企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社ファイトロニクス

会社概要

所在地: 香川県高松市
業種: 製造業
資本金: 1,000万円
従業員数: 29人
URL: http://www.phytronix.co.jp/

訓練概要

コース名: 電子回路組立・設計要員育成コース
職種: 電子回路組立・設計
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成25年6月~26年1月
種別: 若者チャレンジ訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

香川県高松市にある高松工場の外観
香川県高松市にある高松工場の外観

 当社は、平成3年11月に現在の社長の古沢延之が個人事業として創業し、平成16年12月に法人に改組して、今年で24年目を迎えました。社名の「ファイトロニクス(Phytronix)」は、Phyt-(植物性由来の炭素分子、有機物質、バイオ)とElectronics(電子工学)を合成してPhytronix(造語)と名付けました。
 当社の事業は、工場用・医療用機器の電子基板(機械、機器の頭脳部)の基板回路や制御用ソフトウェアの企画、設計、開発、製造です。本社のほか、2つの工場を持ち、高松工場では機械生産、三豊工場(香川県三豊市)では手作業による生産を行っています。
 また、お客様の製品に関するコンセプトや希望される仕様などに基づいて製品開発する受託開発、提示された仕様に基づいて生産する受託生産(EMS)があります。当社の自主開発商品としては、例えば、緊急時や工事現場などのあらゆる場面に対応できるうえ、持ち運びが簡単で、軽量・屈曲自在の可搬式LED表示シート(商品名:PHYSIGN)があります。

可搬式LED表示シート(ファイサイン)
可搬式LED表示シート(ファイサイン)

当社製品の電子基板
当社製品の電子基板


 取引先の企業からは、現状から一歩先を見据えた製品が常に要望されていますので、それに応えるための研究開発を行っています。
 社員の採用に関しては、当社では幸いにも、これまでは電子分野の学校の卒業生や経験者を雇用できていましたので、職業訓練を意識する必要性はありませんでした。今回、新たに採用することになった人は、電子製品の関係分野に関する知識や経験がなかったために、当社としては、どのようにして育成したらよいものか、困っていたところでした。

2.具体的な取組内容

OJTの実施風景
OJTの実施風景

 そのようなとき、高松商工会議所の会報誌に掲載されていた人材育成助成制度の記事を思い出し、同商工会議所の香川県地域ジョブ・カードセンターに電話で問い合わせたうえ、早速、香川県地域ジョブ・カードセンターを訪問しました。そこの制度普及推進の方からは、ジョブ・カード制度の若者チャレンジ訓練の仕組みをはじめ、訓練カリキュラムの作成方法、訓練の終了後に国から支給される若者チャレンジ奨励金、各種の申請手続きなどについての詳細な説明を受けました。その説明を聞くと、契約社員として採用した前述の方は若者チャレンジ訓練の訓練生の要件を満たしていましたので、この制度を活用することにしました。
 当社では、国の制度に基づく事業内職業訓練を実施するのは初めての経験でしたので、計画作成の段階から不安でしたが、制度普及推進員の方の支援を受けられましたので、安心して取り組むことができました。特に、訓練カリキュラムの作成や評価項目の選定、訓練の時間配分、記録の取り方についてのアドバイスなどは、非常に役立ちました。
 訓練カリキュラムの内容については、訓練の指導者(3人の先輩社員)と何度も検討を重ねながら、電子回路の考え方や電子回路(CAD)、プログラマブルゲートアレイであるFPGA回路を訓練生が取り扱えるようになることを念頭に置いて、訓練期間は7カ月間(総訓練時間数:989時間)としました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

Off-JTの実施風景
Off-JTの実施風景

 若者チャレンジ訓練は、実務をしながらの訓練のため、計画どおりに進まないことが多々ありましたが、3人の訓練の指導者が互いに補いながら取り組みましたので、何とか解決できました。
 Off-JT(100時間)は、予め時間を割くことを計画段階で考慮しました。しかし、実際には、緊急の割り込みの作業が入ったりしましたので、計画どおりに進めることが困難でしたが、何とか時間を捻出しながら、Off-JTに充てました。また、889時間のOJTに関しては、その時点での受注による製造、検査に携わる時間を利用し、訓練の指導者の監督のもとで実際の作業で経験を積み重ねながら、教科の内容を確認させて実施しました。さらに、理解度を深めるためにマイコン・トレーニングキットによる訓練も行いました。
 また、OJT訓練記録(訓練日誌)を訓練の指導者がチェックし、理解度の確認と指導方法の見直しを随時行いましたので、訓練の効果が上がったと確信しています。
 

4.制度の活用による具体的な効果

 訓練の指導者が訓練計画に基づいて業務の内容を段階的に指導したことによって、訓練生は業務について体系立てて理解できるようになりました。また、OJT訓練記録は、日々の理解度を確認するために役立ちました。特に、理解が不十分な箇所については、随時、訓練生と意見交換することによって、訓練生の理解度を推し量る重要なツールとなり、有効に活用できました。この制度を活用しなければ、その時点、時点での業務にOJTだけで指導していましたので、訓練生のレベルアップには、もっと長い時間がかかったとのではないかと思います。
 今回の若者チャレンジ訓練を実施したことにより、会社側、訓練生の双方ともに職務の内容を確認できたうえ、訓練生の適性を見極められましたので、雇用のミスマッチを防ぐことができたと思います。また、経験のない新入社員を系統的に育てるための社内教育プログラムができたと思います。
 こうしたことから、若者チャレンジ訓練は、新規に採用した非正規の労働者を早く効果的に戦力化するためには、とても有効な制度であったと実感できました。
 この若者チャレンジ訓練を実施したお蔭で、会社側として新たに迎え入れた社員に事業参加への門戸を拡げることができ、正社員として必要な知識やスキルを身に付けさせることができましたので、無事、当社にソフトランディングを果たせたと思います。これからの成長が楽しみです。
 

(平成27年9月現在)

若者チャレンジ訓練の概要

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若者チャレンジ訓練の概要