企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社コーポレーション金子

会社概要

所在地: 岐阜県関市
業種: 製造業
資本金: 1,000万円
従業員数: 40人
URL: http://www.corporation-kaneko.com

訓練概要

コース名: 中核製造者養成コース
職種: 製品製造
訓練生数: 1人(新入社員)
期間: 平成27年3月~9月
種別: 実践型人材養成システム
※これまでに2回実施。現在、3回目を実施中。

1.制度の活用に取り組んだ目的

岐阜県関市にある本社ビル
岐阜県関市にある本社ビル

 当社は、「金子プレス」という名称で、昭和46年4月に個人企業として創業しました。以来、刃物のプレス加工を中心に事業を展開し、次第に自転車や自動車の部品加工を中心としたプレスをはじめ、トランスファーといった工場内の自動化(オートメーション)に対応する設備を増強し、平成2年6月に「有限会社金子金属興業所」に組織変更しました。
 その後、溶接などの金属板金や製品の塗装、組付、梱包、完成品の加工までに取扱範囲を広げながら、業務を拡大してきました。平成18年8月には会社名を現在の「株式会社コーポレーション金子」に改めるとともに、資本金を増資しました。さらに、同年には、照明部門を中心とした協力企業として、「有限会社金子金属興業所」を新たに設立し、現在の体制の基礎を構築しました。現在では、3つの工場を設置して生産体制を増強し、薬品庫、陳列棚、スチール什器(シューズボックス、整理戸棚)、精密部品、専用パレットなどの金属、ステンレス、アルミ、プレス、板金加工の事業を展開しています。
 当社の経営理念としては「打つ手は無限」ということを掲げており、経営者をはじめ、全ての社員がお客様からのいろいろなニーズに応えられるように日々、努力を重ねながら、文字どおり、考えられるあらゆる方策(手)を講じてサービスの向上に努めています。
 また、当社では、社員という「人材」を「人財」として大切にしています。特に、創業以来、様々な年齢層の社員に加え、外国人研修制度を活用して多様な人材が働いている職場ということもあり、折に触れて全ての社員が安心して働ける職場づくりに努めてきました。
 しかしながら、創業者が独学に近い形で技能・技術を習得してきたという経緯がありましたので、人材の育成については、残念ながら、体系的な仕組みを構築できていませんでした。
 そのように考えていたときに、地元の関商工会議所の職員の方からの紹介によって、岐阜県地域ジョブ・カードセンター(美濃加茂商工会議所に設置)の制度普及推進員の方が来社し、ジョブ・カード制度についての説明を受けました。
 その説明では、非正規社員を対象とした職業訓練を実施して正社員化を図る「有期実習型訓練」と、主に新規学卒者を対象に将来の中核的な人材を育成することを目的とした「実践型人材養成システム(認定実習併用職業訓練)」の2つの制度を紹介してもらいました。
 前述したとおり、当社では、「人材」は「人財」と考えていましたので、採用に当たっては、最初から正社員として雇用するという考えを持っていました。このため、当社にとっては、実践型人材養成システムの方がなじみやすいと判断し、その仕組みと実施するための手続き、訓練の終了後に国から支給される助成金などについての説明をしてもらいました。
 その後、地元の高校からの新規学卒者の当社での採用計画が具体化しましたので、制度普及推進員の方に連絡し、実践型人材養成システムを実施して体系的な教育制度を構築しようということになりました。

2.具体的な取組内容

 金属加工と基本的な事務の2つの業務を学ばせるために、OJT(実習)とOff-JT(座学等)を効果的に組み合わせた6カ月間の訓練カリキュラムは、制度普及推進員の方のアドバイスを参考にしながら、訓練の担当者が作成しました。
 このうち、350時間のOJT(実習)では、金属加工の実習を訓練カリキュラムに盛り込み、NC操作や各種溶接に関する実践的な内容にとりまとめました。
 また、95時間のOff-JT(座学等)では、地元の自動車学校の講座をメインにして、ベンダー溶接とスポット溶接、クレーンの運転などを訓練カリキュラムに取り入れました。
 訓練生は1人で、6カ月間という長期にわたる訓練でしたので、新入社員として職場に慣れない訓練生にとっては、大変だったと思います。しかし、外部の教育訓練機関での教育の機会を与えたことによって、本人にとっては、視野を広げる貴重な経験になったようですので、今後の業務に良い影響を与えるものと期待しています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

