企業から寄せられた声(文字情報)

ミズタニバルブ工業株式会社

会社概要

所在地: 岐阜県山県(やまがた)市
業種: 製造業
資本金: 3,000万円
従業員数: 55人
URL: http://www.mizutani-v.co.jp/

訓練概要

コース名: 営業中核人材養成コース
組立中核人材養成コース
生産技術中核人材養成コース
商品開発中核人材養成コース
職種: 営業/組立/生産技術/商品開発
訓練生数: 6人(6人とも正社員採用)
期間: 平成28年4月~11月
種別: 実践型人材養成システム

1.制度の活用に取り組んだ目的

岐阜県山県(やまがた)市にある本社の外観
岐阜県山県(やまがた)市にある本社の外観

 当社は、昭和26年9月に「水谷製作所」という名称の上水道水栓の機械加工の専門製作を行う個人企業として創業し、昭和34年1月に現在の法人に改組しました。
 その後、水栓金具の開発・設計や製造(鋳造、機械加工、めっき、組立)、販売まで一貫生産することにより、水廻り商品(キッチン、バス、洗面)を取り巻く環境の変化に対応し、時代が求める商品の開発に注力してきました。最近では、「水電柱」(車の洗車やEV車の充電に便利なコンセント付きの水栓柱)や「はたけ名人」(底面給水機能と専用土による家庭菜園キット)という新規性に富んだユニークな商品を開発しています。  平成27年には、現在の4代目が取締役社長に就任したことを契機として人材の育成方法を見直し、若い人材を積極的に採用して育てていくという方針に転換しました。しかしながら、これまでは、人材の育成に必要な社内教育に取り組んできた経験が少なかったために、「どのように進めていけば良いのか」「何か良い方法はないか」と悩んでいました。
 そのようなときに旧知の労務管理のコンサルタントの方に相談したところ、ジョブ・カード制度の実践型人材養成システム(認定実習併用職業訓練)と、この訓練を実施する企業を支援している岐阜県地域ジョブ・カードサポートセンター(美濃加茂商工会議所に設置)を紹介してもらいました。
 早速、同センターに電話したところ、制度普及推進員の方に当社まで出向いてもらうことになり、この訓練の仕組みや実施方法などについて説明してもらいました。
 その説明によると、制度普及推進員の方のアドバイスを受けながら、訓練生の仕上がり像を考えてOJT(実習)とOff-JT(座学等)を効果的に組み合わせた訓練カリキュラムを作成したうえ、それに従って訓練を実施し、終了後は、一定の要件を満たしていれば、国からの助成金が支給されるので、教育にかかるコスト負担を軽減できるということでした。加えて、この訓練を活用すると、社員を育成するための仕組みを構築できるのではないかと思いましたので、実施することにし、制度普及推進員の方に相談しながら、訓練計画届などの申請書類の作成に取りかかりました。  
 

2.具体的な取組内容

 今回の実践型人材養成システムは、営業と工場の水栓金具の組立、生産技術、商品開発のそれぞれの分野の人材を育成することを目的として実施しました。
 OJT(実習)とOff-JT(座学等)を効果的に組み合わせた訓練カリキュラムは、制度普及推進員の方のアドバイスを参考にしながら、社長をはじめ、事務の責任者3人の訓練の指導者が話し合ったうえ、4つの中核人材養成コース(営業と組立、生産技術、商品開発)を作成しました。また、訓練生は、新規学卒者の6人を選定しました。
 営業中核人材養成コース(訓練生:2人)と組立中核人材養成コース(訓練生:2人)、生産技術中核人材養成コース(訓練生:1人)、商品開発中核人材養成コース(訓練生:1人)のそれぞれの違いは、業務の特性を生かした内容をOJT(実習)に組み入れたことです。また、Off-JT(座学)についても、生産技術や商品開発についての3次元CADの外部教育を計画しました。例えば、組立中核人材養成コースでは、組立をメインにOJT(実習)を実施しましたが、生産技術中核人材養成コースと商品開発中核人材養成コースでは、品質管理や加工、生産管理、資材・購買なども訓練カリキュラムに盛り込みました。
 一方、共通した内容としては、当社での商品の製造工程の流れや商品を知ってもらうために、どのコースにも組立の時間を計画したことです。
 生産技術中核人材養成コースの訓練時間は630時間(7カ月間)、商品開発中核人材養成コースの訓練時間は690時間(8カ月間)とし、当社が要求するスキルが他のコースと比べて高かったために、訓練時間は、他のコースと比べて150~200時間程度長く設定し、訓練の終了後は、速やかに業務に従事できる人材の育成を目指しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

