企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社ガモウ関西

会社概要

所在地: 京都府京都市
業種: 卸売・小売業
資本金: 3,000万円
従業員数: 80人
URL: http://www.gamo-kansai.jp/

訓練概要

訓練コース: 美容コンサルタント養成コース
職種: 営業員
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成24年4月~7月
平成24年3月~6月
(営業実務コース、2人を正社員採用)
平成23年1月~4月
(営業・美容コンサルタント養成コース、1人を正社員採用)
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社ガモウ関西
京都市中区にある本社の母屋

 当社は、近畿圏にある美容室に業務用の美容商品を卸している会社です。昭和30年に創業し、今年で58年目を迎えました。
 本社は京都市に所在しており、大阪市に支社があります。直接のお客様は、約1,000軒の美容室であり、京都府を中心に大阪府や兵庫、滋賀、奈良、和歌山の各県の近畿一円を対象としています。
 私(現社長)が入社した平成元年は、御用聞きやルート営業が中心でした。当時は美容室も忙しく、出店すればお客様が来てくれる時代でした。このため、美容室のオーナーは、私どもに難しいことは求めませんでした。
 その後、美容室の数はどんどん増加し、現在では全国で約22万店あります。コンビニは全国に4万5,000店といわれていますので、コンビニの約5倍にのぼります。一方、わが国の人口は減少傾向にありますので、美容室への来店客数は減少しており、競争が徐々に厳しくなってきています。
 このため、どうしても価格競争になりがちですので、会社の体力勝負ということになってきます。当社では、そういうことにならないよう、個々の美容室が繁栄するための技術的なお手伝いとして、数多くのセミナーを開催するなど他社との違いを打ち出しています。また、新規オープンや独立開業のときにも、アドバイスしています。
 このように、美容室の方の身になってお世話することが社員のスキルアップにも繋がり、社員の呼び方も従来からの「営業」という呼び方をとりやめ、「コーディネーター」という呼称を使っています。ものを売ることではなく、個々の美容室が繁栄するためのお手伝いをすることが、当社の業務だからです。
 当社にコーディネーターがいるということによって、いろいろな情報が集まってきます。
 このため、個々の美容室が抱えているいろいろな悩みに対しても、解決のお手伝いをしやすくなっています。
 当社では、1週間のうち、火曜日だけは外出をとりやめて社内で勉強するために、週1回の社内研修を行っていました。しかし、新入社員にとっては、週1回の社内研修だけでは不十分ですので、新入社員向けの研修が別に必要だと思っていましたが、日常業務に追われているために、なかなか実施までに至らなかったのが実情でした。
 このような状況のもと、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練のことを知ったのは、当社顧問の社会保険労務士からの紹介でした。労働局への実際の書類申請に当たっては、訓練カリキュラムや評価シートの作成などの煩瑣な業務が必要ですが、当社としては、初めての経験でしたので、京都商工会議所の京都府地域ジョブ・カードセンターの制度推進員の方に大変お世話になりました。

