企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社湘南よみうり新聞社

会社概要

所在地: 神奈川県藤沢市
業種: 情報通信業(地域情報紙の編集・制作・発行)、広告代理業、WEB制作、デザイン、印刷
資本金: 1,000万円
従業員数: 23人
URL: http://www.shonan-yomiuri.co.jp/

訓練概要

訓練コース: 事務スタッフ養成コース
職種: 事務職
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成24年5月1日~8月6日
訓練種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社湘南よみうり新聞社
当社が制作した地域情報紙

 当社は、藤沢市に本社を置いており、湘南エリアに在住、あるいは勤務している人々に向けた地域情報紙を発行する会社として、昭和55年6月に創業しました。現在では、情報紙以外にも、チラシやポスターなどの印刷物のデザイン制作やWEBの作成、販促のための企画提案、物販、地域活性化事業など、時代のニーズに合わせて幅広い分野に企業活動を拡大しています。お客様の大部分は、湘南地域の官公庁や企業、商店ですので、経営理念でもある「人を元気に、街を元気にする」会社を目指しています。
 当社が最も大切にしているのは、「人材」です。幅広い知識とスキル、そして、仕事に対する“心意気”をもった「人材」がいればこそ、お客様の信頼を得ることができると考えています。
 しかしながら、当社は従業員数が23人の中小企業ですので、1.人材を育成するために割ける時間的な余裕がない、2.人材を育成するためのシステムが確立されていない、3.人材を育成するために多額の費用を投入できない、4.正社員として定着しない場合はその努力などが無駄になる、などの問題を抱えていました。
 このようなときに、藤沢商工会議所に設置されている神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンターの担当者からの紹介をきっかけとして、ジョブカード制度のことを知りました。
 そこで、ジョブ・カード制度についての詳細な説明を聞くと、この制度の有期実習型訓練を活用することによって、具体的な訓練カリキュラムに沿った教育を実施できることに加え、訓練を実施するために必要な経費の負担軽減を図れるといったメリットがあることが分かりました。また、キャリア・アップ型の有期実習型訓練は、当社で働いている人材を訓練生とするため、その人柄や意欲についても十分に把握できているという安心感がありました。このようなことから、当社で非正規社員として校正の仕事をしていた女性社員を事務職の訓練生として育成することにしました。

2.具体的な取組内容

株式会社湘南よみうり新聞社
有期実習型訓練の様子

 今回の有期実習型訓練の訓練カリキュラムでは、総務の事務職として習得しておかなければならないビジネススキルを業務内容にできるだけ即した形で盛り込みました。講師には、編集や営業、制作に長年携わってきた編集長と総務の事務職を統括する総務部長の2人が当たりました。
 訓練では、当社の組織や経営方針を理解させたうえで、庶務・渉外に関する業務を正確に行う能力を習得させることにしました。このため、Off-JTでは、ビジネスマナーや電話応対などの基礎的な実務能力を身に付けさせるとともに、企業理念や個人情報の保護などの仕事に対する基本姿勢について学ばせました。業務の中で最も必要なスキルの一つですが、訓練生が不得手としていたパソコンの操作やファイルの管理に重点を置いて、基本的なことから応用までを段階的に習得させるように配慮しました。
 また、Off-JTで学ばせたことは、できるだけOJTと密接に結びつくように心がけ、効果があるように工夫しました。例えば、当社の新事業である地域活性化事業では、イベントやセミナーを開催しますが、受付業務の流れや会場の準備などをOJTで行うときは、Off-JTで学んだパソコンによる受付表の作成などのスキルを応用しました。
 訓練生は、頭では理解できることであっても、実際の業務となると戸惑いを覚えることが多かったために、訓練生の習得の程度には特に気を配りました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社では、有期実習型訓練を実施するのは初めての経験でしたので、労働局での確認申請のための書類や訓練カリキュラムの作成などには不慣れなことが多く、当初は戸惑いがありました。しかし、神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンターの担当者の支援のもと、相談を重ねながら疑問点を解決しましたので、無事に申請し、労働局の確認を受けることができました。
 今回の有期実習型訓練は、当社で働いていた非正規社員に対するキャリア・アップ型の訓練であったため、訓練生がそれまでに担当していた通常の業務(校正)と重なって訓練に支障が生じないように、訓練カリキュラムの作成には配慮しました。問題が発生しそうな場合は、他の部署と連携を図るなどの協力体制を構築して対処しました。その結果、通常の業務に支障が生じることもなく、有期実習型訓練を終了できました。
 訓練生は、業務日誌の作成など、訓練のほかに毎日作成しなければならない書類がありましたので、大きな負担となるときもありましたが、訓練生本人の努力と周囲の社員の協力によって乗り切り、無事に訓練を終了できました。これらの書類は、パソコンで作成しましたので、結果的には達成目標の一つであったパソコンスキルのアップにも繋がりました。
 また、助成金の支給申請に関わる手続きは、申請書類が多く、煩雑であることに加え、担当した社員が時間的に厳しい面がありましたので、非常に大変だと思われました。しかしながら、これらについても、神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンターの担当者によるアドバイスによってスムーズに処理し、無事、助成金を受け取ることができました。

4.制度の活用による具体的な効果

 訓練生にとっては、非正規社員として働いていたときとは違う新しい分野でのキャリア・アップのための訓練でしたので、最初は不安を感じていたようでした。しかし、訓練を通じてビジネススキルを習得していくのに伴って自信が生まれましたので、モチベーションの向上にも繋がったようです。その結果、仕事に対する意欲や姿勢は、有期実習型訓練を実施する前と比較すると、大きく変わりました。このような訓練生の変化は、他の社員のモチベーションの向上にもプラスの影響を与えたことは、予測外の嬉しい効果でした。
 前述したように、当社では、これまで人材を育成するためのシステムが確立されていませんでした。今回、神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンターの担当者からの助言や提案をもらって作成した訓練カリキュラムと評価シートは、仕事の内容を具体的に明文化し、段階的に職業能力の評価結果を確認できますので、当社のニーズにマッチしたものとなりました。今後も、これらについて常に検討したうえ、修正を加えながら、新入社員の教育などの人材育成のための体制の充実に役立てていきたいと考えています。
 今回のジョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用では、訓練生だけではなく、担当した社員や他の社員にとっても貴重な経験を共有することができました。これからも、このような公的支援制度が存続するようであれば、是非とも再度、活用して人材の育成・確保を図っていきたいと思っています。

(平成25年7月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要