企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社オンダ製作所

会社概要

所在地: 岐阜県関市
業種: 製造業
資本金: 9,000万円
従業員数: 494人
URL: http://www.onda.co.jp/company/index.html

訓練概要

コース名: 配管技能士養成コース
職種: 製品開発
訓練生数: 8人(新入社員)
期間: 平成27年4月〜9月
種別: 実践型人材養成システム

1.制度の活用に取り組んだ目的

岐阜県関市にある本社ビル
岐阜県関市にある本社ビル

 当社は昭和38年11月に創業し、給水・給湯をはじめ、石油、ガス、エアー、地中熱、太陽光などのエネルギー分野の全般にわたる地球環境を保全することを基本理念としている配管資材の総合メーカーです。
 主に住宅関連部材(給水・給湯、灯油、ガスなどのバルブ、管継手、樹脂パイプ、継手)の設計、開発、製造、販売を行っており、創業以来、製品の有劣を左右する黄鋼棒の生産に始まり、ボディの鍛造、各部品の切削加工、ボール(ボールバルブの心臓部となる部品)の加工までの全てを社内で開発、生産しています。
 現在までに約1万点におよぶ製品を世に送り出すことができたのは、当社の技術力が確かなものだというお客様からの信頼の証だといえます。加えて、製品をつくり出す原動力は人ですので、「企業は人なり」という信念を掲げて人材育成に力を注いできており、柔軟な発想が生まれる環境づくりも大切にしています。
 こうした人材育成についての考え方をもとにして、美濃加茂市にある岐阜県立国際たくみアカデミーの職業能力開発校の設備システム科の協力を得ながら、平成15年4月から毎年、新入社員を対象とした6カ月間の配管技能士研修を自費で実施してきました。
 この研修の目的は、お客様の目線に立って、よりよい製品の開発者を育てることです。これは、新入社員自らが配管技能士の業務を経験することによって、製品と工具などの特性、作業環境を知ることが肝要だという考えに基づいて、研修にかかるコストを当社が負担して実施してきているものです。
 そのようなときに、上記の設備システム科の指導員の方から、ジョブ・カード制度を活用して人材育成に取り組む企業を支援しているという岐阜県地域ジョブ・カードセンター(美濃加茂商工会議所に設置)を紹介してもらいました。早速、電話で連絡したところ、そこの制度普及推進員の方に当社まで来てもらい、新入社員を対象としたジョブ・カード制度の実践型人材養成システムの仕組みと実施するための手続き、訓練の終了後に国から支給される助成金などについての説明をしてもらいました。
 その後、社内で検討したところ、訓練に取り組むのは初めての経験でしたが、これまで実施してきた新入社員研修の経験を活かせば当社でも活用できることに加え、国から支給される助成金によって訓練にかかるコスト負担を軽減できると思いましたので、実施することにしました。

2.具体的な取組内容

 訓練生は8人と多かったので、訓練の指導者は、製品開発部の6つの部門のそれぞれの部門長が務め、6カ月間の実践型人材養成システムを実施しました。
 Off-JT(座学等)とOJT(実習)を組み合わせた訓練カリキュラムは、配管技能の現場実習と生産管理、機械設計の3つの業務を学ばせるために、制度普及推進員の方のアドバイスを参考にしながら、訓練の指導者が作成しました。
 このうち、600時間のOJT(実習)では、配管技能と配管部材設計の2科目を訓練カリキュラムに盛り込みました。このように、当社の実務を遂行できるようにするため、実践的な内容となるように工夫しました。
 また、150時間のOff-JT(座学等)では、岐阜県立国際たくみアカデミーの協力のもと、学科としての配管技能・機械製図CAD作業と品質管理、知的財産、生産管理、実技としての配管技能を訓練カリキュラムに取り入れました。
 工業系の大卒などの8人の訓練生は、配管技能・機械製図CAD作業についての知識を有していましたが、実務経験が乏しかったことから、岐阜県立国際たくみアカデミーで受講した実践的な研修は、彼らにとって理論と実践をリンクさせる、とても有意義な内容となったようです。また、品質管理と知的財産、生産管理に関しては、業界の専門家による実践的な知識と技能についてじっくりと学ばせましたので、効果的だったと思います。
 実践型人材養成システムは、6カ月間という長期にわたりましたので、新入社員として職場に慣れない訓練生にとっては、大変だったと思います。しかし、外部の教育機関での優れた講師陣から熱心な指導を受けたことは、貴重な経験となったようですので、今後の業務に良い影響を与えるものと期待しています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 OJTの実施風景
OJTの実施風景