Off-JT(座学等)の実施風景
Off-JT(座学等)の実施風景

 実践型人材養成システムは、当社が独自に実施してきた従来の人材教育の方法とは異なり、しっかりとした訓練カリキュラムを立案し、これに基づいて実施しなければなりません。
 当社で実践型人材育成システムを実施したのは初めてでしたので、厚生労働大臣の認定を得るための申請書類の作成から、訓練の実施、申請書類の管理、助成金の支給申請に至るまでの事務手続きは、あまりイメージできていませんでした。このため、制度普及推進員の方からは、「コース数は、4つではなく、2コース程度に整理してはどうか」とのアドバイスを受けました。
 しかし、それぞれのコースには特徴があることから、コースを整理するのが難しかったために、訓練の指導者を務めた現場のリーダーと制度普及推進員の方が打ち合わせをした結果、当初の計画どおりの4つのコースで実施することにしました。
 また、それぞれのコースのOff-JT(座学)は、遠方にある外部の教育訓練機関の講座を活用しましたが、訓練生によっては、朝の5時近くに自宅を出ないと講座の開始時刻に間に合わないことが想定されましたので、タクシーの手配などの細やかな配慮をするなど、予想以上に事務負担がかかりました。
 Off-JT(座学等)の内容については、岐阜県の職業訓練校の協力により、訓練生の働くことに対する心構えやコミュニケーションの取り方をはじめ、チームワークを高めるためのポイント、安全衛生の重要性、各コースの専門教科、品質管理や5Sといった業務の改善に至るまで、外部の教育訓練機関を巻き込んだ専門的、かつ、体系的な教育の機会を提供することを重視しました。

OJT(実習)の実施風景
OJT(実習)の実施風景

 このほか、訓練日誌については、制度普及推進員の方から訓練の開始前に記入の仕方についてアドバイスしてもらいました。6人の訓練生に対しては、実施した訓練の内容に沿った誤解のない記入の仕方を心がけてもらい、訓練の指導者が毎日目を通し、訓練生一人ひとりのケアに努めました。また、訓練生の文章表現のスキルには個人差がありましたので、訓練の終了後は、制度普及推進員の方に表現方法や内容に齟齬がないかどうかを何度も確認してもらいました。

4.制度の活用による具体的な効果

 

(1)6人の訓練生は、初めての経験に戸惑いがあったようです。しかし、一生懸命に取り組んだことにより、訓練の終了後は、訓練生一人ひとりの心構えに変化がありましたので、その後の業務を進めるうえでとても良かったと思います。

 

(2)人材を育成するための仕組み(教育プログラム)を構築できたことも、訓練の成果といえます。今後は、もっと充実した教育プログラムや指導方法に改善していけるという自信も持てました。

 

(3)卒業した学校から訓練生に対してアンケート調査が行われたときは、訓練生の全員が「この会社に就職して良かった」との回答欄にそれぞれ☑を入れていました。当社が知らない間に訓練生と学校の間でそうしたやり取りがあったことを後で知り、大変うれしく思いました。次年度は、本年度よりも2人多い8人を採用する予定ですので、さらにいくつものコースを計画し、これまでの経験やノウハウを生かして訓練を実施できるようにしたいと考えています。

5.訓練を通じて分かった当社の課題

 

(1)実践型人材養成システムを今後も実施していくうえでは、会社として人材をどのようにして育成していくかということが非常に大事だと感じました。特に、若い人材を育成するために先輩社員の経験やノウハウを教えることによって、若い人材のモチベーションをどのようにして高めていくかということが重要な課題だと思いました。

 

(2)正社員として採用した6人をどのようにフォローアップし、処遇していくかということも、とても重要な課題だと実感しました。これについては、外部の専門家を交えて彼らが自分の考えや行動などを深く顧みる機会を提供するなど、教育を継続していきたいと思います。新規学卒者を中心とした教育はもちろんですが、今後は、会社全体の人材を育成する仕組み(教育プログラム)のブラッシュアップにも取り組み、6人の能力のさらなる向上に努めていきたいと考えています。


(平成30年5月現在)

有期実習型訓練の概要

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