企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社オブジェ

会社概要

所在地: 沖縄県沖縄市
業種: 製造業
資本金: 300万円
従業員数: 9人
URL: http://www.e-objet.co.jp

訓練概要

訓練コース: 看板製作・施工・取付コース、企画・デザインコース
職種: 一般機械器具組立工
訓練生数: 3人(現在は訓練中)
期間: 平成24年9月~25年2月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

有限会社オブジェ
企画・デザインの実習

 当社は、昭和40年に先代が創業し、今年で48年目になりました。
 現在、FRP(繊維強化プラスチック)の特殊造形物の製品開発と看板の製作施工の業務を行っています。これまでの主な作品は、「沖縄こどもの国」のゲートアーチ(動物たちのオブジェ)や保育所の遊具、飲食店の店舗サイン、室内装飾、宅配バイクの造形物があります。最近では、沖縄市の「エイサーの街宣言」に伴って、エイサーのマスコットキャラクターである「エイ坊」「サーちゃん」と「さなじぃー」の完成披露が行われました。当社も、これらの製作の一翼を担っています。
 このような中で、沖縄商工会議所に設置されている沖縄県地域ジョブ・カードサポートセンターの企業開拓推進員の方から、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練についての説明を受ける機会がありました。この企業開拓推進員の方の説明によると、「ジョブ・カード制度は、求職者(正社員経験の少ない方)と有期雇用契約を結び、ジョブ・カードを活用した職業訓練を実施して職業能力の形成を図りつつ、正社員経験の少ない方を正規社員に結び付けるシステムです」ということでしたので、当社にとってもメリットがあることが分かりました。この説明を聞いた当社の社長からは、優秀な人材を確保できるとともに、教育訓練にかかる費用の軽減も図れると思われるので、「工場で頑張っているアルバイト社員を対象とした訓練として、ジョブ・カード 制度を活用できるかどうかについて検討するために、詳細に説明してもらうように」との指示がありました。
 当社では、受注量が増加傾向にあるときは、協力会社の応援を得ながら対応してきましたが、丁度そのときは、人材の採用・育成について計画していたところでした。
 早速、沖縄県地域ジョブ・カードサポートセンターの企業開拓推進員の方に再度、当社に来てもらい、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の内容や活用に向けての具体的な取り組み方、企業での活用事例などについての詳細な説明を受けたところ、当社の人材を育成・確保するための考え方と合致した内容だということが分かりました。このため、非正規のアルバイト社員を対象として、工場でのFRP造形物や看板製作、製品開発に向けた正社員の候補者を育成するために、有期実習型訓練を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

 有期実習型訓練を実施するためには、訓練実施計画や訓練カリキュラム、評価シートを作成する必要があります。しかし、当社では、これまでに体系的な職業訓練を実施した経験がありませんでした。このため、沖縄県地域ジョブ・カードサポートセンターの訓練コーディネーターの方のアドバイスを受けながら、訓練実施計画などを作成しました。これらの申請書類は、訓練コーディネーターの方に同行してもらって沖縄労働局に提出しました。
 沖縄労働局で申請書類が受理された後は、訓練生の候補者として看板製作要員2人と企画・デザイン要員1人を社内のアルバイト社員の中から選抜しました。幸いにも、この訓練コーディネーターの方は、登録キャリア・コンサルタントの業務も兼任していましたので、これらのアルバイト社員を対象としたキャリア・コンサルティングを実施した結果、3人ともに訓練生として推薦してもらいました。
 看板製作要員として育成する訓練生のうちの1人は、10年ほど前に他の看板製作所で看板製作・取付やネオン工事の経験があり、2カ月前からアルバイト社員として当社に勤務していました。他の1人は、電気設備工事の業務経験があり、同じく2カ月前からアルバイトをしていました。また、企画・デザイン要員として育成する1人は、インテリアコーディネーターの資格を有しており、同じく2カ月前からアルバイトで勤務していました。このため、これらの3人の訓練生には、当社の業務に必要な知識と技能を習得させたうえ、将来の当社を担う人材と位置付けて育成することにしました。
 このうち、看板製作要員の有期実習型訓練は約6カ月間で、OJTは340時間、Off-JTは90時間の合計430時間に設定しました。また、企画・デザイン要員の訓練も約6カ月間で、OJT320時間、Off-JT90時間の合計410時間としました。

