 当社は、空気調和設備工事や電気設備工事、給排水衛生設備工事、上下水道設備工事、防災設備工事、冷凍冷蔵設備工事、プラント工事、建設工事を行っている会社です。
 設立は昭和39年3月で、今年で48年になります。広島市に本社を置き、2カ所の支店(大田市、山口市)、5カ所の営業所(呉市、東広島市、岩国市、福津市、東京都渋谷区)、4カ所の連絡所(松江市、周南市、防府市、福岡市)があります。
 社員数は99人(パート社員を含む)であり、その7割強が技術系、2割弱が総務系の業務に従事しています。高品質の製品を提供するため、「三歩先を考え、二歩先を観て、一歩先を歩く」ということが、当社のモットーです。
 ジョブ・カード制度のことを知ったのは、本年2月のことです。広島商工会議所の広島県地域ジョブ・カードセンターの訓練コーディネーターの方が来社され、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用を勧められました。
 制度の内容や仕組みなどについての説明を聞くと、その内容が当社の人材育成の方針とマッチしていることが分かりました。このため、1.新人育成には、多くの費用と時間が必要だが、この制度を活用することで、費用と時間の削減が図れる、2.この制度は、人材育成に不可欠な専門知識を習得する座学と現場同行によるOJTの組み合わせの自由度と費用負担の軽減が図れる、3.入社時から研修制度に親しむことにより、継続的な資格取得のきっかけづくりになる、4.新人研修の実施と社内告知により、社員全員に対し、知識習得や資格取得に対する動機づけとなるよう、社員による技術指導も訓練カリキュラムに盛り込めることから、キャリア形成支援の第一歩として、この制度の有期実習型訓練を新人教育に導入することにしました。

2.具体的な取組内容

山陽空調工業株式会社
研修カリキュラム

 現在、4人の大学新卒者を訓練生として実施しています。訓練生の内訳は、電気システムと機械システムがそれぞれ1人ずつ、建築工学が2人です。訓練期間は、本年4月から10月までの6カ月間を予定しています。
 OJTは537時間、Off-JTは135時間の合計672時間としました。現場の状況を最優先し、現場実習は、原則として月曜日から金曜日に実施し、社員による技術実習は出勤日の土曜日に実施しています。現在、OJTは約20%、Off-JTは80%程度を消化しており、ほぼ計画どおりに進んでいます。
 冷凍・空調設備業務における基礎的な知識や技能を習得し、各種の施工作業や修理ができることを訓練の到達目標とし、Off-JTでは「知る」「わかる」、OJTでは「出来る」ことを目指しています。(下図「研修カリキュラム」を参照)
 訓練カリキュラムは、訓練コーディネーターの方のアドバイスを得ながら、以下のような考え方を反映させて作成しました。

(1)OJTとOff-JTは、技術知識と実践、安全管理に関する項目も設定した。

(2)実技のOff-JTは、先輩社員が講師を担当し、より実践的な基礎技術の訓練を行った。

(3)OJTでは、経過時での適性を見計らい、配置する現場の選定や本社内での作業など、現場との連携を重視した。

(4)現場に送り出すために必要な書類の作成やチェック方法の実習指導の内容も取り入れた。

(5)日々の研修内容の再確認と訓練日誌への記入、担当者や上司のコメントを記入すること義務化した。

 なお、このたびの「新大卒者の教育訓練」を機に、当社の人材育成の組織風土づくりの重要性を再認識し、以下のように取り組みました。

(1)メンターの配置による「中長期的キャリア支援」(朝の挨拶、朝の体操、朝の講話、朝の声出し)とOJTの「送り出し教育」を取り入れ、自己啓発の土台を構築した。

(2)社員全体の能力向上を常に考え、“教える”ことを意識するため、管理職を含む多数の現場指導者が訓練コーディネーターによる「訓練指導・評価担当者講習」を受講した。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

山陽空調工業株式会社
ポリテクセンター広島で実施したOff-JT

 当社では、これまで業務に必要な技能である「低温溶接(ろう付)」を学ぶ機会がありませんでした。今回、訓練コーディネーターの方と打ち合わせをする中で、ポリテクセンター広島を紹介してもらったうえ、当社のニーズに合った講習内容をオーダーメイドで作成してもらったことから、Off-JTとして受講できたことは、大変うれしいことでした。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回、広島県地域ジョブ・カードセンターの訓練コーディネーターの方から、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を紹介してもらったことを機に、大学の新卒者の社員教育に導入しました。
 訓練の実施に当たっては、訓練コーディネーターの方の丁寧な指導のもと、柔軟な訓練カリキュラムを設定してもらったことから、当社の理想に近い大学の新卒者教育の形ができあがったと思います。特に、OJTとOff-JTを業務内容に合わせて現場の状況を踏まえたことは、技術の習得や社員間での承継など、これまでにない大きな効果を生み出したと思っています。
 また、ポリテクセンター広島で実施したOff-JTは、講義の内容はもとより、進行速度や分かりやすい説明と実習が行われ、2日間の講習に同席した社員(メンター)は、「さすがプロの指導者」と驚いていました。
 さらに、訓練生の訓練日誌をみると、「安全面や専門知識、課題の作成と検査手法の解説、問題点の把握、解決方法の提示など、とても勉強になった」との感想が寄せられています。
 このような取り組みは、来期以降も継続して実施し、社員全員のモチベーションの向上と会社とともに成長する社員の自己実現のための仕組みづくりの貴重な財産として取り組んでいくことにしています。

【事務局後記】
 この取り組みについては、平成24年7月19日開催の「ジョブ・カード制度 企業説明会」(参加者100人)において、企業導入事例として同社社長の淺田博昭氏より発表していただきました。
 参加者からは、「会社全体の雰囲気が良くなり、社員全員が教師という意識で取り組んだというのが素晴らしい」「新卒の多くは研修のある企業を求めているため、制度の活用企業には応募も増え、良い人材の確保ができると思いました」「ものづくり工程による新入社員教育プログラムを開発された効果は大きい」など、他社の経営者や人事担当者からは、大いに参考になったとの感想、意見が寄せられました。
 また、打ち合わせを進める中で、前掲のような新大卒者の「研修カリキュラム」(見える化)として構築することができ、「当社にとっての財産」と喜んでいただきました。

(平成24年9月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要