企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社倉橋商事

会社概要

所在地: 山口県岩国市
業種: 製造業
資本金: 1,000万円
従業員数: 25人

訓練概要

訓練コース: 砕石、アスファルトプラントオペレーター養成コース
職種: 建設機械オペレータ
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 1回目 平成22年11月~23年2月
2回目 平成24年2月~5月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

 当社では、昭和59年の創業以来、約28年間にわたって道路舗装材料製造業および運送業等の業務を行っています。
 当社での人材確保の手段としては、ハローワークで求人を募集してきましたが、「募集年齢の指定不可によって希望する年齢層の人材確保が難しい」「資格の取得者でも、面接時に初めて実務経験が全くないことが分かる」などのミスマッチが発生して困っていました。
 このようなとき、岩国商工会議所の山口県ジョブ・カードサポートセンター岩国の担当者が当社を訪問し、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練についての説明をしてもらい、ジョブ・カードや評価シートなど、人材の育成・確保のための斬新なアイデア(省令3号のニで募集年齢を指定可能等)についてお聴きました。当社では、丁度、求人募集中でしたので、即座に有期実習型訓練の実施への支援を依頼しました。

2.具体的な取組内容

株式会社倉橋商事
アスファルトプラント

 1回目の訓練カリキュラムは、有期実習型訓練の効果を確認、検証する意味から、訓練生の適応能力をみるために、最低限必要な科目に限定して作成しました。
 また、Off-JTは、会社の仕事に必要となる資格などを外部の教育訓練機関で取得させるように計画しました。
 2回目の訓練では、大型トラックの免許の取得者を対象として求人を募集するために、新設された「有期実習型訓練+中高年トライアル雇用」の併用訓練の活用に挑戦しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

株式会社倉橋商事
ボード操作中の1回目訓練生

 1回目の訓練では、外部のOff-JTで計画していた資格は、訓練生が既に取得していることが分かりましたので、訓練科目の大幅な変更が必要となりました。
 2回目の訓練は、ハローワークから、「応募者が中高年トライアル雇用の要件(1年のうち、6カ月以上働いていること)を満たしていないので不可。有期実習型訓練の単独での実施なら可能」と言われました。
 このように、2回の訓練ともに、ハローワークでの求人募集の段階で問題が発生しています。このため、訓練開始日が迫る中での再申請は大変でしたが、山口県ジョブ・カードサポートセンター岩国の担当者の迅速な対処・支援によって、2件とも無事に訓練を開始することができました。
 有期実習型訓練の基本型の場合は、応募者の取得資格の有無によって大幅な変更が必須となります。このため、変更届は、訓練開始後でも提出できるように改善すべきだと思います。

4.制度の活用による具体的な効果

(1)有期実習型訓練の効果について

1)2人の訓練生の活躍振りが、この訓練の素晴らしさを実証しています。

2)全く異なる業界に勤める娘を後継者となるように口説いてきましたが、育てる手段がなかったために、山口県ジョブ・カードサポートセンター岩国の担当の方に相談したところ、他県の地域ジョブ・カードセンターに働きかけてもらい、同業の会社で娘を訓練生とした有期実習型訓練を実施してもらいました。
1年半後の現在は岩国市に帰り、経営者の卵としての自覚を持って毎日頑張っています。本当にありがとうございました。後継者の育成にお悩みの経営者には、この有期実習型訓練の活用をお勧めします。

(2)ジョブ・カードについて

1)会社がほしい情報が事細かく記載されていますので、面接時の際に非常に参考になりました。

2)会社は、資格取得の年月日や資格を活用した実務経験年数をみて、「わが社で活用できる人材か否か」を知りたいと思っていますので、ジョブ・カードを採用面接のツールとして活用するとその人がどういう人か大変良く分かります。

3)履歴書よりも作成に手間がかかりますが、本当に就職する気があれば、ジョブ・カードを活用して面接を受けた方が、正社員として採用される確率も高いと思います。

(3)評価シートについて

1)教わっていないことや教えてもらったけれどもできていないことを言葉ではなく、文章で残せますので、とてもよいツールだと思います。

2)訓練開始日のオリエンテーション時に事前自己評価を行い、A評価は5点、B評価は3点、C評価は1点とし、訓練前の自己総合点の把握と3カ月後の目標数値を設定しました。

3)中間評価では、検証・反省・改善のポイントを把握し、最終評価で達成度を確認したうえ、企業側の評価と合わせた客観的な数値で正社員としての採用の可否を決定しました。