OJTの実施風景
OJTの実施風景

  • (1)実践型人材養成システムは、社内講師でもOff-JT(座学等)を実施できる有期実習型訓練とは異なっており、Off-JT(座学等)を外部の教育訓練機関で編成する必要がありましたので、適切な訓練カリキュラムや教育訓練機関を検索することに苦労しました。
     このため、制度普及推進員の方に相談したところ、教育訓練機関や訓練をコーディネートしてもらいましたので、当社が考えていたような訓練カリキュラムに編成することができました。
     このうち、Off-JT(座学等)には、関商工会議所が毎年春に実施している新入社員研修を訓練カリキュラムに取り入れることによって、訓練生の職業観を醸成するように工夫しました。
  • (2)訓練が終了した後の助成金の支給申請に当たっては、制度の趣旨に沿った事務的な手続きの進め方には不慣れであったことに加え、些細な内容については不明な点が多かったために、その都度、制度普及推進員の方に電話などで問い合わせして、疑問を1つひとつ解消しながら申請書類を作成するように努めました。
     最初は戸惑いがありましたが、制度普及推進員の方と緊密に連絡をとり合ったことによって、次第に慣れていき、支給申請の手続きを無事に終了することができました。

4.制度の活用による具体的な効果

これまでの訓練生
これまでの訓練生

 当社では、これまでに実践型人材養成システムを2回実施し、現在も、3回目を実施しています。今回の実践型人材養成システムを実施した感想は、以下のとおりです。
  • (1)訓練生は、当社の製造部の社員でしたので、「良い製品をつくるためには、現場を知り、材料の性質を理解することが必要である」という当社の方針に従って訓練を実施しました。
     訓練生にとっては、「どのような環境でも、できるだけ簡単、かつ、確実に施工できる製品づくりが不可欠」という、お客様の視点に立った意識づけや、製品と工具の特性、使い方などを理解できるなど、とても気づきの多い訓練となりましたので、高い満足度が得られました。
  • (2)実践型人材養成システムの実施をきっかけとして、岐阜県立国際たくみアカデミー(職業能力開発校)の指導員をはじめ、熟達した講師陣のお蔭により、従来から独自に実施してきた新入社員研修を充実させることができましたので、訓練生に対し、より質の高い教育研修の機会を提供することができました。
  • (3)訓練生にとっては、自社製品の長所や短所をよく理解できたようです。当社の製品は、主に設備会社の施工業者が使用するものですので、施工現場によっては、施工業者が床下などの劣悪な環境のもとで作業に取り組んでいるということも理解させることができました。
     また、どのような施工現場でも、施工業者が安全、かつ、確実に作業できるような製品づくりを目指していかなければならないということを経験したことによって、良い気づきも得られました。
  • (4)訓練の終了後に国から支給された助成金によって人材育成に必要なコスト負担を軽減できたことは、メリットの1つといえます。しかしながら、新入社員に必要な教育の機会を提供し、職業人としての意識づけやスキルアップができたことの方が、何ものにも代えがたい大きなメリットだったと思います。
     これからも、新入社員を雇用するときは、岐阜県地域ジョブ・カードセンターや岐阜県立国際たくみアカデミーなどの理解と協力を得ながら、ジョブ・カード制度を積極的に活用していきたいと考えています。

5.訓練生の今後

 訓練生は、今回の実践型人材養成システムを通じて学んだ知識と技能を基にして、お客様の目線に立ったものづくりができる社員になるように、少しずつですが、成長し始めています。
 今後は、お客様から信頼され、支持してもらえるものづくりのスタッフとなり、当社の基幹製品を製造できる金属加工のプロフェッショナルを目指してほしいと思います。また、将来は、優秀な部下を育成できる幹部社員になるように、大きく成長してほしいと心から願っています。    

(平成28年6月現在)

実践型人材養成システムの概要

PDFダウンロード

実践型人材養成システムの概要