2.具体的な取組内容

 ジョブ・カード制度について知ったことをきっかけとして、2年近く前から有期実習型訓練に取り組んできています。これまでに2回(いずれも基本型。合計3人の訓練生を正社員採用)実施し、今回で3回目となりました。特に、新入社員を採用するときに活用しています。
 登録キャリア・コンサルタントという専門家が交付したジョブ・カードは、履歴書と比べると、求職者が何をやってきたかなど、これまでの職務経歴や第三者としてのコメントなどが分かりやすく記載されていますので、採用面接のときに使いやすいと思います。
 当社がこれまでに実施してきた新入社員を対象とした研修では、メーカーでの研修や倉庫研修、それに先輩社員に同行しての研修などでしたが、周りからは何を教えているのか把握できなかったのが実情でした。
 そこで、今回実施した有期実習型訓練では、美容コンサルタント養成や営業実務の各コースとも、Off-JT50時間、OJTが200時間の合計250時間、期間は約3カ月間に設定し、訓練カリキュラムどおりに実施しました。
 訓練内容は、当社の業務内容を理解することから始まり、業界の知識や美容室現場の理解、商品の理解、技術の理解です。加えて、経営的な数字の把握や個々の美容室のミーティングに参加しての販売促進の提案などです。
 Off-JTでは商品知識や技術が身に付きましたし、OJTは長い時間(200時間)を割いてよかったと思っています。美容室などの現場に行くと、具体的な問題解決策などのマネジメントについての理解が早まるなど、得るものが多かったようです。
 各コースとも、Off-JTとOJTを通じ、コンサルタントの資格を持っている営業担当のマネージャークラスの社員が訓練生を専属で担当するようにしました。特に、美容室での現地研修では、個店に出向いてオーナーにも会いましたので、現場についての理解が深まりました。また、毎週月曜日に行っている美容室を対象としたセミナーには、訓練生にも出席させたことによって、販売促進の提案ができるようにしました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 これまで実施してきた新入社員研修は、内容を十分に固めずに、何となくやってきたのが実情でした。例えば、退職する社員は、後任の社員に対して思い思いに引き継いでいましたので、周りからは何を教えているかが分かりませんでした。
 しかし、今回の有期実習型訓練を実施したことがきっかけとなって、作成した訓練カリキュラムに従って体系立てて教育できるようになりました。
 訓練生も、先輩の社員から何となく教えてもらっているということではなく、先輩の社員が時間をつくって教えてくれるので、研修を受けているという実感を持てたのだと思います。訓練生だった新入社員が書いた感想文を読むと、「会社がしっかりと研修を実施してくれている」「自分自身は、会社から大事に扱われている」と感じていることがよく分かります。
 教える側の先輩社員も、自分では分かっていることも、もう1回、自分自身の業務に関する知識を整理し、再確認できましたので、「講師を務めて良かった」と言っています。また、訓練生が成長していく過程もよく分かりましたので、教えることが講師を務めた社員の喜びに繋がったと思います。このように、当社にとっては、良いことばかりでした。
 教える側は、1年目はフルに訓練にエネルギーを費やしましたので、研修に充当する時間をつくるのが大変でしたが、2年目の訓練は、問題なく実施できたようです。
 有期実習型訓練の実施に当たっては、労働局への申請に関するいろいろな書類をつくる業務があります。訓練カリキュラムを作成するときは、講師を務めた社員の時間を合わせることも一苦労でした。また、訓練日誌も、訓練生に習慣づけるのが大変でした。
 このように、最初の訓練は大変でしたが、京都府地域ジョブ・カードセンターの制度推進員の方から、いろいろなアドバイスをもらいましたので、非常に助かりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 有期実習型訓練は、1回目は大変ですが、2回目の訓練は、比較的に楽だったと思います。また、訓練生が記載する日々の訓練日誌についても、記載することによって、日々の業務を理解できましたので、訓練生にとってもプラスになったと思います。
 教える内容が教える社員によってバラツキがありましたが、有期実習型訓練を実施して特によかったことは、訓練の実施によって教える内容を体系化できたことです。また、訓練に取り組むための段取りもスムーズにできましたので、今後の研修にも活かしやすいと思います。
 当社では、有期実習型訓練を活用して2年目になりますが、上記のように良い結果が出ています。特に、中途採用の社員に対する研修内容をしっかりと組めたことが良かったと思います。こうしたこともあり、有期実習型訓練を実施した後の新入社員の定着率は、これまでよりも良くなっています。
 今後の採用に当たっても、ジョブ・カード制度を活用していきたいと考えています。このような良い制度があり、商工会議所の担当者に相談に応じてもらえますので、多くの企業の方々にジョブ・カード制度の活用を是非とも検討してもらいたいと思っています。

【事務局後記】
 この原稿は、平成24年11月6日に開催した京都商工会議所の主催による「ジョブ・カード制度推進フェア」で、制度の活用事例を発表していただいた㈱ガモウ関西の代表取締役社長・藤本圭哉氏の発表内容に一部加筆したものです。

(平成24年12月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要

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