企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社フレスタ

会社概要

所在地: 広島県広島市
業種: 卸売・小売業
資本金: 9,300万円
従業員数: 4,163人
URL: http://www.fresta.co.jp/

訓練概要

訓練コース: 正社員登用コース
職種: 販売店員
訓練生数: 1人(終了後に正社員として採用)
期間: 平成23年12月~24年3月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)
〈これまで4回実施し、12人を正社員採用〉

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社フレスタ
社内で実施している水産OJT研修

 当社は、広島県と岡山県、山口県の3県に食料品スーパーマーケットを54店舗展開しており、創業当時(明治20年)から、「正直な商売」に徹するとともに、「進取の気性」を大切にして様々なことに取り組んできました。
 社員の80%以上を占めているパートタイマーなどの非正規の社員が基幹労働力化しているために、当社では、独自の正社員登用制度を導入していました。しかし、この登用制度には問題点があり、それを整理・改善する必要がありましたので、広島商 工会議所の広島県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方からの勧めにより、平成20年から、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用しています。
 それから4年間は、毎年、正社員登用制度の内容を見直し、試行錯誤を繰り返しながら実施してきました。ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の考え方と運用方法については、以下の3点に着目して取り組んでいます。

(1)当社の採用基準である「自律」を訓練生に理解させ、実践させること。

(2)社内で「教学」(=教えながら学び、学びながら教えること)を意識させ、訓練生だけでなく、既存の社員の意識の向上を図ること。

(3)入社後に即戦力になれるよう、効率的に教育を実施すること。

2.具体的な取組内容

株式会社フレスタ
Off-JTの様子

 これまでの4年間では、12人の非正規の社員を対象にした有期実習型訓練を実施してきました。訓練コースは、「正社員登用コース」と名付け、OJTが265時間、Off-JTは176時間の合計441時間に設定して実施してきました。研修内容は、社内外の研修を受講させながら、社会人、組織人としての考え方を徹底して学習させています。
 特に、お客様と接することの喜びと社会人としての規律ある勤務態度や習慣を身に付させることには、大きく時間を割いています。
 中には、コミュニケーションなどの基礎研修もありますので、自分はできると思っていることが理解できていなかったことに気づき、自分自身を見直すこともあるようです。
 その他の研修では、販売業務に関する技術や知識を中心に学習させています。これらは、スーパーマーケット業務に必要とされる基礎的な技術やコスト意識、食の安全などの重要性などです。これらのOJTでの指導では、新入社員を対象にしたメンター制度を参考に、基礎から応用まで、「自律」「教学」を意識させながら実施しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社では、新卒の採用人数と比較して中途入社の社員は少人数です。中途入社の採用予定者は、年齢や世代が様々であり、社会経験も豊富で価値観にも違いがあると考えられるために、これまでは別々の研修を行ってきました。
 しかし、6年前からは、新規学卒者、中途入社の社員に関わらず、同じ研修を受講させ、双方の交流を図ることでお互いを高め合い、同期入社との意識が醸成されるようになりました。その結果、入社後3年間の離職率は低下し、訓練生だった社員は、同期の中で積極的にリーダーシップを発揮しています。

4.制度の活用による具体的な効果

 訓練カリキュラムに基づいた有期実習型訓練を実施することによって、パートタイマーやアルバイトの非正規の社員を即戦力型の正社員として採用することができるようになりました。
 また、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練は、当社で毎年実施してきた新入社員研修にも、有効に活用できることが分かりました。特に、訓練生のモチベーションの向上や離職率の低下に繋がっていると思います。今後も、継続して実施し、社員のモチベーションの向上や自己実現のための制度に進化させていきたいと考えています。

5.企業担当まとめ

 当社では、非正規社員の正社員登用は既に制度化していました。しかし、旧制度で正社員となった社員は、訓練計画がないまま採用されましたので、即戦力として期待されていました。  一方、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用した正社員登用制度では、学べる環境が整っており、プレッシャーもありません。むしろ、多くの社員がモチベーションを保って意欲的に職務を遂行しています。
 実際に、訓練生からは、「ジョブ・カードを作成することで、これまでの自分を振り返り、正社員として働く意欲が高まった」「OJTで仕事に対する取組方が変わった。他の業務にも興味が湧いてきた」、また、管理監督者からは、「仕事に対する積極的な姿勢が出てきた」「日々の業務日報で訓練生が成長していることがよく分かる」などとの声が寄せられています。
 また、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用については、社内報に訓練生の顔写真や氏名を掲載して紹介しましたので、訓練生たちの意識の向上を図るとともに、社内全体の機運を高めることができたと思います。
 このように、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用することによって、効率的な教育や訓練ができるようになりました。当社では、今後もジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用しながら、正社員登用制度をより充実させたいと考えています。

【事務局後記】
 ㈱フレスタでの取り組みは、平成20年度からのジョブ・カード制度の開始後、広島県内では初めての案件でした。同社の担当の方がスーパー業界の推進員としてジョブ・カード制度の有期実習型訓練について詳しく知っていたことや企業が生き残るうえで人材育成は重要な要素であると認識していること、社内で既に正社員登用制度が構築されていたことなどを背景に、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用に取り組みました。
 この取り組みに当たっては、雇用・能力開発機構広島センター(当時)や広島県職業能力開発協会、広島県地域ジョブ・カードセンターの担当者らとの打ち合わせ会議を実施し、各機関の役割分担を確認するとともに、共通認識を持ちながら、連携を密にして取り組みました。
 こうした同社の取り組みは、平成21年2月18日にNHK広島局の夕方の地方ニュース番組で特集が組まれたほか、翌朝の全国のニュースでも放映されるなど、大きな反響を呼びました。広島県地域ジョブ・カードセンターとしても、第1号の案件が全国に紹介される好事例となったことは、大いに自信となり、同社の取り組みを当センター主催のジョブ・カード制度説明会の事例紹介で発表してもらうなど、その後の広島県内の企業に対するジョブ・カード制度の有期実習型訓練の普及推進に大いに役立ちましたので、感謝しています。

(平成25年2月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要