(1)OJTについて
 看板製作要員を養成するOJTでは、看板製作と看板取付の実習としました。具体的には、1.看板製作では、FRP造形物の骨組みとなる鉄骨の枠組みと溶接、板面製作など、2.看板取付では、各種の看板の設置のための溶接やビス止め、重機を使用した看板の設置補助作業などの実習を行っています。  また、企画・デザイン要員を養成するOJTでは、1.パソコンの基本実習、2.画像処理実習、3.色彩管理実習、4.編集・デザイン実習、5.オンデマンド印刷実習、6.プレゼンテーション実習を行っています。

(2)Off-JTについて
 看板製作要員を養成するOff-JTでは、主に1.材料知識、2.看板施工知識、3.配達と配送、4.安全作業などの業務に必要な基礎知識を習得させるための指導をしています。
 また、企画デザイン要員を養成するOff-JTでは、主に1.印刷、2.デザイン、3.データ管理などについて指導しています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社の教育システムは、これまでに確立されたものがありませんでした。いわば、ベテラン社員からの見よう見まねで仕事を覚えさせていたわけです。新入社員の採用は、現在の社員の紹介による縁故採用が中心でしたが、定着率がよかったことから、新規採用は行っていませんでした。
 今回の有期実習型訓練の指導員は、当社のベテランの2人の社員が携わっていますが、これまでに指導経験は全くありませんでした。このうちの1人の指導員は、看板製作・施工の業務で20年余りの経験があり、小型移動式クレーン車や高所作業車を操作できるうえ、アーク溶接技術者やイラストレータークリエイターの能力1級などの資格を保有しています。もう1人の指導員は、Macオペレターや製作施工の業務を15年ほど経験し、小型移動式クレーン車を操作できるうえ、POPクリエーターやPTP検定、色彩検定などの資格を保有しています。
 訓練の実施に当たっては、業務のローテーションに工夫を加えるとともに、指導員となったベテランの2人の社員同士の情報の共有化を図り、指導員のスケジュールを調整しながら、訓練生の指導にあたっています。
 あと1カ月ほどで訓練を終了しますが、現在のところ、特に支障はなく、訓練カリキュラムを順調に進めることができています。

4.制度の活用による具体的な効果

 有期実習型訓練は、平成24年9月10日から平成25年2月28日までの約6カ月間としています。3人の訓練生は、順調に訓練を続けており、業務に従事するうえで必要な知識などを習得していますので、訓練の終了後は、3人とも正社員として採用する予定です。今回実施した有期実習型訓練は、アルバイト社員という「脇役」から、正社員という「主役」になるための人材を育成する研修だと思います。
 現在までの効果は、次のとおりです。

(1)人材育成のシステムを構築することができます。

(2)評価シートを参考にして、訓練生以外の社員の人事考課に活用できます。

(3)訓練生を正社員にするための人材育成にかかる費用を軽減できるうえ、必要な教育を実施できます。

(4)訓練生の業務能力が向上してきていますので、将来の当社を支えることが期待できます。

 また、3人の訓練生からは、次のような感想が寄せられています。

(1)正社員になるために、前向きな気持ちで訓練を受けることができました。

(2)訓練を実施する前はアルバイト社員でしたが、訓練を受講したことから、会社の人たちも、仕事の内容も把握できましたので、自分自身のレベルアップに繋がったと思います。

(3)実際の業務を体験させてもらいましたので、これからは一人立ちして会社の力になりたいと思います。

(平成25年2月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要

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