企業から寄せられた声(文字情報)

静岡農芸株式会社

会社概要

所在地: 静岡県静岡市
業種: 卸売業(園芸資材)
資本金: 1,000万円
従業員数: 12人
URL: http://www.goopot.com

訓練概要

コース名: 総務人材育成コース
職種: 事務職
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成27年11月~28年2月
種別: 有期実習型訓練(キャリアアップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

Off-JT(実技)のパソコン基本実習
Off-JT(実技)のパソコン基本実習

 当社は、私(現社長)の祖父が個人商店として昭和32年4月に創業し、土と肥料、農薬などの園芸資材を全国のメーカーから仕入れたうえ、町の花屋や園芸店などに卸してきました。
 20年ほど前のガーデニングがブームの頃は、卸売業も順調でしたが、ブームがひと段落したことから、これに対応するために、新たな事業としてインターネット通販に乗り出しました。
 私自身は、コンピュータに触るのが嫌いではありませんでしたので、自分で会社のホームページを制作してみました。その1年後、①ホームセンターなどにはないような植木鉢などを豊富に取り扱っていた、②車を持っていない方などに対しては自宅まで届けていたといったサービスなどが評価され、インターネットサービスを運営している楽天㈱から出店してほしいとの依頼がありましたので、「Goopot(グーポット)」という店名で、外国製の植木鉢と鉢カバーのネット通販のシステムを開始しました。
 現在、出店から9年目に入りました。販売している植木鉢などの商品数は2,000点を超えており、全国津々浦々から注文がきていることもあって、売り上げは右肩上がりで推移しています。加えて、お客様のレビュー評価も高く、植木鉢のジャンルでは、「楽天ランキング1位」を受賞することができました。特に、都市部に住んでいて自家用車を持たない方や高層マンションに住んでいる方などからの注文が増えてきており、その中には、沖縄県の離島に住んでいる方からの注文もあります。
 このような注文に対応している現場では、女性のパート社員だけでネット通販の受注と発送の業務を行っていましたので、将来のリーダーとなるような正社員を早急に育成していく必要がありました。
 そのような折、当社を訪問した静岡県地域ジョブ・カードセンター(静岡商工会議所に設置)の制度普及推進員の方から、人材を育成・確保するために有効だというョブ・カード制度の有期実習型訓練の活用を勧められました。
 この有期実習型訓練についての説明を聴くと、パート社員であっても訓練生にして教育できることが分かりましたので、意欲的なパート社員を対象とした有期実習型訓練を実施することにしました。この訓練によって、ホームページやブログ、フェイスブックなど、マルチに情報発信できる能力を身に付けさせて、園芸資材のネット通販で活躍できる社員を育成することにしました。

2.具体的な取組内容

 当社で実施する有期実習型訓練は、「総務人材育成コース」とし、ネット通販で求められる知識と技能を習得させることを主眼とした訓練カリキュラムを組み立てました。
 また、訓練生の選定に当たっては、「正社員となって、将来は先輩社員として模範となり得る人」「お客様の目線で考え、楽しんで仕事ができる人」ということを重視したうえ、家庭の事情によって制限される勤務時間や仕事に対する適性、将来性などを総合的に判断し、9人いたパート社員の中から1人に絞り込み、有期実習型訓練を受講する意義について説明しました。
 訓練期間は3カ月間とし、218時間のOJTと30時間のOff-JTの合計248時間の訓練時間としました。また、OJT、Off-JTともに、訓練の指導は、社長である私が行いました。
 このうち、OJTは、総務業務実習と入出荷作業、データ管理の理解と実習とし、Off-JTは、学科としてオリエンテーションと商品に関する基礎知識、コミュニケーション能力や職業人意識、ビジネスマナーの形成など、実技としてはパソコンの基本実習とブログの作成演習を実施しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 これまでの当社での社員の育成指導は、時間的に余裕があるときに行うといったように、思いつきの指導がほとんどでしたので、体系立てたものではなく、場当たり的に行ってきたことから、OJTとOff-JTの区分けといった考え方がありませんでした。このため、OJTとOff-JTを効果的に組み合わせた訓練カリキュラムの作成に当たっては、制度普及推進員の方から参考資料を提供してもらい、それを基に指導してもらいました。これによって、当社のオリジナルな身の丈に合った内容の訓練カリキュラムを作成できましたので、非常に助かりました。
 また、静岡労働局に提出する申請書類の作成についても、制度普及推進員のアドバイスがありましたので、思ったほど手間はかかりませんでした。

4.制度の活用による具体的な効果

Off-JT(学科)の「商品に関する基礎知識」
Off-JT(学科)の「商品に関する基礎知識」

 初めて実施した有期実習型訓練を終了しての感想は、以下のとおりです。
  • (1)OJTとOff-JTに分けて訓練を実施する意義を改めて実感しました。OJTについては、これまでも、その都度、現場で実務を教えることがありましたが、Off-JTでは、必要とされる知識や技能の習得のために時間をかけてしっかりと学ばせるために、「何を教えるのか」「効率的に教えるためにはどうしたらよいのか」ということを考えましたので、社内全体の業務の見直しにもつながりました。
  • (2)当社の仕事をするに当たっては、女性の感性や細やかな心遣いが大切なことを再認識しました。手元にある商品の魅力がインターネットの画面の向こう側のお客様に対してどのように伝わるかということは、植木鉢などの商品の写真の撮り方やレイアウトひとつで大きく変わります。また、花や観葉植物をいかに美しく飾るかは、お客様の目線で考える楽しさもある仕事であることを訓練の指導者の立場に立って改めて感じました。
 以上のように、有期実習型訓練を実施したことによって、当社にとっては大きな効果がありましたので、今後も機会があれば、有期実習型訓練を積極的に活用し、優秀な社員を育成していきたいと考えています。

(平成28年8月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要