企業から寄せられた声(文字情報)

三和ロボティクス株式会社

会社概要

所在地: 長野県飯田市
業種: 製造業
資本金: 3,000万円
従業員数: 67人
URL: http://www.sanwa-robotics.co.jp

訓練概要

コース名: 高度機械加工技能者養成コース
職種: 機械加工技術者
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成26年2月~27年2月
種別: 若者チャレンジ訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

OJTの実施風景
OJTの実施風景

 当社の社名にある「三和」とは、「心(将来思想)」と「技(技術力)」「体(企業体力)」の三位一体の調和を常に維持したいと願って名付けたものです。
 創業は昭和39年1月で、地域の有力親会社のご愛顧のご縁をいただき、下請けの精密機械工場として産声を上げました。それ以来、精密切削加工にひたすら軸足を置いて事業を推進してきました。時代の変遷もあり、アッセンブリ業務を加え、設計の陣容を整えて、自立化の方向を探りながら現在に至っています。
 当社の部署を大別すると、精密機械加工事業部とその経験をベースとしたロボテク事業部の2つがあり、システム・インテグレートによる少量ロット精密加工量産システムの事業の構築に向かって邁進しています。それは、次世代の機械加工工場の先陣を斬る想いで、生産性の向上こそ、製造工場の生き残りの運営策であると考えているからです。
 このため、加工技術力を極めた技術者の養成に腐心しながら、社員を採用してきました。しかしながら、高度加工技術になかなかついていけない人が多く、初歩的な技能の修得段階で脱落していく人に悩まされていました。
 こうした状況のもと、飯田商工会議所に設置されている長野県地域ジョブ.カードサポートセンターの主催によるジョブ・カード制度の若者チャレンジ訓練についての説明会(平成25年度末に開催)に参加しました。
 当初は、若者チャレンジ訓練の実施にハードルの高さを感じましたが、当社での一級技能士の取得を20数年来にわたって奨励し、実践してきた経緯がありましたので、訓練生を指導する人的体制さえ整えれば、当社のような中小企業にとっても、「実践型技能教育奨励刺激策はない」と判断し、実施することにしました。
 実施に当たっては、長野県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方からのアドバイスを得ながら、訓練カリキュラムと評価シートなどを含めた訓練実施計画届を作成し、平成26年の初頭に長野労働局長の確認を得ました。
 

2.具体的な取組内容

Off-JTの実施風景
Off-JTの実施風景

 当社での人材育成の狙いは、国家検定の機械技能士の養成と訓練生の就労定着です。本来であれは、一年間で身に付けられるものではありませんが、経験を積み重ねることにより、各人のセンスによって磨かれ方に違いがあります。
 このようなことから、若者チャレンジ訓練の講座は、機械加工の未経験者にとって基礎技術を体系的に学べる内容とするため、1年間(合計:1,920時間)の訓練カリキュラムを設定し、実践しました。

 (1)OJT(合計1,719時間)
  1)汎用旋盤加工作業(10時間)
  2)汎用フライス盤加工作業(8時間)
  3)NC旋盤加工作業(600時間)
  4)マシニングセンター加工作業(1,070時間)
  5)検査作業(検査作業 31時間)
 (2)Off-JT(201時間)
   ○学 科
   1)オリエンテーション(10時間)
   2)機械要素(9時間)
   3)機械材料(10時間)
   4)材料力学(2時間)
   5)機械製図(4時間)
   6)潤滑(2時間)
   7)機械工作法(10時間)
   8)電気(2時間)
   9)油圧.空気圧(2時間)
   10)工作機械以外の工作法(4時間)
   11)仕上げ.組立て作業(2時間)
   12)工作測定(4時間)
   13)品質管理(4時間)
   14)安全衛生(4時間)
   ○実 技
   1)旋盤基礎実習(4時間)
   2)ボール盤作業実習(2時間)
   3)フライス盤基礎実習(4時間)
   4)旋盤.フライス盤以外の機械加工実習(6時間)
   5)NC旋盤基礎実習(40時間)
   6)マシニングセンター基礎実習(40時間)
   7)CAD/CAM(30時間)
   8)工作測定(6時間)

社内3カ所に掲示したポスター
 社内3カ所に掲示したポスター

 2人の訓練生は、ハローワークで募集し、若者チャレンジ訓練を開始しました。開始に当たっては、社内全体で訓練を実施することを周知するため、訓練期間と訓練の内容、講師名などを記載した掲示ポスターを社内3カ所に貼り出し、講座の開始を社内全体にPRしました。
 訓練生はともかく、他の社員にも理解させるため、講座の内容によっては、希望者を募って参加させました。また、生産管理を担当している女性社員にも、Off-JTで勉強させましたので、役立ったと思っています。
 

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

OJTの実施風景
 OJTの実施風景

 訓練生のスキルアップを図るためには、全ての社員が知っている教育制度としたうえ、訓練生にとっては意識の高揚が大事ですので、現場の製造責任者との協力関係が必要です。特に、予定していた訓練時間を確保するための苦労は、並大抵ではありませんでした。しかし、大きな混乱もなく進められたのは、訓練の指導者のもと、現場の製造責任者との連携があったからです。
 今回の若者チャレンジ訓練による人材育成を通し、社内で以前から運営しているISOのマニュアル「教育マニュアル」の内容を充実させる必要性を改めて痛感しています。
 その対策としては、「教育の充実=会社の技術社員層を如何に厚くしていくか」ということです。ISOの内部監査で洗い出すPDCAによるスパイラルアップの過程を踏みながら、社内の教育体系の充実へと持っていきたいと考えています。教育体系を浸透させるために社内の風土を醸成するには、ソフト・インフラの整備が必要だと思います。このため、教育の阻害要因とならないように、全ての社員のモチベーションを向上させていきたいと考えています。
 

4.制度の活用による具体的な効果

 機械加工の全くの未経験者の場合は、採用する側にとっては「その能力が適性であるか?」「定着するか?」と、常に不安がつきまといます。今回の若者チャレンジ訓練の成果は、2人の訓練生とも、未経験ながら、職業能力を評価すると、機械加工技能者検定2級と同等レベルに達していたと思います。現在は、正社員として定着しています。
 有効求人倍率が今後も上昇を描き、生産年齢人口の高齢化が進む中で、未就労の若者を基礎教育できる会社を目指す当社として、ジョブ・カード制度は、働き甲斐のある職場の構築に不可欠な新人教育の支援策だと思っています。

(平成27年10月現在)

若者チャレンジ訓練の概要

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若者チャレンジ訓練の概要