企業から寄せられた声(文字情報)

社会福祉法人 恵心会

会社概要

所在地: 岩手県宮古市
業種: 医療・福祉
資本金: なし
従業員数: 96人
URL: http://www.jien.jp/

訓練概要

訓練コース: 介護コース、給食コース
職種: 介護職員
訓練生数: 37人(終了後に36人を正社員採用、1人は訓練終了後に退職)
期間: 平成23年1月~7月
(東日本大震災前の当初の予定では、平成23年1月~3月)
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

社会福祉法人 恵心会
「食」に関する研修

 当会は昭和50年3月に設立し、「優しさ、安心、その人らしさを支援する」ことを介護理念に掲げ、「特別養護老人ホーム 慈苑」を運営しています。この介護理念は、「優しさを持ち、本人の意思を尊重し、その人らしさを受け入れ、安心して過ごしてもらう」ということを意味しています。
 有期実習型訓練を初めて実施した当時、職員は95人いましたが、そのうち47人いる臨時職員の正規職員化とそのレベルアップを図ることが長年の課題となっていました。
 入居されている方は120人いますので、忙しい業務を続けながら、全ての臨時職員を対象として一時期に教育することは、時間と費用の確保が難しいために、全職員の理解と協力が必要でした。
 そのようなときに、宮古商工会議所に設置されている岩手県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方から、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用を勧められました。
 その説明を聞くと、制度普及推進員などの支援があれば、当会でも活用できることが分かりましたので、この制度について全ての職員に理解させたうえ、施設全体で取り組むことにしました。

2.具体的な取組内容

 当会で実施する有期実習型訓練に全ての職員に協力してもらうため、岩手県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方に3回ほど来ていただき、理事長をはじめ、施設長や施設長代理、事務長、担当者などを対象として、約40分間の説明会を3回ほど開催しました。
 そのときは、「施設内でのスキルアップができるのか」「誰が指導するのか」「外部講師はどうするのか」「施設内のOJTは誰が担当するのか」「訓練日誌は、どのように記載するのか」「施設内の勤務はローテーションがあり、夜勤もあるので、どのようにして訓練を実施するのか」「職員のローテーションは、実施の1カ月前に決まっている」「有期実習型訓練の対象となる臨時職員は、何人いるのか」「訓練の実施期間は、いつから、いつまでか」「労働組合があるので、労働組合の理解を得るための説明も必要だ」「助成金は、いくらくらいになるのか」などといった疑問や提案がありました。このため、1つひとつについて、制度普及推進員の方に説明してもらいました。
 また、今回の有期実習型訓練の対象となる臨時職員を選定するため、本人の正社員への移行についての希望を聞きながら、40人以上の臨時職員と面談してもらいました。このときは、岩手県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員1人だけでは対応できませんでしたので、花巻市にある雇用・能力開発機構や盛岡商工会議所に設置されている岩手県地域ジョブ・カードセンター、宮古市の職業訓練センターに所属している登録キャリア・コンサルタントの資格を有する5人の職員の手伝いを得て、キャリア・コンサルティングを実施してもらい、訓練の対象となる37人の臨時職員を決定しました。このほか、この37人の臨時職員に対しても、訓練の開始前にガイダンスを行ってもらいました。

(1)訓練カリキュラムの作成
 これまでの新人研修は、法人としての理念や推進体制、就業規則などの一般的なことだけを採用時に説明するだけでしたので、その後に現場で実践的な教育をしてきました。
 今回の有期実習型訓練(キャリア・アップ型)は、介護職と給食職の2つの職種の訓練でしたので、OJTの推進計画は職種ごとに作成し、Off-JTは専門知識を身に付けさせるために、選択科目を設けました。

(2)訓練計画書の作成
 訓練生は37人と非常に多く、ユニットでは半数以上を占める臨時職員です。日常の業務になるべく影響がないように実施するために、ユニットリーダーのほか、全ての職員の協力を得て進めることが必要でしたので、大変苦慮しました。
 Off-JTの講師は、ほとんど内部の正規職員を起用したため、業務に支障が生じないように計画を吟味して作成しました。
 37人もの訓練生を一堂に訓練することは、日常業務の都合上できませんので、2つのグループに分けました。

(3)Off-JTの外部講師
 2つのグループに分けて実施したために、同じ内容の訓練を2回ずつ実施する必要がありましたので、遠方から招いた外部講師の日程などの調整が大変でした。
 このような苦労がありましたが、訓練生にとっては、初めて受ける本格的な訓練ということで、非常に満足したようです。

(4)Off-JTの内部講師
 訓練生の人数が非常に多いので、施設長をはじめ施設長代理や事務長など14人の正規職員が内部講師を務めました。
 介護施設の基準などについては施設長が務めたほか、防災安全管理については施設長代理、社内規定については事務長、救急・感染対策については看護部長、介護保険制度については業務部長、介護援助技術についてはユニットリーダー、食品衛生管理については給食部長などにそれぞれ務めてもらい、実践訓練や講義を行いました。

(5)OJT訓練の実施
 日々の業務の中で訓練生自身の職務遂行能力を振り返り、十分でない項目や疑問点などがある場合は、訓練生がそれぞれ先輩の正規職員に聞き、それに対して助言をもらいながら、反復学習することによって身に付けたことは多かったと思います。

(6)職業能力の評価の実施
 これまでに実施したことのなかった自己評価や上司からの評価によって、訓練生として反省することや今後の課題を見出せることとなりました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 発生した阻害要因とそれへの対応策は、以下のとおりです。

(1)訓練生(37人)は全体の職員に占める割合が非常に多いことから、勤務表の作成やOff-JTの計画には、大きな困難が伴いました。
 このため、訓練生を2つのグループに分けることによって、業務への影響を減らすことにしました。また、臨時職員が訓練に参加することによって業務に支障が生じないように、その担当業務の穴埋めは、正規の職員が時間外勤務や休日勤務を行って補いましたので、訓練を問題なく進めることができました。

(2)平成23年1月18日にスタートした訓練は、3月11日の東日本大震災の影響によって、一時期(3月11日~5月31日)は訓練を中断せざるを得ませんでした。
 しかし、雇用・能力開発機構に申請し、訓練期間を延長してもらいましたので、6月1日からは、訓練を再開することができました。外部講師についても、当初の予定を変更してもらいましたので、7月15日までの期間内に無事終了できました。

4.制度の活用による具体的な効果

 有期実習型訓練の終了後には、ジョブカード制度のキャリア形成促進助成金が支給されましたので、希望する外部講師を遠方から招くことができました。また、OJTとOff-JTには、十分に時間をかけて取り組むことができましたので、非常に良かったと感じています。
 特に、岩手県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方には、Off-JTの実施のときなどは、必要に応じて出席してもらったり、講師となった正規の職員からの質問などに対応してもらいましたので、非常に助かりました。
 当会と訓練生にとっては、以下のような効果があったと思います。

(1)かねてからの念願であった臨時職員を対象とした十分な研修ができた。

(2)給食職と介護職の訓練生は、専門知識を身に付けたうえ、技能などを向上することができた。

(3)今後、臨時職員から正規職員に任用するための育成方法が確立できた。

 このように、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用したことによって、臨時職員にとっても、施設にとっても、かなりの効果を得ることができました。現在も有期実習型訓練に取り組んでいますが、今後とも、施設を利用される方々へのサービスの質を高めながら、顧客満足度の向上に繋げていきたいと考えています。

(平成24年12月現在)

有期実習型訓練の概要

PDFダウンロード

有期実習型訓練の概要

有期実習型訓練の概要