  • (1)6カ月間にわたる長期の実践型人材養成システムを初めて実施するに当たっては、従来から社内で実施してきた既存の新入社員研修と同じようにできるか心配でした。このため、総務部門や製造部門と予め打ち合わせを行い、スケジュール調整しながら実施しました。
     また、外部の教育機関を活用するときの訓練カリキュラムの計画を立案する段階では、ジョブ・カード制度の趣旨に沿った事務的な手続きの進め方には不慣れでしたので、最初は戸惑いがありました。このため、制度普及推進員の方と緊密に連絡をとり合ったうえ、複数ある外部の教育機関の中で中心的な役割を果たす岐阜県立国際たくみアカデミーの指導員の方を交えて内容を確認しながら実施するようにしました。
     制度普及推進員と指導員の2人の方からは、電話やメールなどで適宜、アドバイスをしてもらったり、訓練生の様子などを報告してもらうなど、きめ細かなサポートを得られましたので、安心して訓練に取り組むことができました。
  •  

4.制度の活用による具体的な効果

Off-JTの実技の実施風景
Off-JTの実技の実施風景

 今回の実践型人材養成システムを実施した感想は、以下のとおりです。  
  • (1)8人の訓練生は、当社の開発部の社員でしたので、「良い製品をつくるためには、現場を理解することが必要である」という当社の方針に従って訓練を実施しました。
     訓練生にとっては、「どのような環境でも、できるだけ簡単、かつ確実に施工できる製品づくりが不可欠」という、お客様の視点に立った意識づけや、製品と工具の特性、使い方などを理解できるなど、とても気づきの多い訓練となりましたので、高い満足度が得られました。
  • (2)実践型人材養成システムの実施をきっかけとして、岐阜県立国際たくみアカデミーの指導員をはじめ、熟達した講師陣のお蔭により、従来から独自に実施してきた新入社員研修を充実させることができましたので、より質の高い教育研修の機会を提供することができました。
  • (3)訓練生にとっては、自社製品の長所や短所をよく理解できたようです。当社の製品は、主に設備会社の施工業者が使用するものですので、施工現場によっては、施工業者が床下などの劣悪な環境のもとで作業に取り組んでいるということも理解させることができました。
     また、どのような施工現場でも、施工業者が安全、かつ確実に作業できるような製品づくりを目指していかなければならないといことを経験したことによって良い気づきも得られました。
  • (4)訓練の終了後に国から支給された助成金によって人材育成に必要なコスト負担を軽減できたことは、メリットの1つといえます。しかしながら、新入社員に必要な教育の機会を提供し、職業人としての意識づけやスキルアップができたことの方が、何ものにも代えがたい大きなメリットだったと思います。
     これからも、新入社員を雇用するときは、岐阜県地域ジョブ・カードセンターや岐阜県立国際たくみアカデミーなどの理解と協力を得ながら、ジョブ・カード制度を積極的に活用していきたいと考えています。
 

5.訓練生の今後

 8人の訓練生は、今回の実践型人材養成システムを通じて学んだ知識と技能を基にして、お客様の目線に立った製品を開発できる社員になるように、少しずつですが、成長し始めています。今後は、お客様から信頼され、支持してもらえる製品の開発者となり、当社の基幹製品を開発できる中核人材を目指してほしいと思います。また、将来は優秀な部下を育成できる幹部社員になるように、大きく成長してほしいと心から願っています。
 

(平成28年1月現在)

実践型人材養成システムの概要

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実践型人材養成システムの概要