企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社AIコンツェルン

会社概要

所在地: 埼玉県八潮市
業種: 運輸業
資本金: 300万円
従業員数: 20人

訓練概要

コース名: ロジスティクス分野スキルとビジネススキルのキャリアアップコース
職種: 営業管理従事者
訓練生数: 3人(終了後に全員を正社員採用)
期間: 平成27年7月~28年1月
種別: 有期実習型訓練(キャリアアップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

事務所内の風景
事務所内の風景

 当社は、平成21年4月に創業した物流会社です。「物流は、人と人をつなぐこと」を企業理念の第一に掲げ、現在に至っています。この先、どのような技術革新が起ころうとも、この理念だけは、決して変わることはありません。
 現在、物流業界は、大きな変化をたどっており、多くの物流会社ではドライバー不足や倉庫の拠点戦略の簡素化など、厳しい環境に置かれています。このような環境にあっても、当社では、最近の売上実績が向上してきており、全国軽貨物ネットワークを展開するまでに成長し、今年4月からは大手の引越会社と連携した新たな業務を受注することができました。
 こうしたことに伴い、従業員数も増加してきましたが、運転技術はもとより、迅速、的確な配送管理、顧客対応マナーなど、早急な人材の育成が求められていましたので、人材の育成を担当する従業員にはかなりの負担となっていました。
 このようなことから、長年にわたって悩み続けていたところ、親交のある社会保険労務士の方からジョブ・カードを活用した人材育成制度と、この制度を活用して人材の育成・確保に取り組む企業を支援している埼玉県地域ジョブ・カードセンター(埼玉県商工会議所連合会に設置)のことを教えてもらいました。早速、詳しい内容を聞くために、代表取締役の私と人事課長の2人で同センターを訪問しました。
 実際に企業を支援している制度普及推進員の方からは、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練の仕組みと実施方法、訓練カリキュラムなどの作成手順とそのポイントなどについての詳しい説明を受けましたので、実施に向けての第1歩を踏み出すことができました。

2.具体的な取組内容

 訓練の対象者は、非正規で勤務していた従業員の中から、3人に絞りました。この3人の現在の職務や経歴などを踏まえ、訓練の内容にどのような要素を盛り込めば、より効果的なものになるのかについて検討しました。その後、とりまとめた訓練カリキュラムの案を制度普及推進員の方に持参し、懇切丁寧なアドバイスを受けながら、訓練生の仕上がり像を決定し、それに合わせた6カ月間の訓練カリキュラムを作成しました。
 私たちが3人の訓練生に伝えたかったのは、「見えない経験」と「形なき技術」です。お客様の言われるままに倉庫や車両の手配をするのではなく、現場の実情に応じたコミュニケーション能力やセールスコンサルティング技術など、「配車」ではなく「配慮」のできる人間性や行動力を身に付けた組織人、業界人になってほしいということです。
 Off-JT(座学等)による訓練は、毎週月曜日の午前中と決めて実施しました。この狙いは、週の初めに集中するお客様からの注文や問い合わせなどの電話がかかってくる現場から離れた環境にすれば、集中して訓練に取り組めるのではないかと考えたからでした。最初はかなり混乱しましたが、次第に定着し、3人の訓練生全員が無遅刻、無欠勤で有期実習型訓練を終了することができました。
 43時間のOff-JT(座学等)は私が担当し、382時間のOJT(実習)は私と人事課長が分担して指導しましたが、対外的なスケジュールのやりくりなどに苦労があったのは、最初の頃だけでした。3人の訓練生にとっては、この有期実習型訓練に取り組む当社の姿勢について理解するよい機会になったと思っています。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

Off-JTの実施風景
Off-JTの実施風景

 1日平均で4時間程度の余裕を持った訓練カリキュラムにしましたが、訓練生を指名する訓練中の電話には、それぞれの訓練生が対応したために中断してしまい、終了時間が延びてしまうことがたびたびありました。
 しかし、訓練の開始から2カ月を過ぎた頃からは、訓練生だけではなく、社内全体に訓練の趣旨が理解されたこともあり、お互いに助け合う精神と達成の喜びを分かち合える機運が醸成されましたので、従業員が一丸となって電話対応や作業手配などを手分けしながら、自分たちで業務の流れを作り出せるようになりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 当社では、2カ月ごとに社内研修総括記録を作成しています。これを時系列的にみると、以下のような効果がありました。
(1)前 期
  1)あいさつや発言のトーンがあがった。
  2)1人で問題を背負って悩んでいる姿がなくなり、仲間同士で話し合っている姿が増えた。
(2)中 期
  1)「こうしたらどうですか?」と、問題提起するようになった。
  2)担当する業務を自己判断で解決することなく、「報・連・相(ほうれんそう」の姿勢がみられるようになった。
  3)疑問点や問題点をそのままにしないで、「なぜ?」と掘り下げるようになった。
(3)後期と終期
  1)担当以外の業務も気にかけ、時には、対応するという積極的な姿勢がみられるようになった。
  2)自分で仕事をみつける姿勢に変わった。
  3)ポジティブシンキング、客観的な認識、笑顔が目立つようになった。
 有期実習型訓練を実施することによって、企業としては、従業員を育成するための環境を整備し、提供できるため、将来的なキャリアアップと長期安定雇用の確立に繋がるものだと思います。従事する業務に関する訓練を受けられる制度を設けている会社であるという安心感からか、従業員の募集活動(求人チラシ、求人申込みなど)を全くしなくても、人と人との繋がりから、働きたいという人が集まるようになりました。
 現在は、7月下旬の開始を目標とした2回目の有期実習型訓練や、職業能力評価制度とキャリア・コンサルティング制度(キャリア・コンサルタントの養成を含む)を実施するための企業内人材育推進助成金の制度導入・適用計画届の管轄のハローワークへの提出など、更なる人材育成に向けて準備を進めているところです。
 

(平成28年7月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要