企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社MOTHER

会社概要

所在地: 岐阜県関市
業種: 生活関連サービス業
資本金: 100万円
従業員数: 5人
URL: http://www.dog-rich.com/

訓練概要

コース名: トリマー育成コース
職種: 専門技術サービス
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成30年5月~10月
種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

岐阜県関市にある社屋の全景
岐阜県関市にある社屋の全景

 当社は、平成23年3月に個人企業として関市で創業した犬を専門とするペットショップです。心から信頼し、安心できる存在の“お母さん”。「愛犬にとって、飼い主の方にとって、そのような存在になりたい」という願いを込めて、屋号は、「ドッグサロンMOTHER(マザー)」としました。
 平成30年の1月には、現在の法人に改組し、2月には、各務原市(岐阜県)に2店舗目をオープン、ペットブームを背景として徐々に業容を拡大してきています。
 当社では、家族の一員である愛犬たちが健康に過ごせることを一番に考えています。単に見た目をきれいにするだけではなく、病気を早期に発見し、耳や皮膚の状態などを飼い主の方に正しく伝えるとともに、食事や運動、躾などの様々な視点から愛犬の健康を見直し、いつまでも健康で幸せに暮らせるよう、総合的にケアをするように心がけています。
 しかしながら、トリマーなどの専門的なスキルを持った社員が慢性的に不足していることから、現在のペットブームを受けた市場での顧客のニーズがあるものの、店舗展開を図るためにはトリマーの人材確保が難しいことから、規模を拡大するのが厳しい状況にあります。
 また、人手不足を解消するために未経験に近い方を新たに雇用しても、育成には一定の教育期間を要するため、生産性が上がりにくく、人件費の負担が増えるという、人材育成については閉塞感のようなものがあると思っており、心に余裕がなくなりがちになっていました。このようなことから、トリマーの育成に当たっては、「どのように進めていけば良いのか」「何か良い方法はないのか」と、社長の私が1人で悩むようになっていました。
 そのようなときに、知り合いのジョブ・カード作成アドバイザーの方に相談したところ、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練とこの訓練を実施する企業を支援している地域ジョブ・カードセンターと地域ジョブ・カードサポートセンターについて教えてもらいました。早速、最寄りの地域ジョブ・カード(サポート)センターをパソコンで検索したところ、岐阜県地域ジョブ・カードサポートセンター(美濃加茂商工会議所に設置)が当社の近くにあることが分かりました。
 そこで、岐阜県地域ジョブ・カードサポートセンターを訪問し、ここの制度普及推進員の方から、有期実習型訓練の仕組みや実施方法などについて懇切丁寧に説明してもらいました。
 この説明によると、制度普及推進員の方のアドバイスを受けながら訓練生の仕上がり像を考えて、OJT(実習)とOff-JT(座学等)を効果的に組み合わせた訓練カリキュラムを作成したうえ、これに従って訓練を実施し、終了後は、一定の要件を満たしていれば、国から助成金が支給されるので、教育にかかるコスト負担を軽減できるということでした。
 制度普及推進員の方の説明の内容を踏まえて検討したところ、有期実習型訓練を活用すると、社員を育成するための仕組み(教育プログラム)を構築できるのではないかと思いましたので、実施することにしました。
 また、終了後の正社員化についても制度普及推進員の方に相談したところ、これは、企業に対する支援業務の対象外だということでしたので、この分野での経験が豊富で、ジョブ・カード制度に理解があり、当社の近くに事務所がある社会保険労務士の方を紹介してもらいました。  
 

2.具体的な取組内容

OJT(実習)の実施風景
OJT(実習)の実施風景

 今回の有期実習型訓練は、トリマーを育成することを目的とし、ハローワークで募集した2人の訓練生を対象に実施しました。
 訓練カリキュラムは、制度普及推進員の方のアドバイスを参考にして、社会保険労務士の方と相談しながら作成しました。
 Off-JT(座学等)は、いろいろな考え方ややり方を学ぶことにより、自分なりのやり方を習得してもらいたいと考えて、3人の外部講師(トリマーや訓練士)に依頼しました。特に、愛犬の手入れで最も難しいのは、ブローといわれていますので、毛並み(長毛や短毛)に応じた実技(演習)も訓練カリキュラムに入れました。その理由は、シャンプーで濡れた毛は、うまく乾かさないと風邪をひいて体調を崩しやすいからです。このほか、道具の扱い方や犬種(小型犬や大型犬など複数の犬を扱うことから「犬種」と表記しています)によくある病気、犬の心理学(犬を服従させるテクニック)についても盛り込みました。
 訓練時間は784時間(6カ月間)とし、このうち、Off-JT(座学等)は、外部講師に依頼したために有償でしたが、しっかり学び取ってもらいたいと考え、思い切って104時間とやや多めに設定しました。
 訓練を終了した後にトリミング業務の応用分野(アレンジ)にスムーズに移行するために必要な教育の内容になるように配慮し、訓練カリキュラムを最終的に決定しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

訓練生と訓練の指導者の集合写真
訓練生と訓練の指導者の集合写真

 当社では、有期実習型訓練を実施するのは初めてでしたので、申請書類の作成から訓練の実施、申請書類の管理、助成金の支給申請に至るまでの事務の手続きは、あまりイメージできていませんでした。しかし、制度普及推進員の方のアドバイスがありましたので、非常に助かりました。
 また、労務管理面での不安がありました。このため、制度普及推進員の方に紹介してもらった労務管理の専門家としての社会保険労務士の方に相談し、就業規則の作成など、労務管理面での支援をしてもらいました。
 当社の社員は、シフト制をとって働いているため、当初計画していたOJT(実習)を予定どおり終了できない日がありました。しかし、余裕をもった訓練計画を立てていたため、予備日に訓練を実施するなどして対応しました。
 訓練日誌についても、初めての試みで分からないことが多かったため、制度普及推進員の方を講師とした訓練指導者・評価担当者講習会では、訓練日誌の記入の仕方などについての指導を受けました。また、訓練の期間中は、訓練の内容に沿った記入の仕方を訓練生に心がけてもらったうえ、不明な点は、社会保険労務士の方に相談し、判断が難しい場合は制度普及推進員の方にチェックしてもらうなど、初めての取り組みだっただけに、安心できる体制づくりを心がけました。

4.制度の活用による具体的な効果

 有期実習型訓練を終了し、2人の訓練生を正規雇用した感想は、以下のとおりです。

(1)2人の訓練生は、一生懸命に取り組んだことにより、「自分たちの居場所はここにあるんだ」と、意欲の高まりを感じたようでした。

(2)人材を育成するための仕組み(教育プログラム)を構築できたことも、有期実習型訓練を実施した効果といえます。訓練の指導者(OJT〈実習〉)としての説明に漏れがなくなり、系統立てて訓練を進められるようになり、課題をひとつひとつクリアできるようになりました。

(3)教育の内容を明確にしたことにより、自分自身が訓練生に何を教えなければならないかが分かるようになったことで、心に余裕が持てるようになり、教え方もこれまで以上にスキルアップしました。

(4)ハローワークなどで求人を募集するときは、「弊社独自の教育プログラムあり」と求人票に記入したところ、求職者の方から応募がありました。特に、若者からは、「この会社では、学べるから、この職場で働きたい」という印象を与えることができたようです。慢性的にトリマーが不足している状況のもと、このような事例をきっかけとして、今後も、有期実習型訓練を活用することにより、人手不足の解消に役立てていきたいと考えています。


(平成30年11月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要