企業から寄せられた声(文字情報)

社会福祉法人わかば会

会社概要

所在地: 岩手県盛岡市
業種: 医療・福祉
資本金: 100万円
従業員数: 81人

訓練概要

訓練コース: 保育士育成コース
職種: 保育士
訓練生数: 4人(訓練中)
期間: 第1回・平成23年11月~24年3月
(終了後、4人を正社員採用)
第2回・平成24年11月~25年3月
訓練種別: 有期実習型訓練(いずれもキャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

社会福祉法人わかば会
Off-JTの実施風景

 当法人は、保育所の設置運営事業を行う法人として、昭和56年3月に設立しました。
 「1.働くことと子育ての両立を求める保護者の就労を保障する」「2.子どもの心と身体の発達が保障される保育をする」「3.保護者と保育者が話し合い、共に力を合わせて保育を創っていく」「4.地域との連携の中で子育ての拠点となり、子育てを支援する」「5.保育者が心身ともにゆとりを持ち、責任を持って保育にあたれる職場とする」ことを目的として、わかば保育園を運営してきました。平成7年7月には、北松園風の子保育園を設立し、さらに平成24年4月からは、盛岡市立本宮保育園の運営を受託しました。
 本宮保育園の運営を受託するに当たり、22人の職員を新規に採用しましたので、法人全体では81人の職員数になりました。
 保育の職員の採用に当たっては、単なるペーパーテストだけではその人の保育士としての適性の判断が困難です。このため、従来から非正規の職員を採用し、3年間が経過した後に、選考によって正規の職員に登用してきました。しかし、職員数の大幅増に対応するために、職員の新たな育成方法が求められていました。
 このようなときに、盛岡商工会議所に設置されている岩手県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方から、「ジョブ・カード制度を活用し、有期実習型訓練を実施することにより、優秀な人材を育成できます」と、制度の活用を勧められました。訓練カリキュラムから申請書類の作成まで支援してもらえるとの説明を受けましたので、早速、この制度を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

社会福祉法人わかば会
Off-JTの実施風景

 当法人では、ジョブ・カード制度について知ったことをきっかけとして、法人内に2人の登録キャリア・コンサルタントを配置し、平成22年と23年には、基金訓練を実施しました。その後、前述の職員数の大幅増に対応するために、正規の職員の増員が喫緊の課題となりました。
 このため、平成23年には、非正規の保育士3人と栄養士1人を対象とした有期実習型訓練(キャリア・アップ型)を実施し、平成24年4月に正規の職員に登用しました。
 現在実施している有期実習型訓練(キャリア・アップ型)では、岩手県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方の指導を受けながら、Off-JT(81時間)、OJT(464時間)、訓練期間は約5カ月間に設定し、わかば保育園1人、北松園風の子保育園3人の非正規の職員を保育士として育成する訓練カリキュラムを作成しました。

(1)Off-JTについて
 講師は、当法人の役員2人と3つの保育園の職員7人が務めました。
 法人の組織や運営についての講義は理事長が担当し、前回の有期実習型訓練を実施したときの反省から、「仕事の進め方・考え方」の時間(24時間)を大幅に増やし、社会福祉研修の講師を経験している役員が担当しました。また、保育指針をはじめ、保育内容や小児保健、小児栄養、発達保障と保育、乳幼児の遊び、記録の取り方、保護者支援の教科は、保育園の職員が担当しています。
 仕事の進め方・考え方としては、12コマの教科を設定し、評価シート(ジョブ・カード様式)の職務遂行のための基本的能力、特に、コミュニケーションやチームワーク、チャレンジ意欲、考える力の養成に努める訓練カリキュラムにしました。
 職業能力の評価に当たっては、中間評価でB(大体できている)、C(評価しない)についての具体的な実践目標を設定し、最終評価に臨むことにしました。
 訓練生は、受講した教科のうちで実践に活かせるものは、保育の場で直ちに実践しています。

(2)OJTについて
 講師は、わかば保育園と北松園風の子保育園の各主任保育士2人、副主任保育士2人およびクラスリーダー2人が担当しました。
 日々の保育業務に従事しながら、毎日の訓練についての考察と感想を訓練日誌にとりまとめ、講師の指導を受けて実践に反映させることを反復して実施することによって、即戦力になる実践力を身に付けています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 Off-JTは、わかば保育園を会場として、わかば保育園1人、北松園風の子保育園3人の訓練生が一堂に会して実施しました。園児の保育に支障が生じないように、訓練時間は、園児の午睡時間に設定しました。特に、北松園風の子保育園では、この時間帯は、講師を務めた職員の保育業務を正規の職員やパートの職員が補いましたので、日常の保育業務に支障なく進められたと思っています。
 また、保育実習の教科は、丸1日かかる教科のため、相互に保育園を変更して実施しましたので、北松園風の子保育園には、わかば保育園から訓練生以外の2人の職員を「他園実習」として派遣するという調整が必要でした。

4.制度の活用による具体的な効果

 ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用した効果としては、当法人の喫緊の課題であった正規の職員の育成のための教育体制を確立できたことです。
 従来の非正規の職員として3年間が経過した後、選考によって正規の職員に登用する方針に有期実習型訓練を組み込んだことにより、保育に関する理論を徹底して学ばせることができたことに加え、社会人としての基本的な能力を身に付けた正規の職員を育成することができました。
 加えて、以下のような副次的な効果もありました。

(1)当法人が実施する各種の研修の再検討
 有期実習型訓練を訓練カリキュラムに沿って実施したことにより、現在、当法人が実施している各種の研修を再検討する動きが出てきました。
 当法人の3つの保育園では、平均すると、年に園内22回、園外21回の研修を実施しています。正規の職員に対しても、再度、わかば会としての保育の実施方法を身に付けさせ、社会人としての基礎能力を身に付けた職員の育成が必要であるとの考え方が出てきています。

(2)職員の意識の変化
 講師を担当した職員は、1コマにつ き2時間の講義を担当したことにより、教科に対する自分の従来の考え方をまとめることができたうえ、話すことによって自分の保育に対する自信を深めることができました。

(3)訓練生の意欲の変化
 訓練生は、毎日の活動を反省し、評 価したことによって、より早く、先輩の保育士と肩を並べることができるような保育士になりたいという意欲が強く出てきています。
 こうしたことから、正規の職員というよりも、将来の幹部となる職員としての可能性も出てきています。

 このように、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用したことにより、正規の職員を増員することができました。
 現在も、2回目の有期実習型訓練に取り組んでいますが、平成25年度も、4人ないし6人の訓練生を対象とした有期実習型訓練を実施し、正規の職員を増やすことによって、より充実した保育を実践し、保護者の期待に応えたいと思っています。

(平成25年3月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要