4)何度も同じ失敗をする訓練生に対しては、きちんとした資料を基にマンツーマンで教える必要があります。「最低限、これだけはやってくださいよ」という「スキルマトリックス」を作って仕事の体系化を図り、社内でも大なり小なり浸透させていこうと思います。

5)ボーナスの査定や昇給の査定にも、評価シートを応用したいと思います。

 (4)訓練期間について

1)訓練生側の立場だと、3カ月くらいの訓練期間のうち、資格取得のために時間を費やしますので、より実践的な力を身に付けるためには、もう少し訓練期間が長い方が良いかもしれません。

2)他方、企業側の立場では、1、2カ月くらいあれば、訓練生の適性や性格などが分かりますので、訓練期間は今回実施した3カ月くらいが妥当だと思います。

(5)その他

1)これまでの助成金の申請書の作成は、ハローワークと当社との往復で大変でしたが、今回の有期実習型訓練では、山口県ジョブ・カードサポートセンター岩国の担当者の支援がありましたので、スムーズに手続きが進みました。

2)助成金の支給は、他の助成金に比べると、少し遅いように感じました。

3)商工会議所が雇用に関する助成金を取り扱っているということは、ハローワークの仕事を手伝っているのかと、他の企業の方もピンとこないので、躊躇されていると思います。このため、もっとPRして多くの中小企業が活用できるようにしてほしいと思います。

4)今後は、社員の自発的な職業能力の開発のために、助成金を活用したいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。

 <訓練生への質問に対する回答>
(1)有期実習型訓練について知っていましたか?

1)知りませんでした。ハローワークの掲示版で知りました。(1回目の訓練生)

2)52歳でしたので、正社員としての雇用は諦めていましたが、中高年トライアル雇用と有期実習型訓練の併用訓練の求人だということを知りましたので、思い切って応募しました。介護施設で働いていた期間が3カ月間でしたので、残念ながら受講資格を満たしませんでした。しかし、会社から山口県ジョブ・カードサポートセンター岩国の担当者に「有期実習型訓練で単独で再申請して求人募集してもらうので、待つように」と言われました。「やはりダメか」と思っていましたので、たった5日間で訓練を受けられるようになるとは信じられませんでした。(2回目の訓練生)

(2)有期実習型訓練を修了しての感想は?

1)たくさんの資格を会社の全額負担で取得させてもらいましたので、感謝しています。とにかく早く仕事を覚えようという気持ちで訓練に取り組みました。正社員として雇用された現在も、毎日覚えることがたくさんあって大変ですが、やる気満々です。有期実習型訓練を受けられなかったら、違う仕事に就いていたでしょうね。(1回目の訓練生)

2)訓練中は本当に正社員として採用してもらえるのか半信半疑でしたが、正社員として採用してもらい、ありがとうございました。必ず会社のお役に立てる人材になります。(2回目の訓練生)

(3)キャリア・コンサルティングについての感想は?

1)ジョブ・カードに記載する前に履歴書と職務経歴書を作成していましたので、自分なりにこれまでの経験について整理していました。「キャリア・コンサルティングを受けてどうだったか」という感想を言い表わすのは難しいですが、キャリア形成について深く考えることができました。(1回目の訓練生)

2)トンネルの掘削や道路舗装などに従事した経験がありましたので、施工管理や機材の取り扱い、安全管理に関する知識や技能を有していることをアピールするようにとの指導を受けました。このため、この会社で頑張っていきたいという前向きな気持ちになりましたので、面接に臨むことができました。(2回目の訓練生)

(4)訓練日誌についての感想は?

1)正直なところ、毎日記載するのは面倒で大変でしたが、同じことをする際には、前回よりはできるようになっているのではないかというのが分かりました。(1回目の訓練生)

2)正社員として採用してもらうために、何が分かり、何が分からないかについて指導者に明確に伝えるツールとして記載しました。(2回目の訓練生)

(5)評価シートについての感想は?

1)これまでは、他人から評価されたり、自分で評価するという経験はありませんでした。自分ではできていないと思っていたことが、できているという評価だったりしましたので、第三者の評価と自分の評価とは違うことを改めて実感しました。(1回目の訓練生)

2)これまでの職歴では目で見る評価の経験はありませんでした。自分の価値が分かったので、今後は付加価値のアップを図りたいと思います。(2回目の訓練生)

(平成24年11月現在)

有期実習型訓練の概要

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