企業から寄せられた声(文字情報)

ジィ・システム有限会社

会社概要

所在地: 広島市安佐南区
業種: 製造業
資本金: 1,000万円
従業員数: 12人

訓練概要

コース名: 機械加工オペレーター養成コース
職種: 施盤・フライス盤オペレーター
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成26年12月~27年5月
種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

Off-JTの実施風景
Off-JTの実施風景

 当社は、マツダ㈱の協力工場と針などの線材を加工する企業をお客様として、専用の加工工作機と組み立機、搬送装置、線材加工機、成形機などを主力に設計・製作し、販売しています。平成5年の創業から22年になり、現在では、年間70台程度を製作・販売しています。
 これまでは、部品のほとんどを外注に依存していましたが、内製比率を高めるために設備の増強を図り、社員数も増やしました。その結果、新入社員の教育の必要性に迫られ、教育体制をどのように構築するか迷っていたところ、当社を訪問した広島商工会議所の広島県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方からジョブ・カード制度の有期実習型訓練を紹介してもらいました。
 しかし、社員数が少ない当社では、主力となる社員は生産業務に追われていましたので、訓練の指導者を務めるための時間を捻出できるかどうかが大きな課題でした。しばらく悩んだ末に、訓練の指導者が生産業務に従事する時間を多少犠牲にしても、「キチンとした社員教育」の実施を優先させることにしました。

2.具体的な取組内容

 有期実習型訓練の訓練計画の作成に当たっては、まず、当社の機械加工技能者の職業能力の要件を洗い出し、整理することから始めました。次に、教育する項目は、①安全教育と②機械加工、③切削理論、④組立、⑤図面の読み方、⑥付帯業務、⑦その他に整理したうえ、汎用旋盤の技能者の育成を目標とした訓練カリキュラムを作成しました。
 訓練の期間は6カ月間とし、OJTは310時間、Off-JTが115時間の合計425時間としました。
 パート社員として勤務していた経験の乏しい訓練生には、土台となるOff-JTの時間をしっかりとって基礎知識を習得させたいと思っていたのですが、前述したように、訓練の指導者の時間が取れないために、ポリテクセンターの教科を組み入れることを検討しましたが、丁度よい講座は終了していましたので、残念ながら利用できませんでした。
 折よく、制度普及推進員の方から、広島県職業能力開発協会の「ものづくりマイスター制度」を紹介されましたので、同協会と協議した結果、マイスターの派遣による実技指導をOff-JTに組み込むことができました。これによって、訓練の指導者を務めた先輩社員は、Off-JTの2割程度を担当すればよくなりましたので、負担の軽減につながりました。
 このマイスターによる実技指導の概略は、以下のとおりです
(1)訓練時間
   60時間/20日間
(2)目 標
   国家技能検定・普通旋盤2級の合格レベル
(3)内 容
   機械加工での安全ルールから試験作品仕上げまで
(4)教材費
   無 料

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社では、制度普及推進員の方の指導を受けて数年前に助成金制度を活用した経験がありましたので、申請書類の作成に関しては、そのときと比べると容易にできました。
 最も苦労したことは、Off-JTの指導者の選定でした。小さな規模の企業ですので、社員はそれぞれが時間一杯、生産業務に携わっています。このため、「プロ中のプロ」であるマイスターの派遣を受け入れられたことは幸いでした。
 指導を受ける訓練生は1人でしたが、せっかくの機会ですので、Off-JTに組み込んだマイスターの派遣による実技指導には、2人の正社員も受講させました。
 3人とも、生産業務に従事していましたので、従事できないときは、他の社員がカバーするように指導しました。訓練で使用する機械は、通常は機械加工で使っています。このため、常時、普通旋盤を確保できませんでしたので、マイスターの方には、指導内容によってはフライス盤を使用して実技指導をしてもらいました。
 

4.制度の活用による具体的な効果

OJTの実施風景
Off-JTでマイスターの実技指導を受ける訓練生(右)

 普通旋盤2級の資格の取得が目的ではありませんでしたので、資格につながってはいませんが、加工することの基本を知ったことは、訓練生にとって最もためになったと思います。
 社内での勉強会や指導などでは、生産業務に直結したことを優先してきましたので、初級者を指導するための時間は、なかなか取れませんでした。このような状況のもと、「職業能力の洗い出し」から「訓練の内容」「訓練の実施場所」「訓練の指導者」について検討を重ねたことは、今後の社員教育の計画立案にずいぶんと役立ちました。
 基本を知り、加工業務に対処することは、安全とコストにも影響しますので、将来を考えたときは、大きな財産になったと思います。また、マイスターの実技指導を受けている現場を他の正社員が見て、「自分たちも、このような実技指導を受けたい」と、強い学習意欲をみせているのは、経営者として心強く思ったことでした。さらに、マイスターの方が記載した訓練日誌は、本当に几帳面に報告されていましたので、訓練の内容が手に取るように理解できました。
 
 〈事務局後記〉
 今回、広島県職業能力開発協会の「ものづくりマイスター制度」を訓練カリキュラムに初めて組み入れました。同協会のコーディネーターとマイスターのお二人には、①訓練カリキュラムの作成と②訓練計画表の作成、③訓練用の材料の手配までの全てを準備してもらいました。
 有期実習型訓練の実施に当たっては、訓練生のみならず、他の正社員にも非常によい刺激を与えてもらいましたので、今回の有期実習型訓練がさらに実のあるものになったことに感謝しています。  

(平成27年6月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要