企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社こうこく

会社概要

所在地: 広島市安佐北区
業種: 建設業
資本金: 4,700万円
従業員数: 98人
URL: http://www.e-kokoku.co.jp/

訓練概要

訓練コース: 伐採業務実践コース
職種: 山林の調査・伐採・管理
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成25年1月~4月
訓練種別: 若者チャレンジ訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

株式会社こうこく
伐採作業関係者を対象としたOff-JT

 当社では、公共施設や民間施設の緑化工事および管理、個人住宅の外構・庭園の工事、樹木などの維持業務、山林の調査・伐採・管理などの業務に加え、これらに関連する土木工事などを行うとともに、公園施設の管理・運営を行うなど、緑化関係の事業を複合的に推進する企業として、長い歴史と高い技術を有している会社です。
 設立は昭和26年6月で、今年で63年を迎えました。広島市の安佐北区に本社を置き、営業所は8カ所(広島県内に4カ所、島根県内に4カ所)あり、このほかには、島根原子力事業所(島根県松江市)と海田総合公園事務所(広島県海田町)があります。
 当社の事業は、全てにおいて人が中心です。人が動き、汗をかくことによって事業が成り立っていますので、安全な作業への取り組みと人材の確保・育成が最重要課題だと考えています。
 今回、ジョブ・カード制度の若者チャレンジ訓練を活用した当社の山林調査本部では、中国電力の電力設備機能を維持するための送電線や配電線に接近する樹木の伐採、除草に関わる業務を主力としており、山林の調査・伐採・管理などの業務を担当している部門です。
 現場の業務に携わる営業所の社員にとっては、案件ごとの関係者との調整や地権者などとの交渉、関係機関への各種の手続きなど、工事の計画から工事の実施、完了報告までをマネジメントする能力が必要です。また、これらの業務を安全に遂行するためには、伐採作業などに関する知識や技能も身に付けていなければなりませんので、工事現場の現場代理人、または作業員として従事することもあります。
 これまでは、その都度、これらの業務をある程度経験した人を即戦力として採用し、人材を確保してきました。しかしながら、経験者を確保することは、なかなか容易ではありませんでした。正社員として採用すれば、即戦力になりますが、年齢層が高いことに加え、採用後の勤務年数も短かくなることなどもありましたので、長期的にみた場合は、若年層を採用する必要がありました。このため、山林調査本部の下にある広島営業所では、ハローワークを通じて未経験者を新たに採用し、育成することにしました。
 未経験者の募集に当たっては、広島商工会議所の広島県地域ジョブ・カードセンターの訓練コーディネーターの方からジョブ・カード制度の若者チャレンジ訓練の内容や仕組みなどについての説明を受けました。この説明を聴いたところ、採用する側、応募する側の双方にメリットがあることに加え、新人の教育カリキュラムの作成にもつながることが分かりましたので、早速、若者チャレンジ訓練を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

株式会社こうこく
昇木訓練中の訓練生(Off-JT)

 ハローワークで訓練生を募集したところ、複数名の応募がありましたが、このうち、1人を採用し、若者チャレンジ訓練を実施しました。
 訓練の期間は、今年の1月27日から4月26日までの3カ月間です。OJTは350時間、Off-JTは40時間の合計390時間とし、訓練カリキュラムは、訓練コーディネーターの方のアドバイスを受けながら、以下のことを反映させるようにして作成しました。

(1)OJTとOff-JTには、技術知識と実践、安全管理に関する項目を設定する。

(2)Off-JTの実技では、先輩の社員が訓練の指導を担当し、より実践的な基礎技術を習得させる訓練とする。

(3)仕事の内容は、一般的には馴染みがなく、訓練生としては具体的なイメージができていないので、どのような仕事をするかについて理解させるために、OJTは、業務の全般を体験できるように計画する。ただし、訓練の期間中は、作業をする資格を取得していないために、伐採・除草の現場作業には従事させない。

(4)OJTでは、訓練の指導者の意識改革と成長も期待し、広島営業所の社員全員が分担する。

 訓練の期間中は、訓練生が「将来にわたって、この仕事をやっていけるかどうか」の判断ができるようにするとともに、当社としても、「本人に適性があるかどうか」を見極められるように、以下のことも取り入れて実施しました。
(1)Off-JT(実技)

・昇柱器(足に装着し、爪を木にたてながら登っていくもの)を使っての昇木訓練。

・高所作業での適性を判断するために、高所作業車を使っての高所体験訓練。

・チェンソーや刈払機による伐採・除草訓練(当社所有の農地山林で)。

(2)OJT(実習)

・1時間前後にわたって山道を登る伐採現場での体力が必要な伐採木の調査業務。

・伐採の承諾を得るためのお客様との交渉業務への同行。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

株式会社こうこく
配電線に接近する樹木の伐採作業(OJT)

 これまでは、技術社員は経験者を採用してきたために、新人の技術社員に対して仕事に必要な技能教育を実施する機会がありませんでした。
 このため、訓練コーディネーターの方との打ち合わせでは、他社の事例や必ず盛り込むべき訓練内容などについて指導してもらいました。加えて、当社のニーズに合った訓練カリキュラムをオーダーメイドで作成してもらいましたので、新人研修の教育訓練としての若者チャレンジ訓練を実施できたことは、大変うれしいことでした。
 訓練の実施に当たっては、雪などの天候による影響や新規の受注案件などにより、その都度、工程を調整しました。このため、3カ月間を通した訓練計画表の作成が困難でしたので、2週間ごとの訓練計画表を作成することとし、それぞれの科目の訓練の指導者を決め、広島営業所の全社員に周知したうえで実施しました。
 なお、OJTについては、危険が伴うために、法的な特別教育の受講などによって資格の取得が必要でしたので、訓練の期間内では実施しないで、本採用後の育成計画の中で実施することにしました。

4.制度の活用による具体的な効果

 ジョブ・カード制度を活用して新人の技術社員を本採用前に訓練できたことは、次のような効果があったと思います。

(1)仕事に対する適性があるかどうかをお互いに確認できる期間を設けたので、訓練の終了後に正社員として採用したきは、本人が迷うことなく入社できたこと。また、担当する仕事の概要をイメージできていたので、本採用後は、不安などが解消され、積極的な行動がとれたこと。

(2)山林調査本部での新人の技術社員の入社時の訓練カリキュラムの原型ができたこと。造園土木本部などの他の部署でも、参考にできたこと。

(3)訓練カリキュラムを明確にしたことにより、OJTの指導を担当した先輩社員の後輩の社員の育成に対する意識の向上につながったこと。

 今回、訓練コーディネーターの方から、ジョブ・カード制度の若者チャレンジ訓練を紹介してもらったことを機に、新人の技術社員の教育のために活用しました。訓練の実施に当たっては、訓練コーディネーターの方からの丁寧な指導のもとに、訓練カリキュラムを新たに作成してもらいましたので、当社の理想に近い送配電線路の保安管理業務の教育訓練体系ができたと思います。
 今後も、当社の将来に向けての体制強化のために、若年層の人材を確保し、育成していく必要がありますので、訓練内容のさらなる充実を図りながら、ジョブ・カード制度を活用していきたいと思っています。

【注】「電線路」とは、電線と支持物(碍子、電柱など)、付帯設備を含めた電力設備のことをいいます。

(平成26年8月現在)

若者チャレンジ訓練の概要

PDFダウンロード

有期実習型訓練の概要