企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社大安+CASA(プラスカーサ)

会社概要

所在地: 滋賀県栗東市
業種: 卸売・小売業
資本金: 9,196万円
従業員数: 47人
URL: http://www.pluscasa.com

訓練概要

訓練コース: 家具販売員養成コース
職種: 販売店員
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成23年10月~24年2月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社大安+CASA(プラスカーサ)
栗東市にある社屋の全景

 当社は、昭和25年の創業以来、家具やインテリア商品を中心に、国内外を問わず、様々な商品を販売してきており、今年で64期を迎えました。当社の接客販売での特徴としては、同業他社と比べると、単品での販売ではなく、空間全体の提案販売をコンセプトとして掲げていることがあげられます。そのため、当社の販売員として求められるスキルは高いものであり、誰もがスムーズに行える業務ではないと考えています。
 人材の募集に当たっては、当社のホームページで募集する方法と並行して、主にハローワークを活用し、新規学卒者や中途採用者を採用してきました。そのため、応募者の経歴や年齢は多岐にわたり、教育訓練カリキュラムの作成についても、多様化する一方となっていました。これまでも、当社独自の教育体系図を設けていましたが、教育する対象者が多様化していく中で、教育体制のさらなる充実を図る必要があると考えていました。
 そのようなときに、ハローワークでジョブ・カード制度の有期実習型訓練についての資料を見つけましたので、社内で検討した結果、教育体制の整備と人材育成のボトムアップの施策として、この制度を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

 講師(指導者)としては、専門分野について教育するために、「インテリアコーディネーターの資格保有者」を要件として人選しました。これは、社員というだけではなく、専門分野に関する資格を取得しており、その資格を現場で活かしている社員からの指導は、訓練生にとっては説得力があることを考慮したからです。特にOff-JTでは、専門知識を有する講師がプロの販売員として、テキストなどの専門書から得ることができる知識以外にも、現場での経験を活かした施工例や納品事例など、具体的な実例を基にした訓練を行いました。
 まず、訓練開始に伴って、当社の強み(他社との差別化)についての項目は、特にしっかりと訓練生に伝えるような教育訓練カリキュラムを作成しました。そうすることによって、当社で働く意義やお客様に伝えるべき内容などがしっかりと訓練生に根付かせることができると考えたためです。
 このような当社の考え方を伝えた後に、基礎知識を習得させました。その後は、知識の習得と現場での実務訓練とを反復させ、繰り返して訓練することによって身に付けるという方法を取りました。 また、日々の業務では、意図しないにもかかわらず、病欠や日程の変更などが起こることが考えられましたので、訓練の開始に際しては、前述のインテリアコーディネーターの資格を保有している講師とは別に、もう1人の講師を配置し、2人の体制で訓練に臨みました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社では、教育訓練カリキュラムの作成の専任の教育担当者を配置していませんでしたので、その都度、教育担当者を決めたうえ、この教育担当者が新入社員の育成方法を考えるという体制を取っていました。そのため、良い事例や悪い事例についての社内での情報の共有が図られていませんでした。このように、次に繋げてステップアップしていくという形を取れていませんでしたので、訓練が単発で終わっている状況にありました。
 しかし、より良い教育体制を確立するためには、社内での情報の共有が第一に優先することだと考え、滋賀県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方からのアドバイスを基にして教育体制を一元管理し、情報の共有を図ることによって社内の教育体制を見直しました。
 まず最初に、教育担当者は毎回、講師(指導者)の人選は行うものの、人選の基準となる「インテリアコーディネーターの資格保有者」という明確な要件を設け、指導内容にバラツキや偏りが出ないように工夫しました。そうすることによって、プロの販売員として正確な知識や技能を身に付けることができる教育体制を取ることができました。
 次に、教育訓練カリキュラムを書面で作成、保管することによって、教育担当者の不在時であっても、他の社員が円滑に引き継ぎすることができましたので、無駄のない分担した教育体制を取ることができました。そして、何よりも、教育訓練カリキュラムの管理を書面で一元管理したことによって、訓練生が教育内容を身に付けているかどうかという判断基準を明確にすることができました。これまでは、一連の教育訓練カリキュラムを終えた時点で、一定の知識や技能を身に付けていると一方的に判断していましたが、実際には、忘れていたり、正しく理解できていなかったり、正しくできていなかったことがありました。そのため、講師側も、訓練生側にとっても、内容を確認できるとともに、振り返りのできる体制をつくりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 既に一定以上のスキルを保有し、即戦力になり得る人材は、企業にとっては短期的には有益かもしれませんが、中長期的にみた際には、人材次第で会社の業績を左右しかねません。有能な人材が在籍している期間は、会社の業績も安定しますが、その人が抜けることによって業績が傾いてしまうという事態が予測されます。そういった事態を招かないようにするためには、企業の底力を身に付けるためにも、短期的なメリットではなく、中長期的なメリットを考えて教育訓練計画を練っていく必要があると思います。
 今回のようなジョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用に当たり、滋賀県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方などから、これまでの社内の教育体制では目の届かなかったことや体系的な教育の進め方についてアドバイスしてもらったことは、当社にとって非常に有益な制度であったと考えています。
 その結果、社内の教育制度の充実と人材育成のための環境づくりを図れましたので、中長期的にみても、企業としての底力を身に付けることのきっかけになったということが当社にとっては、何よりの収穫だったと思います。これは、教育訓練カリキュラムを実施したことによって、新入社員のボトムアップはもちろん、既存の社員のモチベーションの向上や管理者としての意識付けなど、様々な部分に波及するものと考えています。新入社員には、専門分野の知識や技能以外にも、当社の企業理念や方針などの考え方を把握させることができたうえ、常に働く意義ややりがいを持つことによって、自発的な考えを持たせるきっかけとなったことも大きな効果だったと思います。
 より大きな効果を得るためにも、1回限りの教育訓練カリキュラムで終えるのではなく、実施した教育訓練カリキュラムについての改善点や良かった点などをしっかりと社内で議論し、今後実施する教育訓練カリキュラムにも、今回の教訓を連動させて、より良い方向に進めていく必要があると思います。
 また、今回のジョブ・カード制度の有期実習型訓練を実施するに当たっては、滋賀労働局や滋賀県地域ジョブ・カードセンター、関係各機関の職員の方の適切なアドバイスがありましたので、円滑に進めることができました。当社にとっては、有期実習型訓練の活用によって、さらなる発展に繋がるものと考えていますので、これからも積極的に活用していきたいと思います。

(平成25年2月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要