企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社村伝

会社概要

所在地: 宮城県気仙沼市
業種: 医療・福祉
資本金: 300万円
従業員数: 60人
URL: http://www.muraden-k.jp/

訓練概要

訓練コース: 介護員養成コース
職種: 介護職員
訓練生数: 5人(終了後に全員を正社員採用
期間: 平成24年5月~10月
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

有限会社村伝
気仙沼市にあるグループホーム村伝の社屋の全景

 当社は、認知症対応型共同生活介護施設として、「地域とともにある」という理念のもとに、年を重ねて介護や援助が必要になった方が、住み慣れた地域で家庭的な生活を送れるようにと、平成16年9月に開設しました。
 気仙沼市内に3つの施設があり、このうち、2つの施設(グループホーム村伝、グループホーム村伝さいち)は、一昨年3月11日の東日本大震災によって被災しました。その後、グループホーム村伝は、一昨年秋に復旧工事が完了し、グループホーム村伝さいちに関しては、今年の3月まで仮設の施設で事業を運営しますが、4月に復旧する予定です。
 ジョブ・カード制度の有期実習型訓練との出会いは、気仙沼商工会議所で開催された「ジョブ・カード制度説明会」に参加したことがきっかけでした。
 介護事業は、直接の対人サービスであることから、多くのスタッフを確保することが必要です。このため、当社では、資格や経験はなくても応募可能とすることによって人材募集の間口を広くし、適性の見込める人材は、初めは有期雇用契約で採用する計画を立てており、パートの職員や準職員に関しても、意欲のある方であれば、正社員登用を検討していました。
 今回、訓練生の候補者として応募してきた非正規の職員のうちの5人は、当社が求める人材の要件に該当しましたので、社内で検討した結果、有期実習型訓練を活用することにしました。このため、気仙沼商工会議所に設置されている宮城県地域ジョブ・カードサポートセンターの訓練コーディネーターの方に対し、有期実習型訓練の実施に対する支援をお願いしました。

2.具体的な取組内容

有限会社村伝
仮設施で事業を運営していたグループホーム村伝さち

 有期実習型訓練のキャリア・アップ型を実施するに当たっては、宮城県地域ジョブ・カードサポートセンターの訓練コーディネーターの方に来社してもらい、次のとおりの手順で行いました。

(1)訓練カリキュラムの作成
 訓練カリキュラムの作成に関しては、初めは難しい作業だと思いました。しかし、訓練コーディネーターの方に全国のジョブ・カード普及サポーター企業が作成した訓練カリキュラムの見本を数社分持参してもらいましたので、その中から当社が想定している訓練に一番近い内容のものを選び、多少の変更をして作成しましたので、あまり悩まずに作成できました。

(2)キャリア・コンサルティング
 訓練コーディネーターの方に5人の非正規の職員を対象としたキャリア・コンサルティングを行ってもらい、これから実施する有期実習型訓練の内容についての説明を兼ねて、ジョブ・カードを交付してもらいました。5人のうち3人は、仮設の施設での勤務でしたので、それぞれの施設に訓練コーディネーターの方に来てもらいました。

(3)訓練計画、認定申請書類の作成
 シフト(予定)表により、訓練計画を立てました。5人のそれぞれのシフトが違うために、訓練計画表の作成には多少苦労しましたが、訓練コーディネーターの方と相談した結果、講師となる4人の管理者の勤務時間に合わせてOff-JT(600時間)とOJT(523.5時間)の時間を組みました。

(4)訓練の実施
 5人とも、滞りなく訓練を行えました。Off-JT、OJTのどちらも、講師は、2カ所の施設の管理者が務めました。訓練カリキュラムの内容をクリアするという目標の設定があるために、5人の訓練生たちは、目標に向かって普段よりも気持ちの持ち方が違ったように思います。
 また、ジョブ・カード様式4(評価シート)によって職業能力を評価されるという適度な緊張感もありましたので、取り組みの姿勢に良い影響が出ていたように感じました。

(5)書類関係の確認作業
 5人の訓練日誌と出勤簿は、1カ月ごとにまとめて訓練コーディネーターの方に提出し、記載内容の照合をしてもらいました。

(6)助成金の支給申請書類の作成
 最初は、「煩雑な申請書類の記入や添付書類の準備などは、どのようにしようか」と悩みましたが、訓練コーディネーターの方がほとんど進めてくれましたので、結果としては、何も心配はいりませんでした。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 5人の訓練生のそれぞれのシフトが異なりましたので、どのようにして訓練計画表を組んだら良いかについて訓練コーディネーターの方と相談した結果、できるだけ講師を務めた管理者の就業時間帯に合わせて作成することにしました。
 キャリア・アップ型の有期実習型訓練ということもあり、訓練時間の他は通常業務となりますので、これまでの業務を行いながら、訓練によってスキルアップを図ることができました。
 また、毎日の訓練日誌への記入については、大変な面もありましたが、訓練生、講師ともに真面目に取り組む姿勢がみられました。訓練日誌には、日々感じたことや反省、疑問に思ったことなどを素直に記入させましたので、講師となった管理者も、専門的な指導やメンタルに関する助言などを分かりやすく丁寧に記入していました。こうしたことにより、お互いのコミュニケーションを図れましたので、業務の質の向上にも繋がり ました。
 また、訓練コーディネーターの方には、5人分の訓練日誌と出勤簿を確認してもらうために、1カ月ごとに提出しましたので、助成金の支給申請に係る書類の作成の期限に焦ることなく、順調に進めることができました。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回、有期実習型訓練を活用したことにより、訓練生にとっては、以下のような効果があったと思います。

(1)ジョブ・カードを作成するために、これまでの自分自身の経験を振り返ることによって、自分の持ち味と課題を再確認できた。

(2)Off-JTとOJTを組み合わせたことにより、仕事に対する意識が向上した(現場で起こる課題→Off-JTでの体系的な学習によって課題を整理できた→現場でのOJTで改めて活かすことができた)。

(3)訓練日誌に記入したことにより、毎日の振り返りができたので、介護で必要な「気づく力」が養われた。

 また、講師や経営サイドからみた効果は、以下のようなものであったと思います。

(1)講師を務めた4人の管理者は、訓練で指導したことによって、改めて専門的な勉強や振り返りが必要になることに気づくことができた。

(2)指導することが「人を育てる訓練」になり、後進の育成にも繋がった。

(3)有期実習型訓練の波及効果としては、グループホーム内の全ての職員のケアの質がレベルアップした。

(4)人材確保や安定雇用のためのキャリアパスのヒントになった。

(5)今後の事業展開を考えるうえでの継続的な人材育成が可能になった。

 このように、今回、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練(キャリア・アップ型)を活用したことによって、全ての職員にとっても、サービスの向上や次に続く非正規職員のスキルアップに関する意識の向上にも繋がりましたので、該当者がいれば、今後も、有期実習型訓練を是非とも活用したいと思います。

(平成25年3月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要