企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社沖縄バヤリース

会社概要

所在地: 沖縄県南城市
業種: 製造業
資本金: 9,973.5万円
従業員数: 38人
URL: http://www.okinawa-bireleys.co.jp/company

訓練概要

訓練コース: 食品および清涼飲料水の製造・管理コース
職種: 一般機械器具組立工
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成24年2月~7月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社沖縄バヤリース
Off-JTとして実施た学科

 当社の前身である「バヤリース・カリフォルニア・オレンジ・オキナワ」は、昭和25年に米国と香港資本による外資会社として設立しました。
 昭和47年、沖縄の日本復帰までの22年間は、浦添市で操業し、発展してきました。その時、沖縄の本土復帰後の情勢が不透明でしたので、当時の経営陣が会社の解散を決定しました。しかし、「バヤリース」が既に優れたブランドに育っていたことや多数の取引先に恵まれていたことから、当時の社員が中心となって営業権を買い取り、現在の会社(㈱沖縄バヤリース)を設立し、翌年には現在の所在地に移転しました。
 以来、「品質を守ること」を第一に、消費者ニーズに合った商品づくりを心がけてきており、今年で設立から40周年を迎えました。
 現在は、沖縄県の飲料メーカーとして、南国イメージのトロピカルドリンク(シークワーサー、マンゴー、アセロラ、グアバ、ドラゴンフルーツなど)や沖縄県産農産物を活用した商品開発に努めています。
 こうした中で、那覇商工会議所の担当者からジョブ・カード制度の概要についての説明を聞いた当社社長から、「ジョブ・カード制度は、求職者(非正規労働者)と雇用契約を結び、職業訓練を実施しながら職業能力の形成を図るとともに、非正規労働者の正規雇用に結び付ける有意義なシステムであり、当社にとってもメリットがある」と情報提供されました。
 当社には、製造部と総務部、営業部の3つの部署がありますが、丁度、製造部では、人件費の抑制で計画どおりの人材確保ができていなかったことから、人材の育成・確保策を検討していたところでした。
 早速、那覇商工会議所に設置されている沖縄県地域ジョブ・カードセンターを訪問しました。そのときは、同センターの総括担当の方からジョブ・カード制度の概要や有期実習型訓練の仕組み、企業での活用事例などについて説明を受けたところ、当社の考えと合致したものであることが分かりましたので、製造部(工場)での商品管理や商品開発に向けての幹部候補生を育成するため、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

株式会社沖縄バヤリース
Off-JTとして実施た調合の実技

 有期実習型訓練を実施するためには、訓練実施計画や訓練カリキュラムを作成する必要があります。しかし、当社では、これまで体系的な職業訓練を実施した経験がありませんでしたので、沖縄県地域ジョブ・カードセンターの総括担当の方のアドバイスなどを受けながら、これらの申請書類を作成し、沖縄労働局に提出しました。
 沖縄労働局で申請書類が受理された後は、ハローワークで求人申し込みの手続きを行い、2人の訓練生を募集しました。
 幸いにも、間もなくハローワークから求人紹介を受けましたので、社長と製造部次長と担当者の3人で書類選考や面接を行ったうえ、製造部要員の訓練生として2人を採用することを決定しました。この2人は、大学や専修学校を卒業し、沖縄県内の研究機関での臨時職員としての職歴がありましたので、製品開発や品質管理、生産管理などを習得させ、将来の幹部候補となる社員と位置付けて育成することにしました。
 OJTは680時間、Off-JTは318時間の合計998時間と設定し、6カ月間の有期実習型訓練としました。

(1)OJTについて
 清涼飲料水製造の実習(製造ラインに入っての実習)と製品研究開発の実習としました。
 このうち、製造ラインに入っての実習では、1.水処理の立ち上げから清涼飲料水の調合、2.充填や巻締、殺菌、冷却、包装の実習、3.品質管理の実習、4.製品開発の実習を行いました。特に品質管理の実習では、お客様から問い合わせがあった商品への対応として、「いつもと味が違う」という時は、試飲して製造日報をチェックするとともに、理化学試験や細菌検査を実施し、その結果を文書にまとめるように指導しました。

(2)Off-JTについて
学科(122時間)として、1.調合における座学、2.充填や巻締の座学、3.食品衛生の座学を実施しました。実技(196時間)としては、1.調合における実技、2.充填や巻締の実技、3.品質管理の実技を行いました。詳細は、別添の「有期実習型訓練の概要」をご参照ください。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 これまでの当社での人材育成策は、社員に対し、プラント会社での現場研修や検査機関などでの微生物検査などを受講させてきたことです。採用に当たっては、社員の紹介による縁故採用が中心でしたが、定着率がよいことから、最近10年間は、新規採用も、中途採用も行っていませんでした。
 有期実習型訓練の講師は、4人の管理職が務め、基本的な衛生管理や品質管理を中心に指導しましたが、一部の管理職は社員を訓練した経験がありませんでした。
 このため、講師となった管理職同士の情報の共有化を図るとともに、講師となった管理職のスケジュールを調整して対応しました。こうしたことによって、訓練カリキュラムどおりに進行できました。
 特に申請書類の多さには驚きましたが、沖縄県地域ジョブ・カードセンターの総括担当の方の指導などがありましたので、非常に助かりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 現在、上記の2人とは別の訓練生(1人)を対象とした2回目の有期実習型訓練(キャリア・アップ型)に取り組んでいます。これは、期間が4カ月間で、営業事務の社員を育成するものです。
 1回目の訓練を終了しての感想は、以下のとおりです。

(1)訓練生が幹部候補生としての意識を持ちながら、現場での実践に取り組むことができました。

(2)初めての有期実習型訓練の活用でしたが、社員がサポートして訓練に取り組むことができました。

 正社員となった元訓練生は、現在、製造部で食品衛生法をはじめとする法律や製造作業、仕様書の作成などの業務を行っています。この2人からは、以下のようなコメントが寄せられています。

(1)訓練の終了後に正社員として採用されるということでしたので、本採用を勝ち取るという気持ちになり、ヤル気などが出ました。

(2)職場内の雰囲気などが事前に把握できましたので、雇用のミスマッチなどを防ぐことができました。

(3)実践での職場を体験しましたので、今後は、即戦力としての力になれると思われます。自分としても、会社としても、仕事が円滑に進むと思います。


【事務局後記】
 この原稿は、平成24年7月12日に開催した那覇および沖縄、宮古島の3商工会議所の主催による「ジョブ・カード制度企業説明会」で、制度の活用事例を発表していただいた同社の取締役製造部長・仲里清氏の発表内容に一部加筆したものです。

(平成24年12月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要