企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社四ツ葉

会社概要

所在地: 愛媛県松山市
業種: 医療・福祉(介護)
資本金: 300万円
従業員数: 46人

訓練概要

訓練コース: 介護技術基本コース
職種: 介護職員
訓練生数: 5人(訓練中)
期間: 平成26年3月~平成26年8月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型、キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

松山市にある社屋の全景
松山市にある社屋の全景

 当社は、平成17年2月に創業した若い会社です。高齢者や精神障害者、身体障害者の方々を受け入れる介護施設として幅広く活動してきており、平成27年度には、新しい介護施設の開設を予定しています。
 現在、46人いる社員(介護職員)の平均年齢は、32歳です。介護業界(全国の平均は39歳)では若い方ですが、若い社員に対し、責任あるポジションを早くから任せることがあります。こうしたことによって、平均的なキャリアパスを短縮してきていますので、大手の介護施設にはない、若くて優秀な介護職員を育てる秘訣になっています。
 介護業界では、介護施設が増えていく反面、介護職員の離職率が高いために、常に人員不足の状況にあることに加え、熟練者の介護離れの傾向も深刻な課題となっています。当社も例外ではなく、求人に対する応募者は比較的若く、未経験者が多かったこともありました。このため、当社の経営方針を理解したうえ、同じ方向に向かって協力し合うためには、人材の育成に積極的に取り組むべきだと考えていました。
 介護職員の定着率を高めるとともに、介護分野への新たな労働者の参入を促すことは、当社に限らず、介護業界にとっての課題のひとつです。介護の業務では、想像力と創造力、人間性が養われますので、一生にわたって成長し続けられます。
 このようなことから、昨年、35歳未満の非正規労働者を対象とした若者チャレンジ訓練を実施しました。6カ月間にわたる訓練を終了し、若くて有能な人材を正規雇用できました(3人を訓練生として採用し、終了後、2人を正規雇用)。
 その後、上記の若者チャレンジ訓練の実施の際にお世話になった松山商工会議所の愛媛県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方から、キャリアアップ助成金(人材育成コース)の対象となる有期実習型訓練を紹介してもらいました。
 この訓練についての説明を聞いたところ、昨年実施した若者チャレンジ訓練と類似しており、訓練生のスキルアップと人材の定着化を図るに当たっては、かなり有効な制度だと確信しましたので、実施することにしました。

2.具体的な取組内容

OJTの実施風景
OJTの実施風景

 当社では、現在、介護の未資格・未経験者向けのカリキュラムと有資格者向けのカリキュラムに基づいた2つのコースの有期実習型訓練(いずれも、6カ月間)に取り組んでいます。
 5人の訓練生のうち、3人はハローワークで募集し、残りの2人は在職している非正規の社員としました。3人の訓練生を対象とした未資格・未経験者向けの訓練は、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)取得を目指したカリキュラムです。また、2人の訓練生を対象とした有資格者(介護職員初任者研修取得者)向けの訓練では、当社での業務をメインにした実践的なカリキュラムとなっています。
 OJTでは、介護業務としての食事と入浴、排泄介助はもちろんのこと、リハビリとレクレーション、環境整備などの生活支援については、訓練生が所属する施設の管理者を含めた4人が講師となって指導しています。また、社内で実施するOff-JTでは、施設の管理者と訓練計画を作成した担当者、ユニットリーダーの3人が講師を務めています。社外でのOff-JTでは、社会福祉事業所が実施している研修を受講させており、知識も経験も豊富な講師の方に指導を依頼しています。
 今回の有期実習型訓練の事務担当を務めるのは初めてでしたので、当初は、訓練カリキュラムの作成や愛媛労働局への申請などは、正直いって、どのようにすればよいのか、どこから手を付ければよいのか全く分からない状態でした。
 しかし、愛媛県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方に来社してもらい、訓練計画の作成から申請書類が愛媛労働局に受理されるまで、丁寧に指導してもらいました。また、私ども講師だけではなく、5人の訓練生に対しても、有期実習型訓練の内容などについての詳しい説明をしてもらったうえ、訓練の開始後も、訓練の実施状況の確認や訓練生に対する訓練日誌への記入の仕方についての指導など、熱心、かつ、親身にフォローしてもらっています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

OOff-JT(施設内消防対策)の実施状況
Off-JT(施設内消防対策)の実施状況

 社内で実施しているOff-JTは、現場の入居者様の見守りや日常業務が手薄になってしまうために、多くの時間をとるには限界がありました。そこで、介護の知識を基礎から学べるように、外部の介護職員初任者研修の受講を訓練カリキュラムに取り入れました。これによって、訓練生は専門的な知識を多く身に付けることができたうえ、研修で学んだことをOJTに活かすことができるようになりました。
 また、介護職員初任者研修取得済みの訓練生には、入居者様と多く接してもらうことによって、介護技術を身に付けるように社内での訓練となっています。このため、そこで起こった問題は、訓練の内容と訓練生の考察、感想がワンパターン化したことです。実際には、同じ介助を行った場合でも、相手が違えば、その数だけサポートの仕方も変わってきます。しかし、訓練生がOJT、Off-JTともに、毎日、同じことの繰り返しと思ってしまうのは仕方のないことでした。
 そこで、社内での訓練とは別に、外部の研修とユニットミーティング(各ユニットに配置している職員と管理者、介護支援専門員、事務担当者、施設長が入居者様の介助・支援に関する意見交換、介護に関する勉強会、ケアカンファレンスをユニットごとに、1カ月当たり1回開催するもの)に参加し、講師と面談することにしました。こうしたことにより、外部の研修で学んだことを社内の訓練に取り入れ、考えながら訓練を実施できるようになったうえ、講師と面談することによって、訓練生と講師が情報交換を密にした訓練を実施できるようになりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 現在、実施している有期実習型訓練は、訓練生が働きながら学べるという魅力的な制度です。介護職は、離職率が非常に高い職種ですが、有期実習型訓練の実施によって、訓練生の介護職員としてのスキルアップを図れると同時に、入居者様への介護サービスの質の向上を図ることができるようになりました。
 また、OJTとOff-JTを組み合わせて実施したことにより、訓練生の介護に対する意識や知識の向上につながっています。一方、指導する講師の側にとっても、「後輩の育成・指導」「自身の振り返り」ができましたので、非常に良かったと思います。
 ジョブ・カード制度は、社会人としての経験や知識が少ないために、「未経験だから」「資格を持っていないから」という理由から、躊躇している若者が介護職に踏み込む良いきっかけになると思います。

(平成26年7月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要

有期実習型訓練の概要