企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社グローバル・クリーン

会社概要

所在地: 宮崎県日向市
業種: 生活関連サービス・娯楽業
資本金: 900万円
従業員数: 42人
URL: http://www.g-clean.net/

訓練概要

訓練コース: ビルメンテナンス業務管理育成訓練コース
職種: 管理職
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成24年3月~7月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社グローバル・クリーン
OJTでの清掃現場実習

 当社は、平成20年7月に法人企業として設立したビルメンテナンス業およびハウスクリーニング業、建物・構築物の掃除業、不動産管理業を事業内容とする会社です。
 事業は労働集約型であり、受注から引き渡しまで、全ての工程においては、「人」が中心となって作業にあたっています。提供サービスの中心は「人」であり、5年後、10年後を見据えた経営という観点から、人材の育成が必修であると思います。
 今後、より高度化する顧客のニーズに即応できる人材の確保が必要となり、さらに高まる顧客からの品質や技術力の向上への期待を踏まえ、より一層の従業員教育、人材の育成に力を注いでいく必要があります。
一方、従業員の就業実態は、顧客の要望に応えるため、突発的に勤務時間帯が変更になり、非常に不規則な勤務状況にあります。また、業務内容としては、3K、単純労働としてのイメージが強く、若年層の従業員は、採用しても数カ月で退職してしまい、折角育てても、定着しないのが現状です。だからこそ、競合する業界の中で生き残るためには、人材の育成が不可欠であると考えています。
今回、宮崎商工会議所の宮崎県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方の勧めもあり、事業の拡大に伴う人材を確保するために、人材の育成・確保に効果があるジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

株式会社グローバル・クリーン
事業外研修として実施したOff-JT

 ビルメンテナンス業は、勤務時間帯が非常に不規則で、直前になって変更せざるを得ない状況になることが多いことから、その対策も盛り込んだ有期実習型訓練に取り組むことにしました。
(1)訓練の指導体制の確立

1)訓練生の勤務体制をシフト制とし、顧客に対応できるようにした。

2)訓練の指導体制を5人とした(社長と常務を含む)。

(2)訓練実施計画(訓練カリキュラム)の充実
営業職を含めた訓練カリキュラムを作成するため、通常設定している訓練期間やOJT科目、Off-JT科目などの内容を充実させた。

1)訓練期間
平成24年3月1日~7月31日の5カ月間とした。

2)OJTの清掃現場実習は、営業実習の時間(230時間)より約1.7倍の時間(402時間)を設定し、現場作業を熟知できる内容とした。

3)Off-JTの事業外訓練の時間(65時間)は、Off-JTの総訓練時間数(180時間)の約4割とし、座学にも力点を置いた。

(3)OJT関係

1)5人の訓練指導者が日々の訓練科目の指導内容を明確に把握できるように、「OJT訓練指示書」を作成し、申し送り簿として活用することにした。

2)営業実習は、県外出張を考慮し、実践的な訓練を実施することにした。

(4)Off-JT関係

1)訓練日程は、勤務シフトから2人の訓練生が必ず出席できる体制とし、同一の訓練科目を受講できるように配慮した。

2)キャリア形成促進助成金支給申請に係る提出書類ではないが、講義記録を記載できる様式を作成し、訓練生に提出を求めて講義内容の理解度を確認した。

3)訓練科目は、地方では経験できない「ウルトラフロアケアインストラクターセミナー」研修を追加し、フロアメンテナンスのスペシャリストを育成した。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 今後、営業職が重要視されますので、当社の社運をかけるウルトラフロアケアシステムの事業外研修を訓練科目に追加し、訓練生に受講させました。訓練途中の計画変更でしたが、宮崎県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方の支援を受けて、有期実習型訓練実施計画(変更用)を宮崎労働局に提出し、変更手続きをしました。
 研修会の最終日には、ウルトラフロアケアシステムインストラクターの試験がありましたので、認定インストラクターの資格を取得させることにしました。
 今回の訓練は、社長不在時に「社長代理」として顧客の対応にあたれる社員の育成を目指していましたので、必然的にハードルはとても高く、幅広い知識を必要としました。
 このため、何百時間にもわたり、社長同行を繰り返しながら、スキルアップを図りました。「ウルトラフロアケアインストラクターセミナー」は、通常、現場であれば入社3年を経過した従業員に受講させるものです。今回は、有期実習型訓練の訓練生でしたが、とても高い点数での資格取得に結びつきました。
 研修後の訓練生は、充実した研修となったことから、今後、自分自身の強みとなって、 営業活動に寄与してくれることを期待しています。
 今回、訓練実施計画(訓練カリキュラム)を作成するに当たっては、企業が求める職業能力のレベルを明確にし、訓練生の職業能力のレベルを把握しながら、オリエンテーションでは、そのギャップを埋めるのが今回の訓練の趣旨であると訓練生に理解させました。また、訓練の目標や訓練生の仕上がり像を明確にし、目標を見失うことなく、訓練を完遂したことに喜びを感じています。

4.制度の活用による具体的な効果

 訓練指導を担当した従業員にとっても、訓練生に仕事を教えることで、自分の仕事について復習し、仕事や企業の理念も再認識できました。また、通常では得られない気づきや自己の成長について実感できたとも聞いています。
 訓練生は、訓練終了時に評価シートによる職業能力を評価し、さらに1カ月間の営業研修を行い、その後、正社員として正式採用しました。訓練終了後は、目に見えるような成長をみせてくれました。清掃業務の品質の向上にも努力し、オフィスオーナーからの信頼も勝ち得ているようです。
 現在、訓練で使用した評価シートを活用し、職種別(7職種)の人事評価を行っています。これは、客観性や公平性、透明性がありますので、従業員からのクレームは皆無です。
 以上のようなことから、企業の収益に寄与しており、事業の拡大の目途がつきました。
今回の有期実習型訓練を終了しての感想をまとめると、以下の3つになります。

(1)訓練の成果の裏には、最大の訓練効果の発現を導くために2倍の企業努力が必要でした。
訓練カリキュラムに沿って、どれだけしっかりとした内容の訓練を実施していくかは、企業に委ねられています。このため、力を注いだかどうかで訓練の結果がいかようにも変わりますので、短期間で集中して人材を育てることに全力を注がなければ、良い結果には結び付かないと思います。数カ月間にわたり、しっかり訓練を実施したことで、正社員として採用後、より戦力となり得るのではないかと思います。
総合的に判断すると、人材育成は、企業の責任であるといっても過言ではないと考えています。

(2)今後、新入社員の離職対策としてジョブ・カード制度を活用し、リアリティー・ギャップの解消を図りたいと考えています。

(3)事業の拡大によって、さらに人材の確保が必要となっていますので、今後も訓練職種を考慮しながら、ジョブ・カード制度を活用し、人材の育成を図り、企業経営を強化したいと思います。

 【事務局後記】
 この原稿は、平成24年9月12日に開催した宮崎商工会議所の宮崎県地域ジョブ・カードセンターの主催による「ジョブ・カード制度説明会」で、制度の活用事例を発表していただいた同社の常務取締役・税田倫子氏の発表内容を抜粋したものです。

(平成24年10月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要