企業から寄せられた声(文字情報)

社会福祉法人 やまびこ会 Doやまびこ

会社概要

所在地: 香川県高松市
業種: 医療・福祉
資本金: なし
従業員数: 31人

訓練概要

コース名: 障害者生活・就業支援員養成コース
職種: 障害者就労支援員、生活介護支援員
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成26年10月~27年2月
種別: 有期実習型訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

香川県高松市にある施設の外観
香川県高松市にある施設の外観

 当会は、平成17年7月に開設し、今年で10年目を迎えました。法人名の「やまびこ会」とは、“呼びかければ、相手から返事があり、それがお互いに繰り返され、交流・支援の輪が広がり、深まる”ことをモットーとして名付けました。
 当会の事業は、「地域で働き、地域で暮らす」という理念のもと、仕事を通じて自立支援することであり、障害者が安定、安心した暮らしができるようにすることを使命としています。現在の職員数は31人で、業務としては、生活介護支援と就労支援の2つの部門があります。
 このうち、生活介護支援部門では、軽作業とクリーン事業としての洗車、クリーニングの取り次ぎ、農作業などの仕事を通じての支援、日常の食事や整容(姿、かたちを整えること)、更衣などの介助から体力維持、コミュニケーション余暇活動などの支援を行っています。
 一方、就労支援部門では、さぬきうどんの製造やうどん店での調理、接客販売、デリバリーランチ、おにぎり、菓子、アイスクリームの製造販売を通じて、職業能力の習得と向上を目指して指導にあたっています。
 このような状況のもと、前任の障害者生活・就業支援員が退職したために、急遽、職員を募集しました。その結果、契約社員として採用した方は、これまでに経験したことのない業務に就くために、人材育成についての時間と費用の問題から、当会としては、戸惑いがありました。

2.具体的な取組内容

Off-JTの実施風景(左側が訓練生)
Off-JTの実施風景(左側が訓練生)

 そのようなときに、当会の関係先からジョブ・カード制度について紹介され、早速、高松商工会議所の香川県地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方の訪問を受けました。
 この制度普及推進員の方からは、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の仕組みをはじめ、訓練カリキュラムの作成方法や訓練の終了後に国から支給されるキャリアアップ助成金(人材育成コース、正規雇用等転換コース)の申請手続きなどについての詳細な説明を受けましたので、検討したところ、前述の契約社員を訓練生として、当会でも活用できると確信し、実施することにしました。
 当会では、有期実習型訓練を実施するのは初めての経験でしたので、不安がありましたが、制度普及推進員の方の懇切丁寧な支援を受けましたので、安心して取り組むことができました。特に、有期実習型訓練に対する取り組み方についての具体的なアドバイスは、非常に役立ちました。
 訓練カリキュラムについては、障害者生活・就業支援業務の基礎から実務までを一貫した内容にするために、訓練の指導者となったメンバー(5人の先輩職員)が中心となって幾度も検討を重ねながら、510時間(4カ月間)の内容のものを作成しました。
 従来、新入職員に対する教育では、当会の理念と就業規則などの一般的な説明の後に、OJTを主体とした訓練を実施してきました。今回の訓練カリキュラムに盛り込むOff-JTの項目をつくるに当たっては、これまでの教育訓練の内容が不足していた項目があったことに気づきました。また、訓練を指導した職員にとっても、初心に返って見つめ直すよい機会となりましたので、業務に対する理解が一層深まりました。これは、有期実習型訓練を実施したときに得られたメリットであったと思います。加えて、今後の新入職員を教育訓練するためのカリキュラムを作成できましたので、当会にとっては大きな収穫でした。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

OJTの実施風景(左側が訓練生)
OJTの実施風景(左側が訓練生)

 有期実習型訓練は、訓練の指導者にとっては自分自身の実務を担当しながらの訓練であり、当会を利用されている方々の体調の急変や当施設利用スケジュールの変更など突発的な事態などがありましたので、なかなか計画どおりに進めることができないことを経験しました。
 このうち、Off-JT(52時間)は、業務の基本的な知識や技能を習得するための時間と捉え、優先して割り当てました。特に、幅広く知識を習得してもらうために、外部講習(障害児支援集中研修)も組み入れて実施しました。また、学習時間を確保するために、事業所内の月間予定表に訓練のスケジュールを書き込んだことなどによって全ての職員に理解を深めてもらいましたので、組織的な支援体制をつくることができました。
 また、生活支援業務と生産活動業務を内容とした458時間のOJTに関しては、できるだけ万遍なく実施し、体験してもらうことによって、障害者生活・就労支援業務についての全体の理解が深まるように工夫をしながら、日々の業務の中でできることから訓練内容を割り当てました。
 訓練の内容を記録することについては、施設を利用される方々への対応記録、申し送り事項などを日々、日常業務の一環として記録していましたので、OJT訓練記録(訓練日誌)への記入に対する抵抗感は少なかったように見受けられました。
   

4.制度の活用による具体的な効果

 訓練計画に基づいて、訓練の指導者が業務の内容を段階的に指導したことによって、訓練生は、業務について体系立てて理解できるようになりました。
 今回の有期実習型訓練を実施したことにより、訓練の指導者、訓練生の双方ともに職務内容を確認できたうえ、訓練生の適性も見極めることができました。結果的に、訓練生は、当会の業務を十分に理解しましたので、訓練の終了後には、正職員としての雇用継続に繋がりました。
 訓練生がその後も自信を持って日々の業務に従事している姿を見ると、有期実習型訓練を実施して本当によかったと思います。訓練生本人からは、「支援員全体の底上げを図れるように、縁の下の力持ちとして頑張りたい」旨の力強い前向きな発言がありましたので、今後の業務遂行を大いに期待しています。
 有期実習型訓練は、該当分野で未経験の職員を新規に採用した場合、その職員を早く効率的に戦力化するためには、とても有益な制度であると実感できました。加えて、訓練の終了後に、国から人材育成のための助成金を受給できたということも大きなインセンティブになりました。
 

(平成27年9月現在)

有期実習型訓練の概要

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若者チャレンジ訓練の概要